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今後の収益不動産に求められる要素とは?

生活様式が一変したことにより、収益不動産に求められる要素も様変わりしている。リモートワークとオフィス出社のハイブリッド型の働き方を取り入れる企業事例も見られ、ヒトの行動や嗜好の変化から新しいニーズが生まれていることが垣間見える。今後の不動産という資産の価値を改めて理解し、先を見極めていくことがさらに重要となる。

2022年 02月 15日
時代のニーズに応じた収益不動産とは?

収益不動産とは、収益性のあるオフィスや物流施設、商業施設、事業用地等の不動産を指す。景気やトレンドといった社会動向が不動産の需要に反映される。時代のニーズに応じた収益不動産は、主に将来性、不動産の立地、投資金額に対する収益割合を示す利回り等が基本的な重要要素であり、それらの新しいニーズに対し、俊敏に対応することが求められる。社会的・経済的な影響を受けやすい収益不動産は、オーナー側の現在・将来を予測した価値の最適化、投資家によるアップデートされた価値を見定める審美眼を持つことがそれぞれ肝心となる。

 

収益不動産は資産タイプによって用途や目的、トレンドが変わってくるため、セグメントごとのニーズや知見による見極めが欠かせない

収益不動産の価値基準はコロナ禍によって急変していることから、ニューノーマルな生活様式を考慮し、最適化を図る不動産オーナーも少なくない。資産タイプによって条件は様々だが、共通した要素として、使用する目的や顧客ニーズへの適応、コロナ禍でのヒトの行動や嗜好を考慮したスペースの最適化、効率化やサステナビリティを目的としたテクノロジーの活用、ウェルネス構築のためのアメニティ完備、費用対効果の高い維持管理等が挙げられる。これらの共通要素は、資産価値だけでなく、将来的な収益性を高めていくことにも繋がる。また、スペースの収益最適化や運用コスト削減は、収益力アップや資産価値最大化に不可欠な要素ともなっているようだ。例えば、オフィスの資産タイプでは、昨今注目が高まるESG不動産投資に対応した、従業員の健康・ウェルネスを改善するためのエクササイズやリラクゼーションスペース等の施設の完備、ソーシャルディスタンスの安全衛生が考えられた執務環境の整備がされているか等の諸条件が評価されるようになってきた。その他、物流・インダストリアル施設は自動化対応されたハイテク物流施設、サステナビリティ化を意識した再生可能エネルギー活用の施設が挙げられる。収益不動産は資産タイプによって用途や目的、トレンドが変わってくるため、セグメントごとのニーズや知見による見極めが欠かせない。

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収益不動産を選定する上で欠かせないポイント

収益不動産は、時代のニーズや景気だけはない物件の老朽化や維持管理、賃料水準等、多方面の知識と知見が必要となるからこそ、専門的知識と経験を持つパートナーによるアドバイスは重要

サステナビリティを考慮した建物

将来性のある収益不動産を見極める上で欠かせないキーワードの1つであるサステナビリティ。SDGsやESGへの関心が集まる中、今後は二酸化炭素の排出削減を図る建物への環境付加価値がさらに向上すると考えられる。グリーンビルディングと呼ばれるオフィスビルも増えてきており、環境に配慮した不動産が新しい資産価値として評価される日はすでにすぐそこにきているのではないだろうか。

再開発等によるエリアの将来性

収益不動産は、建物自体の要素の他にも、立地エリアが将来的に発展していくのかというポイントも選定要素として肝心だ。旧耐震で老朽化したビルの建て替えや商業施設や高層ビルの竣工等、新しいビジネスを創出する都市再開発が行われているエリアは、将来的な繁栄が予測され、地域だけでなく不動産の価値も上昇傾向となる場合が多い。収益性がある不動産の見極めには、立地するエリアの将来性を調査・分析することが欠かせない。

専門的知見を兼ね備えたパートナーによる客観的分析・最適化

収益不動産は、時代のニーズや景気だけはない物件の老朽化や維持管理、賃料水準等、多方面の知識と知見が必要となるからこそ、専門的知識と経験を持つパートナーによるアドバイスは重要だ。JLLが発表したアジア太平洋地域の老朽化・低収益物件に関するレポートでは、同じ立地の物件でも、管理や最適化が万全な最新物件は老朽化物件に比べ、最大60%賃料水準が高いというデータが確認できたという。最適化が十分であるかという見極めも専門的や視点が必要であり、社会的な変動も激しいからこそ、パートナーによるコンサルティングが将来を左右することにも繋がりかねない。収益不動産の選定には、自らの視点と専門的パートナーとの両観点があれば、将来性を含む資産の価値の見定めにも直結してくるだろう。

これからの収益不動産の投資戦略とは?

収益性のある物件を見極めていくには、新しい視点を持ちつつ、柔軟かつ持続的な要素を重視した不動産戦略が将来の資産価値形成に大きく貢献する。様々な不動産セクターの中から、国内外のポートフォリオの調査で最適な収益不動産と出会う機会や、リアルタイムの市場と照らし合わせることでより正確な鑑定評価を実施する等、巧妙な投資戦略により効果的な結果を作り出すことができる。これからの収益不動産の投資戦略は、不確実な現代だからこそ、レジリエンスの高い未来の不動産の価値を映し出すことが成否を分ける。

収益不動産は、リアルタイムの需要傾向だけでなく、長期的かつ多角的な視点が必要だからこそ、入念な調査と分析が肝となる。コロナ禍により変化したヒトの真意を読み、先手を打っていくことで、価値が大きく変わってくるからこそ、未来を見据えた投資戦略が必須なのである。

収益不動産への投資戦略について詳しく見る

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