事例紹介

エリクソン(海外事例) - カーボンフットプリントを資本に転換

サステナビリティとコスト削減に意欲的な目標を掲げたエリクソン。パートナーに選ばれたJLLは、エネルギーと温室効果ガス排出量をモニタリングするシステムを提供し、同社の目標達成を支援。JLLの総合的なソリューションで、当初の目標を上回る成果につながった。

世界屈指の情報通信技術企業であるエリクソン。世界のモバイル通信トラフィック全体のおよそ40%が同社製機器で処理されている。一方、アジア太平洋地域に90の拠点を展開する同社にとってエネルギー消費コストも相応の金額に上っていた。このため、エリクソンでは、カーボンフットプリントの新たな削減策の選定、サステナビリティ目標の達成、その実現に適したテクノロジーの導入を迫られていた。

当時、同社が使用していたエネルギーパフォーマンス管理システムは陳腐化し、作業効率が悪化していた。保有する不動産ポートフォリオは膨大で、全体のエネルギー、水、廃棄物をより効果的に管理したいと考えたエリクソンは、そのニーズに応えてくれるパートナーを求めていた。JLLはエリクソンとの間ですでに別の不動産サービスに関して取引関係にあったことから、今回のサステナビリティ対応についてもJLLに声がかかった。

早速、JLLは省エネやサステナビリティに関する専門家を集め、エリクソンの拠点を担当する専任チームを結成。5年間で13.5%削減という省エネ目標を達成することに成功した。JLLの独自技術である「エネルギー&サステナビリティプラットフォーム(ESP)」を駆使し、国際基準に照らして不動産ごとの省エネ性能のベンチマーク調査を実施した。

エリクソンの要望は、設備投資をできるだけ抑えつつ、保有不動産の省エネ性能を最適化すること。元々、JLLが同社の事業内容に精通していたことに加え、今回、ESPから得られたデータを活用し、空調の設定値や稼働スケジュール、運用条件の調整など、省エネ化に向けた適切な改善を行うことで、同社の要望に的確に応えることになった。

「ESPプログラムはまだ初期段階ですが、すでに大きな成果をあげています」

トニー・アッシュワース氏

ESPプログラムは実施からわずか2年間で、以下のように、当初の期待を上回る成果をもたらしている。

  • 185項目の省エネ施策を実施し、5年間で13.5%削減という当初の省エネ目標を大きく上回り、わずか2年間で25%以上の省エネ化を達成
  • 省エネ以外にも節水、廃棄物削減、リサイクルなど100項目に及ぶサステナビリティの取り組みを特定・モニタリング
  • 設備運用の効率化により、維持費が減少
  • 設備の耐用年数が延長された結果、更新頻度の低下に伴うコスト削減

エリクソンのプログラム責任者であるトニー・アッシュワース氏がアジア太平洋地域担当としてサステナビリティ推進で成果をあげていたことで、新たに「グローバル・サステナビリティ責任者」に任命されたことも、ESPプログラムに一層の弾みがつく一因となった。

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