事例紹介

積水ハウス「福岡大名ガーデンシティ」 - プロパティマネジメント受託事例

福岡市の都市再生プロジェクト“天神ビッグバン”の一角を担う「福岡大名ガーデンシティ」。オフィス、商業、スタートアップ支援施設、ラグジュアリーホテル、広場などの多機能を有する大規模複合施設である。さらなる施設活性化を目指し、JLLがオフィス・商業区画のプロパティマネジメント業務を受託した。

場所

福岡市中央区

スポットライト

オフィス・商業区画のプロパティマネジメント業務

規模

地上25階地下1階、延床面積約90,400㎡

不動産タイプ

オフィス、商業、ホテルなどの大規模複合施設

築年が経過したビル群を耐震性の高い最先端ビルへ建替えることで安全性を確保しながら、都市インフラの機能向上によって国際ビジネス都市への飛躍を目指す、福岡市の面的再開発プロジェクト「天神ビッグバン」。その主要施設として2023年3月に竣工したのが大規模複合施設「福岡大名ガーデンシティ」である。

天神ビッグバンの対象エリアにおいて最も西側に位置し、“西のゲート”を彷彿させる外観デザインが特徴の同施設。「旧大名小学校跡地活用事業」として開発され、オフィス・ホテル棟、コミュニティ棟、3000㎡に及ぶ緑地広場で構成される。総面積30,000㎡に及ぶハイグレードオフィス区画の他、接待需要にも対応できる飲食主体の商業区画、九州初のラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン ホテル」、国際会議などの受け皿になる大型カンファレンス、スタートアップ支援施設「GROWTH 1」、地域住民が集う公民館、グローバル企業向けの高級レジデンス、インターナショナル仕様の保育園など多様な施設を有し、国内外の大手企業、スタートアップ、インバウンドや地域住民が集う“交流の場”として地域活性化に寄与する。

また、九州初の都市ガス「中圧認定導管」による最先端のコージェネレーションシステムを導入。福岡市と協定を締結した災害時の帰宅困難者の受け入れ施設であり、脱炭素化と災害時のレジリエンス強化を両立した最先端のスマートビルでもある。

「福岡大名ガーデンシティ」を開発した大名プロジェクト特定目的会社の代表企業である積水ハウス 福岡マンション事業部 シニア・スペシャリスト 閑 章二郎氏によると、コロナ収束後に急回復したインバウンド需要を背景に、ホテルは高稼働を維持。想定以上のADR(客室平均単価)を記録しているといい、そのブランド性もあり施設全体の知名度向上にも一役買っている。商業区画は100%稼働で竣工し、コロナ禍の影響で減退基調だったオフィスリーシングも改善に向かっており、あと少しで満室稼働の状況になっており(2025年1月末時点)、施設運営パフォーマンスは上昇基調を描いている。

課題

「MEET SYNERGY ~門をくぐって、次の福岡へ。~」を施設全体のコンセプトに掲げ、国内外の大手テナント企業、スタートアップ・起業家、インバウンド、そして地域住民など、多様な人々の交流を促し、地域活性化・新規ビジネスの創出を目指す同施設。閑氏は「天神ビッグバンにおける西のゲートであり、ローカル都市である福岡市がグローバル都市へ飛躍することに貢献することが当施設の最大の目的」と説明するように、「世界に開かれたゲート」としての役割をさらに邁進できるよう、竣工から1年半後の2024年10月、JLL日本 福岡支社 不動産運用サービス事業部にオフィス・商業区画のプロパティマネジメント(以下、PM)業務を委託した。

アプローチ

JLLにPM業務を委託した理由は、外資系不動産サービス会社として大規模複合ビルの運営管理におけるグローバルな知見・ノウハウ、そして世界・東京のトレンドをいち早く施設運営に取り入れ、さらなる施設活性化を期待したためである。さらに、数多くの大規模再開発が連なる天神ビッグバンにおいて、約3,000㎡に及ぶ大規模な力広場を有するのは「福岡大名ガーデンシティ」にのみであり、イベントなど有効活用施策の企画立案などにも期待を寄せている。

成果

現在、オフィス・商業区画におけるテナント管理・運営、誘致支援などのプロパティマネジメント業務を担当しており、特に注力しているのはテナント誘致活動だ。閑氏は「移転検討のタイミングもあるが…」と前置きしつつも「JLLがPM業務を担当するようになって引き合いが増えている」と説明。複数の大規模再開発が進行し、オフィスの大量供給がなされるなか、満室稼働まであと少しという状況までになった。優秀な人材を採用するべく働き方や働く場に着目した先進的な企業からの引き合いが強いという。

加えて、JLL日本 エナジー&サステナビリティ事業部の協力のもと、エネルギー運用の最適化に向けた分析調査も進めている。

オフィス・商業施設・スタートアップ施設・レジデンスといった異なる用途を一括管理することで生み出されるシナジー効果にも期待が寄せられている。商業施設のPM受託数として国内屈指の実績を有するJLLリテールマネジメントと連携し、オフィスワーカーに積極的に商業区画を利用してもらうための施策を企画している。

クライアント&担当者の声
クライアント

「福岡大名ガーデンシティ」のオフィス・商業区画のプロパティマネジメント業務をJLLへ委託したのは、外資系不動産サービス会社としてのグローバルな知見を活かした施設マネジメントを期待したためです。

積水ハウス 福岡マンション事業部 企画開発課 シニア・スペシャリスト 閑 章二郎氏は次のように述べています。

「天神ビッグバンにおける東のゲートである『アクロス福岡ステップガーデン』に対し、『福岡大名ガーデンシティ』は西のゲートを彷彿させる建物として整備しました。広場を中心とした一体開発により、市民やインバウンドの賑わい、交流の場として地域活力のシンボル空間として利用される施設を目指しています。施設内には最高級ホテルブランド『ザ・リッツ・カールトン福岡』を誘致し、最先端のコージェネレーションシステムを導入したスマートオフィスとすることで福岡市をローカルからグローバルにする装置となれば幸いです。

今回『福岡大名ガーデンシティ』のオフィス・商業区画のプロパティマネジメント業務をJLLへ委託したのは、外資系不動産サービス会社としてのグローバルな知見を活かした施設マネジメントを期待したためです。世界的なトレンドをいち早く当施設に持ち込んでいただき、福岡の活性化に貢献いただき、さらに福岡の中心地でこれほど広大な広場を併設した施設は非常に希少です。広場の新たな利用方法やオフィスと商業を連携させ双方がWin-Winになる施策など、様々な提案を期待しています」

JLL担当者

海外や東京の施設運営における最新トレンドを提供することで『福岡大名ガーデンシティ』のさらなる活性化に尽力し、ひいては福岡市をグローバルに拓けた都市へ発展できるように貢献します。

JLL福岡支社 副支社長 巻幡 省吾は次のように述べています。

「『福岡大名ガーデンシティ』はオフィス・商業区画の他、外資系高級ホテルやレジデンシャル、広場、公民館などの多用途で構成された福岡屈指の大型複合施設であり、施設運営において難易度が高く専門性が求められます。JLLは国内外のオフィス・商業の他、多種多様なアセットタイプのプロパティマネジメント業務で豊富な実績を有し、海外や東京の施設運営における最新トレンドを提供することで『福岡大名ガーデンシティ』のさらなる活性化に尽力し、ひいては福岡市をグローバルに拓けた都市へ発展できるように貢献します。

館内人員の増加を早期に達成するべく、満床が見えてきたオフィス区画のテナント誘致活動に注力しながら、商業区画においてはJLLグループで国内屈指の商業施設PM受託面積を誇るJLLリテールマネジメントと協働し、オフィスと商業の双方が連携して活気づく施策づくりを行っており、さらなる賑わい創出を目指しています」

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