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「働き方改革」を促進するオフィス改革

働き方改革によりオフィスという「働く環境」の考え方や役割が大きく変化している。「仕事をするためのオフィススペース」が働き方の多様化により、従業員同士と繋がるための「コミュニケーションを活性化させる場」としてより重要視されるようになった。時代とともに変化変容していく働き方に適応するためのオフィス改革について解説する。

2020年 07月 28日

働き方を促進するオフィス改革とは?

「働き方改革」を実施する上で、人手不足を解消し人材確保へ繋げるため、従業員満足度を向上させていくことは、目標を達成するためのステップとして重要だ。そのステップには、企業文化の醸成や従業員同士のコミュニケーションを活性化させるなど戦略を用いたオフィス改革が必要不可欠となる。本社オフィス + サテライトオフィスまたはリモートワークでオフィス分散・効率化を進める企業や、オフィス勤務を最適化させるため分散していたスペースをワンフロアへ集約し、カフェスペースなどの共用スペースでコミュニケーションを活性化させる企業など、アプローチは様々だが、各企業のオフィス改革は急速な時代の変化に伴い、早急に適応することが求められている。

オフィス改革によりコミュニケーションで活性化されるヒトの体験

ハイブリッドな働き方に適応したオフィス改革

これからの働き方は、オフィス・在宅勤務・第3の場所を組み合わせたハイブリッド型となり、アップデートされたオフィスの価値を再定義し、リアルなコミュニケーションを感じられる場を従業員に提供していくことが重要

在宅勤務やサテライトオフィスのような第3の場所での勤務等により多様化したコロナ禍での働き方。リモートワークに欠かせないオンラインでのコミュニケーションは、効率的ではあるがヒトとしてリアルなコミュニケーションが少なくなっているのは確かである。JLLが発表したオフィス回帰ニーズに関する調査レポートでは、「オフィスでフルタイム勤務したい」という日本のオフィスワーカーの意見が52%となり、グローバルでの平均に比べ2倍の結果が確認できたことから、日本のオフィスワーカーのオフィス回帰意欲が窺える。データから従来のオフィス勤務が理想的である点においてはそうでもなく、「オフィスは理想の姿に限りなく近い」という考えを持つオフィスワーカーは30%台に過ぎないとの結果が見られている。このことから推測できるのは、これからの働き方は、オフィス・在宅勤務・第3の場所を組み合わせたハイブリッド型となり、アップデートされたオフィスの価値を再定義し、リアルなコミュニケーションを感じられる場を従業員に提供していくことが重要となってくるのではないだろうか。オフィス改革は、ヒトの体験が根幹となるからこそ、変化に俊敏に対応し、実践していくことが欠かせない。

生産活動の場所からコミュニケーション創出を重視した場所へと変化

リモートワークやサテライトオフィス導入により多様な働き方が可能となる中で、Face to Faceでのイノベーション・コラボレーションなどのコミュニケーションや、従業員の帰属意識が改めて重要だと捉えられている。オフィスに集まることの価値が、オフィス分散により再定義され、いかにイノベーションの機会を創出できるか、アイデアを作り合える場所にできるかが重要なポイントとして認識されるようになったからだ。アクティビティスペースやコラボレーションスペース、さらにはミーティングスペースを「コミュニケーション」や「イノベーション」に重点を置いたオフィス改革で創出される従業員のモチベーションが「働き方改革」へと繋がっていくのではないだろうか。

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アフターコロナを見据えたオフィス改革の事例から学ぶ、真の働き方改革

「事業を成長させる場」へのオフィス改革から導く企業成長

企業によって様々なオフィス改革がある中、オフィスを「稼ぐ場」と再定義しつつ、従業員同士が一緒に事業を成長させていく場として戦略を立案し、拡張移転を行う事例も存在する。この事例では、情報共有や議論の質やスピード感は事業成長にとって欠かせない要素であり、コミュニケーションの場を維持し続けることは、企業の未来に直結すると考え、オフィスを拡充。企業独自の戦略により「オフィスデザインはあくまでも機能的であること」を掲げ、一部フリーアドレスとしながら、固定席を設ける等、事業成長を軸としながらもニューノーマルな働き方の課題となるコミュニケーションの場を作り上げている。今後は企業の考えや方向性を明確に指し示すオフィス改革が必要となってくるのではないだろうか。

従業員へ特別感を提供するオフィスづくりによる信頼の構築

優秀な人材獲得が喫緊の課題とされる中、積極的なオフィス改革により、社内だけでなく対外的にも信頼性があり魅力的な企業であり続けることが重要

リモートワークと並行したオフィス勤務だからこそ、プレミアム感を体感できる場を提供することが大切だと考えたオフィス改革の事例では、デスクを自由に移動させられるフリースペースや無料のカフェルームの設置で、従業員のエンゲージメント向上を目指している。現場の視点が組み込まれたオフィス改革は、従業員からも信頼される。今後、優秀な人材獲得が喫緊の課題とされる中、積極的なオフィス改革により、社内だけでなく対外的にも信頼性があり魅力的な企業であり続けることが重要になってくる。

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オフィス改革を押し上げるワークプレイス戦略

リアルコミュニケーションが生まれるオフィスデザイン

リモートワーク + オフィス勤務の集約と分散のバランスで、オフィス出勤時には社内イベントやパーティーを実施、共有スペースを活用してのディスカッションなど、リアルコミュニケーションのハブとなるオフィスデザインがヒトの体験を促進する。柔軟性があり、働く場所を自由に選べるアクティビティ・ベース・ワーキング(ABW)は従業員のデスクを固定せず、働く場所を選ぶことができるので、自然に雑談などのコミュニケーションが生まれる。このようなワークプレイスがヒトの孤独を解消し、モチベーションを上げ、満足度の向上にも繋がってくる。働き方を時代に合わせて改革していくためにもこのようなヒトの体験を重視したワークプレイス戦略により、オフィス改革への取り組みを加速させていくべきではないだろうか。

働き方改革の鍵となるテクノロジーソリューション

ヒトの座席や特定エリアの利用率を有効活用し、オフィスデザイン・設計に取り入れる

リモートワーク制度導入による働き方改革はテクノロジーなしでは実現できない。テレビ会議やプロジェクトマネジメント・コミュニケーションツールなど、テクノロジーは仕事をする上で欠かせないITインフラともなっている。また、オフィスへIoTやIWMSを導入し、デスクやスペースの利用率を可視化することで、従業員の動向を計測し、将来的なワークプレイスの最適化を図ることで、ヒトの体験を向上する真の働き方改革に繋がる事例も増えてきている。

働く上でヒトの体験を生み出すオフィスの存在は、切っても切り離せない関係であるからこそ「働き方改革」を促進させるにはリアルコミュニケーションのハブを作り出すオフィスの改革が今後さらに重要視されるのは明らかだ。偶発的コミュニケーションを創出し、帰属意識の醸成や会社の信用力を向上できるオフィス = ワークプレイスが、働き方を根底から改革していくであろう。

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