リサーチ
進展する物流施設の機械化と自動化
全世界の倉庫自動化の市場規模は2020年の140億米ドルから、2025年には262億米ドルへ拡大が予想されるなど、物流不動産市場で注目を集める機械化・自動化。本レポートでは、物流施設の機械化・自動化の現状と、投資家・テナント・デベロッパーへの影響について考察しました。
2022年 10月 06日
本レポートでは、スマート物流の実現に向けた世界的な同行、機械化・自動化技術の主要トレンド、用途・建物への効果、コスト・便益についてまとめた。
物流・産業(L&I)用不動産の分野でテナント各社による技術ソリューションの導入が広がっている。この動きを受けて、最新の高規格型の物流・産業用施設の設計・建築のあり方も根本的に変わりつつある。
物流・産業用不動産においてハードウェアを対象とした技術ソリューションは機械化・自動化システム、ロボット、バッテリー充電器などが挙げられる。一方、ソフトウェアは、倉庫管理システム(WMS)、自動認識・データ取得システム(AIDC)、自律化ソリューションなどが挙げられる。これらのソリューションの中でも、施設に最大の効果をもたらすのが機械化・自動化(ロボット含む)だ。
全世界の倉庫自動化市場の市場規模は2020年の140億米ドルから、2025年には262億米ドルへと拡大する見込みであり、年平均成長率は13.4%、2020年までの5年間の成長率8.7%と比較して大幅な伸びが見込まれる。
機械化・自動化技術はテナント企業のみならず、最終的には投資家やデベロッパーにとっても重要な役割を担う。こうした技術は、サプライチェーン全体の運用効率化、長期的なコスト管理、迅速化、柔軟性向上につながる。