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ニューノーマル時代に必要なウェルネスオフィスの考え方

アフターコロナに向けた働き方改革やグリーンビルディング化等、働くヒトのオフィスでのウェルネス尊重への関心が高まっている。オフィス環境という場の在り方や価値が問われている中、従業員であるヒトが健康に働くためのウェルネス構築が重要視されている。

2021年 11月 15日
働く環境にウェルネスオフィスが求められる理由

オフィスワーカーの生産性の向上や、人材確保は長年の課題とされてきた中で、働く環境の質を上げていくことは、従業員の精神的・身体的な状態を改善するだけでなく、優秀な人材が働きたいと思えるような環境を訴求することでリクルーティングにも大きく寄与する。この目的を達成するため、従業員の健康度を高めていくことが重要視されるようになった。

ニューノーマルな働き方といわれるリモートワークや、オフィス出社と掛け合わせたハイブリッドワークスタイル等、企業によって働く環境のアップデートが俊敏に進められている中、対面でのリアルコミュニケーションは従業員にとってモチベーションの原動力となることから、オフィス環境を整えることは欠かせない。心と体の健康を高められるオフィス環境を作ることで従業員のエンゲージメントが向上するだけでなく、企業の株主へのプレゼンスにも繋がってくる。ウェルネスオフィスは長期的な企業の成長のためにも不可欠な要素となっているのだ。

健康経営を基盤としたオフィス戦略
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労働生産性の向上を目指す働き方改革と従業員の健康増進を目的とする健康経営により、長期的な視点で企業の人材の質を高め、組織全体の利益向上にも寄与する

企業戦略としてウェルネスオフィス化を推し進めるには、根底の考え方として健康経営が不可欠となる。健康経営とは、従業員であるヒトのウェルネスやウェルビーイングという総合的な健康状態の管理を企業経営視点で管理し、戦略的に取り組んでいく手法だ。労働生産性の向上を目指す働き方改革と従業員の健康増進を目的とする健康経営により、長期的な視点で企業の人材の質を高め、組織全体の利益向上にも寄与する ことが可能となる。この理想的な環境を構築するためには、ヒトの健康状態を高めるオフィスレイアウトやデザインが重要であり、目的達成のための入念なオフィス戦略が要となってくる。従業員同士のコミュニケーションを創発し、イノベーションが起こりやすい空間設計や、フィットネスジム等の運動ができる場所を設置し、身体的な健康増進に繋げたり、室内緑化により視覚的な効果や自然な空気浄化をもたらすデザイン構築等、多様な環境を作り出すことができる。そのためにはまず、企業が目指す方向性を明確にし、健康経営や働き方改革の目的に沿った手順を追ってウェルネスオフィス構築を戦略的に実践していくことが欠かせないオフィスは従業員が企業への帰属意識を感じたり、上司や同僚とのコミュニケーションによりモチベーションが得られる貴重な場所であるからこそ、長期的かつ持続性のある環境設計と企業の意図を組み込んだオフィス戦略が今まで以上に必要となってくるであろう。

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オフィスのウェルネス推進に欠かせない評価ツール
ヒトに対して建物が貢献する項目を評価するWELL認証

ヒトの身体的・精神的な健康状態への影響を測る環境性能評価システムであるWELL認証(WELL Building Standard®)は、米国で始まり、働き方改革や健康経営、ESG、SDGsに取り組む企業から高い関心が寄せられている。建物の設計や運用がヒトの健康やウェルビーイングに貢献している性能指標を規定に沿って評価することを軸とし、認証取得の有効期限は3年間、更新するには再び認証プロセスが必要となる。グローバルな指標であるからこそ、世界を相手に事業活動を行うグローバル企業は、WELL認証を取得するケースが多いといわれている。

健康性・快適性と増進を評価するCASBEEウェルネスオフィス認証

建物を利用するヒトの健康増進に寄与する設計や取り組みだけでなく、知的生産性の向上要素を示す性能を評価する日本発のCASBEEウェルネスオフィス認証。第三者から定量的に建物の性能を見る客観評価ツールや、実際にオフィスで働く従業員が執務環境の満足度や健康感を主観的に調査する主観評価ツール等を用いて、働く場の健康度評価を行う。

WELL認証とCASBEEウェルネスオフィス認証では、有効期限や認証基準が異なるため、企業の戦略や目的に沿った内容や項目を見定めて選定することが推奨される。

WELL認証やCASBEEウェルネスオフィス認証の評価項目を考慮したレイアウトやデザインで、オフィスの空間設計は大きく変わってくるだろう

ウェルネスを考慮したオフィスレイアウト・デザイン 

WELL認証やCASBEEウェルネスオフィス認証の評価項目を考慮したレイアウトやデザインで、オフィスの空間設計は大きく変わってくるだろう。 快適性や空気、水、光、フィットネス等の項目から成るウェルネス認証はヒトの健康を増進するために総合的なバランスが必要となる。執務中のリフレッシュとなるフィットネスルームを設置したり、オープンスペースでの仕事が可能となるシェアスペースを設ける取り組みは、ウェルネスオフィス構築へと寄与している。ウェルネス認証評価の要素を取り入れたオフィス設計は、従業員の健康増進だけでなく企業戦略にも寄与すると考えられる。

ウェルネスオフィスを構築するには、ヒトの本質的な心理や要素を理解することが欠かせない。認証評価もヒトの要素から成り立っているからこそ、形式だけで評価項目を追っていくのではなく、理論的にも本質的にも落とし込んで理解し、実践していくことが大切だ。

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