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オフィスが先導するSDGsへの取り組みとは?

SDGs達成への機運が高まる中、企業のオフィスによる取り組みが注目されている。地球規模での環境問題に直面し、利益重視だけでは済まされない危機に瀕しているといっても過言ではない状況で、企業がオフィスを通して行うべきSDGsへの取り組みについて解説する。

2021年 12月 07日
SDGsに配慮したオフィスが求められる理由

17の目標を掲げ、持続可能な環境を取り戻すためのSDGsの採択をきっかけに、経済発展を最優先してきた社会の流れが転換期を迎えている。世界各地で起こる自然災害への代償は大きく、今後のSDGsへの取り組み次第で未来が様変わりするのはいうまでもないが、問われる責任に対し、実際に取り組みを行う企業は依然として少ない。ドイツのベルテルスマン財団、持続可能な開発ソリューション・ネットワークが発行した「持続可能な開発報告書2021」によると、SDGsへの取り組みを国別で表すランキングでは、日本は165カ国中18位となり「働きがいも経済発展も」「すべての人に健康と福祉を」等のカテゴリーが前年よりも改善しているという結果が公表されている。一方で「陸の豊かさも守ろう」の項目では前年に比べマイナスという結果となっており、昨今、急速に進む不動産業界のSDGs・ESGへの取り組みが今後状況を改善させると考えられる。様々な施策の中で、企業が果たすべき役割としてオフィスへの取り組みは、SDGsの各項目に対し、今後さらに寄与していくと考えられる。ヒトが生活する上で欠かせない”働く場所”となるオフィスの運営・管理のプロセスでSDGs達成という意識を組み込むことで、環境・社会への寄与に繋がるだけでなく、企業責任を果たしているというプレゼンスのアピールにも直結し、ESG投資の対象となる可能性も高いからだ。SDGsという概念によって、働くヒトに身近なオフィスという場所をアップデートさせることで、環境だけでなく企業も含めた包括的な効果と循環を生み出すことができるのではないだろうか。

企業戦略におけるSDGsのオフィス最適化

企業戦略で重要な役目を果たすオフィスは、SDGs達成に寄与する要素を持ち合わせており、積極的な取り組みを図ることで、投資家への企業プレゼンス、ブランディングに直結する

企業戦略のプロセスにおいてSDGsに配慮した取り組みは、CSR(Corporate Social Resposibility:企業の社会的責任)に関連させて行う等、CRE戦略に組み込まれるケースが多い。SDGs実現に向けて、環境・社会・企業統治の観点で、企業が行う社会的活動を評価し投資するESG投資の概念が注目され始めたことにより、サステナビリティの要素が欠かせなくなってきている。企業戦略で重要な役目を果たすオフィスは、従業員の働きがいや健康を示すウェルビーイングの構築、オフィスビルの脱炭素化、省エネルギー対策等、SDGs達成に寄与する要素を持ち合わせており、積極的な取り組みを図ることで、投資家への企業プレゼンス、ブランディングに直結する。また、SDGsに配慮したオフィスへの取り組みは、従業員のエンゲージメントの向上による離職率の改善、施設の管理・運営の最適化によるコスト削減と、環境や社会への貢献だけでなく、長期的な視点で企業への効果として現れやすい。企業戦略におけるSDGs達成に向けたオフィス最適化は、環境や社会、企業の包括的な循環を作り出すことが可能と考えられ、そのためには、従来の考え方を転換していくことがこれからの時代を先導する企業として欠かせない過程となってくるだろう。

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SDGs達成に向けて欠かせないソリューションとは?

テクノロジーが果たすSDGs達成への役割は大きく、オフィスだけでなく、企業の資産最適化プロセスに寄与している。JLLがグローバル企業・投資家を対象にサステナビリティへの取り組みについて調査を行ったレポートでは、サステナブル化の鍵を握るのはテクノロジーだという認識が垣間見える回答が確認できた。SDGs達成に関連する二酸化炭素排出量削減の目標に対応するための投資対象項目を問う設問では、半数以上の54%の企業が新しいソリューションを支えるテクノロジーへの投資が大きな変化をもたらすと回答している。また、39%の投資家はデジタルソリューションが最大の投資対象となると答えている。SDGs達成には、テクノロジーのような革新的なソリューションが必要であり、企業や投資家もその事実を理解し、何らかのアクションが必要だと考えていることが窺える。

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出所:JLL日本

SDGsの取り組みとしてオフィスでできること

”脱炭素化”という響きは、遥か遠くに感じるかもしれないが、テクノロジーによる最新技術を駆使することで、SDGs達成へ寄与するだけでなく、長期的な観点で企業への費用対効果も生み出すことができる

オフィスビル全体の脱炭素化

SDGs達成のための17の目標「エネルギーをみんなにそしてグリーンに」にも該当するオフィスビルの脱炭素化。2030年までに二酸化炭素排出量を45%削減するというスケジュールが提示されたパリ協定を機に、企業の”オフィスビルの脱炭素化”への取り組みが活発になっている。世界の二酸化炭素排出量の約40%を不動産が占めるとされる現状から、オフィスビルの脱炭素化は持続可能な環境や社会を作っていく上で大きな役割を果たす不動産業界のグリーンビルディング化の機運が高まっていることから、企業としても積極的に省エネ対策を講じているケースも多い。例えば、不動産テックのIoT技術を用い、オフィス内に設置されたセンサーで測定した温度や照度を基準とし、空調や照明を自動で最適化することで高い省エネ効果を発揮し、二酸化炭素排出を削減するケースも見られる。”脱炭素化”という響きは、遥か遠くに感じるかもしれないが、テクノロジーによる最新技術を駆使することで、SDGs達成へ寄与するだけでなく、長期的な観点で企業への費用対効果も生み出すことができるのだ。

働くヒトのウェルビーイングを重視したオフィス環境づくり

ヒトが働く上で欠かせないオフィス環境の最適化は、従前から企業の課題とされてきたトピックであり、SDGsやESGに配慮した取り組みの中で重要な項目となっている。オフィス環境の最適化は、ヒトの健康に関係する安全衛生だけでなく、心理的安全性を高め、個人のウェルビーイングを向上し、組織全体のパフォーマンスを改善することにも繋がる。最近では、従業員やクライアントであるステークホルダーのウェルビーイングを意識したオフィスを評価する、CASBEEウェルネスオフィス評価認証やWELL認証も存在し、SDGs達成やESG投資に向けた企業の戦略的な取り組みにも影響している。

SDGsに配慮したオフィスへの取り組みは、ただ闇雲に行うのではなく、企業戦略としての道のりを策定し、計画的に進めていくことが重要となる。そのためにはSDGsという壮大な目標をまず本質的に理解し、ESG投資等の広い観点を持ちつつ、環境問題解決への行動を積極的に行っていくことが、今後の企業の繁栄に深く関連してくるだろう。

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