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これからのオフィスビル選びに欠かせないポイントとは?

オフィスビル選びのトレンドが変化している。ニューノーマルな働き方を実現できるオフィスタイプや環境に配慮した脱炭素化等の新しい要素が重要視され始める中、トレンドの移り変わりを理解し、企業にとっても長期的な効果をもたらす優良なオフィスビルを見極めることが不可欠となる。

2021年 09月 30日
変化するオフィスビルのトレンド

従来のオフィスと従業員の関係性は、企業の利益や組織の効率を重視したオフィス設計に対して従業員が合わせて働くような印象だった。しかし、昨今では個人のライフスタイルに寄り添ったオフィスタイプという、逆の関係性を感じさせるようなオフィスが主流となりつつある。例えば、従業員が通勤しやすいよう郊外エリアへオフィスを分散し、子育てや介護等のライフワークとのバランスを保ちやすいサテライトオフィスの設置を検討するケースが挙げられる。JLLが国内企業の経営層を対象に実施した「コロナ禍に適応したオフィス環境」に関するアンケート調査では、with/afterコロナの働き方を実現するための会社のサポート要素として「サテライトオフィス (自社・外部コワーキング スペース)の設置」が全体の43.6%と2番目に多く回答されている。このデータから本社オフィスとサテライトオフィスを組み合わせた分散型オフィスを検討している企業が増えてきているというトレンドが窺える。分散型オフィスを実現させるには、フレキシブルなオフィスレイアウト設計等を含むデザインポイントをオフィスビル選びの重要要素として取り入れることが欠かせない。分散型オフィスの他、企業の目的によって柔軟に対応できるフレキシブルオフィス市場は、2018年時点でも急拡大の推移で予測されており、今では大企業のフレキシブルオフィスへの大規模な入居事例も増加している

 

環境に配慮したサステナビリティの観点では、再生可能エネルギーや脱炭素化に対して積極的に取り組むオフィスビルが急増する中、選ぶ側もこれらの要素を理解しておくことで、企業ブランディングやCRE戦略にも大きく寄与する。ここ数年で予想もつかなかったようなオフィスビルのトレンドが生まれているからこそ、リアルタイムな変化や要素を理解し優良なオフィスビルを見極めていくことが、将来的な視点で企業の利益に反映されてくるだろう。

オフィスビル選びを成功させるオフィス戦略

長期的な視点で企業全体のオフィス戦略をアップデートすることが時代に適応したオフィスビルを導くきっかけとなる

オフィスビルのトレンドを理解することの他に重要な要素であるオフィス戦略の策定。コロナの影響により変化した従業員の働き方に適応したオフィス環境へアップデートさせるには、現状課題の本質を見極め、オフィス戦略を策定し、オフィスビルを選定することで費用対効果にも繋がると考えられる。アフターコロナを見据えたオフィス戦略の例として、従業員のリモートワークによる孤独を解消するため「リアルな繋がり」が感じられるオフィスデザインへ改装することで社内モチベーションの向上を図る他、BCP対策として衛生環境の要素を優先したオフィスへアップデートすることで従業員のウェルビーイングを向上させるケースが挙げられる。コロナによって様々な当たり前が一変したからこそ、長期的な視点で企業全体のオフィス戦略をアップデートすることが時代に適応したオフィスビルを導くきっかけとなる。

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企業パフォーマンスを高めるオフィスビル選びのポイント

企業経営戦略の観点から、サステナブルな要素をオフィスビル選定時に重要視することは、企業の今後に大きく影響してくる

セキュリティや衛生環境を含む質の高い利用者環境
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オフィスビルを選ぶポイントとしてニーズが高くなっている要素が、セキュリティや衛生面を含む「利用者環境」である。ビルによっては管理の質が異なるため「どのようにウイルス対策を行っているのか」、「個人情報や機密情報が守られるセキュリティ対策ができているのか」等を確認することが重要であり、企業のBCP強化にも寄与する。JLLが実施したオフィスビルのテナント調査では、テナントがコロナ後のオフィスビルに求める要素として、セキュリティや衛生環境を重視した利用環境が一番多く挙げられ、コロナ前と比べ2倍の結果となっている。BCP強化や従業員のウェルビーイング向上にも繋がるからこそ、優先度の高い要素であるといえる。

従業員の働き方に適応したオフィスタイプ

従業員のモチベーションやエンゲージメントに直結するオフィスレイアウトやデザイン。企業の目的によって適するオフィスタイプも様々であり、当然選ぶオフィスビルも異なってくる。昨今、オフィスの重要性が改めて問われる中、事業特性や社内文化に見合ったレイアウトや内装デザインにカスタマイズする企業も少なくない。また、初期費用を抑え、デザインやレイアウト改装の負担を減らすことを重視する場合は、内装工事がなされているセットアップオフィスを選び、柔軟なプロセスで移転を進めることが可能だ。その他、シェアオフィスやコワーキングスペース等、変化するニーズに適応し様々なオフィスタイプが生まれている中、これらの新しいトレンドを知り、オフィスビルを選定していくことが欠かせない。

環境に配慮したサステナブルなオフィスビル

これからの時代のキーポイントとなる要素が環境に配慮したグリーンビルディング等のサステナブルなオフィスビルだ。環境問題の取り組みが求められる中、積極的にサステナブルなオフィビルに入居していることは企業としてのブランディングにも直結する。サステナブルな建物の判断指標として、LEED、CASBEE、GRESBが挙げられ、世界的な投資判断の評価として活用されている。企業経営戦略の観点から、サステナブルな要素をオフィスビル選定時に重要視することは、企業の今後に大きく影響してくるだろう。

優良なオフィスビルの選定は、企業の今後を決める大きな要素の一つとなるからこそ、オフィス戦略の策定やトレンドを理解して見極めていくことが必要だ。コロナによって変化したトレンドはアフターコロナ時代に引き継がれていく。先見性を持ち、これからの企業に適応した、本当の意味での”優良な”オフィスビルを選ぶことがさらに肝心となってくるだろう。

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