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働き方改革を実現する「フレキシブル化」がオフィスの最新トレンドに

従前のオフィスレイアウトは部署ごとに分けられた島形固定席が標準だったが、社会環境が大きく変化する中、働き方も多様化し、業務内容や気分に合わせて働く環境を選択できるABW型オフィス等、オフィスを再構築する動きが世界的に広がっている。最新トレンドは「フレキシブル(柔軟性)」に他ならない。

2020年 03月 02日

柔軟なオフィスレイアウトが働き方改革を推進

世界規模でフレキシブルなオフィスが増加

世界全域でオフィス戦略のトレンドが大きく変化している。ひと際存在感を発揮しているのが「フレキシブル」なオフィスだ。

JLL日本が2019年5月に発表したレポート「Future of Work ビジネスパフォーマンスを高める日本の企業不動産(CRE)戦略とは」では、グローバルに事業展開する国内外の企業にアンケート調査を実施し「2018年と2020年にフレキシブルスペースがポートフォリオに占める割合」について設問した。

その結果、グローバル企業は2018年19%から2020年には31%に拡大、日本企業は2018年に14%、2020年には24%に拡大するとの見通しとなった。これは日本のみならず世界の主要国でも同様に、軒並みフレキシブルスペースが増加すると予想している。

例えば米国では2018年20%から2020年に31%に増加、中国では2018年に22%から2020年に35%、シンガポールでは2018年に17%から2020年には30%になるといった具合だ。

世界的にフレキシブルスペースの増加が予想される 出所:JLL 「Future of Work ビジネスパフォーマンスを高める日本の企業不動産(CRE)戦略とは」より抜粋

働き方改革を推進するオフィストレンド

コミュニケーション活性化とイノベーション創発を支援

JLLが定義する「フレキシブルスペース」とは、コワーキングスペースやサテライトオフィスといった外部貸しの共有オフィスをはじめ、コミュニケーションやコラボレーションの促進を目的に自社オフィス内に開設した共用スペース、短期貸しのワークスペース等、多様性のあるスペースを指す。

昨今のオフィストレンドを俯瞰すると、従業員同士のコミュニケーション活性化を目的に気軽に打ち合わせ等ができるコラボレーションスペースを採用するケースが目立つ。社内カフェも同様に、自社スタッフ以外に社外の来訪客も利用でき、ミーティングを行うことも可能だ。

本調査の責任者であるJLLアジアパシフィック コーポレート・ソリューションズ・リサーチヘッド スーザン・サザーランドによると「自社のオフィス内にフレキシブルスペースを設けるだけでなく、外部貸しの共有オフィスも積極的に活用するべき」と提言する。賃貸借契約のように契約期間の縛りが緩く、必要分だけ座席(床面積)を使用できるという柔軟性、契約内容によっては内装造作工事や原状回復工事が不要になり、コスト負担も軽いのが魅力だ

加えて、もう1つのキーワードとなっているのが「イノベーション創発」だ。毎日同じ固定席で働くことでコミュニケーションの幅が狭くなり、考え方も固定化してしまう。一方でABW型オフィスのように働く場所・環境を選べる自由度の高いオフィスレイアウトは、コミュニケーションの幅が広がり、ひいてはイノベーションが育まれやすい。

柔軟性の高いオフィスレイアウトが増加

保守的な大手企業でも採用進む

日本企業に多く見られた従前のオフィストレンドは全席固定、食事をするなら社員食堂(カフェ)、ミーティングするなら会議室といった具合に各スペースの用途が固定化されていた。一方、フレキシブルスペースは特定の用途・部署専用ではなく、誰もが自由に使える。

サザーランドは「こうしたスペースの使い方はこれまで日本企業にはほとんど見られなかったが、2019年4月から施行された働き方改革関連法案の影響で、状況は大きく変わりつつある。外部から借りるか、自分で社内に作り込むかの違いはあるが、どちらのケースも増加傾向にある」と指摘する。

社内外問わず、コミュニティ志向のオフィスに対する需要はスタートアップ企業のみならず大企業、中でも「お堅い」イメージが定着している金融機関でも積極的に採用されているのが現状だ。政府による働き方改革関連法への対応策として、いまや企業のオフィス戦略に欠かせないトレンドとなりつつある。

多様化する働き方を実現するには、フレキシブルなオフィス戦略が第一歩になりそうだ。

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