リサーチ

アジア太平洋地域で急拡大する冷凍冷蔵倉庫マーケット

中産所得層の急激な増加、食品の電子商取引やオンライン配送サービスの成長などを背景に、アジア太平洋地域において冷蔵倉庫の需要が拡大しており、今後10年で冷蔵倉庫への投資額は40-50億米ドルと5倍に拡大する見込みです。本レポートでは、アジア太平洋地域における冷凍倉庫市場の現状と将来性について分析しました。

2022年 09月 21日

クレジットイベント(市場・経済に悪影響を及ぼす社会的事象)に強い不動産投資セクターとして、コロナ禍以降、急速に存在感を高めている物流不動産。そうした中、より魅力的な利回りを求めて一部の先進的なグローバル投資家は冷凍倉庫に着目している。

温度変化によって劣化する新型コロナ・ワクチンの供給・保存先するか、目下の食糧不足への対応など、世界的な課題に対して大規模かつ信頼性の高い冷蔵倉庫の重要性が高まっている。特に、急激な中産所得層の増加と消費意欲の高まりを受けるアジア太平洋地域では、コロナ禍を受けてオンライン注文による食品や料理の配送サービスなど爆発的に利用者が増えている。

冷蔵倉庫への急激な需要拡大によって、アジア太平洋地域ではすでに深刻な供給不足に陥っている。単純計算で既存ストックの2倍以上に相当する5億㎥程度の新規供給が必要とされている。そして、膨大な電力消費を伴うため、既存施設には高度な環境対策が求められており、今後は既存施設の建替えなど、新規供給が加速する見通しである。

その結果、アジア太平洋地域の冷蔵倉庫市場の投資は今後10年で5倍増、少なくとも40億-50億米ドルに達する可能性があり、同地域のコールドチェーン市場は2021-2028年にかけて年平均成長率(CAGR)12%の成長が見込まれる。しかし、これは控えめな予測で終わる可能性もある。

JLLが2021年に実施した「Future of Global Logistics Real Estate」調査によれば「アジア太平洋地域の冷蔵倉庫需要は今後3年で20%以上増加するか」との問いに対して「同意する」、「強く同意する」との回答は91%に上っており、冷蔵倉庫セクターがグローバルなサプライチェーンに不可欠な存在として広く認知されていることから、今後は独立したアセットクラスとして、投資家にとっては相応のポートフォリオ配分が必要になるだろう。

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