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JLLオフィスのマッサージルームが稼働率99%を維持する理由とは?

統合移転を機に、JLL東京オフィスはウェルビーイングな環境を提供するべくマッサージルームを開設しました。経験豊富なヘルスキーパーが利用者のニーズや体調に見合ったボディメンテナンスを行い、心身の健康をサポート。本格的に施術を開始してからわずか3カ月で稼働率99%を維持するまでに至った理由を聞きました。

2024年 11月 29日

JLLの東京オフィスが統合移転してから2年が経過しました。オフィス勤務と在宅勤務を併用したハイブリッドワーク制度を維持しつつもオフィス回帰が進み、多くの従業員がオフィスライフを満喫しています。

とはいえ、オフィスの目新しさにも慣れ、日常的に使用しているオフィスについてあれこれ考える機会もなかなかありません。そこで、改めてオフィスの付加価値について考えていきたいと思います。本稿では短期間のうちに予約が取れないほどの稼働状況となったマッサージルームを取り上げました。

なお、JLLではマッサージルームなどのウェルビーイングを追求した結果、国際的な環境認証制度のWELL認証の最高ランク「プラチナ」を取得した東京・大阪オフィスの見学ツアー(事前予約制)を実施しています。ご興味のある方は下記からお問合せください。

コロナ禍以降、オフィスの存在意義が大きく変化しました。特に、従業員が心身共に健康に過ごせるよう「ウェルビーイング」を意識したオフィスが求められるようになってきたように感じられます。

かくいうJLLの東京オフィスもウェルビーイング向上を目的に様々な仕掛けを施していますが、なかでも人気なのは、いまや予約が取れないほどの“繁盛店”と化したマッサージルームなのです。

東京オフィスが統合移転したのが2022年11月のこと。約3カ月の準備期間を経て2023年2月にマッサージルームが本格的に稼働開始しました。ヘルスキーパーの後藤 奈美さんが常駐し、1日の利用枠は7つ、1回約35分のボディメンテナンスが受けられます。

肩こりや腰痛、PC作業につきものの目の疲れ・頭痛など、利用者の要望や体調に合わせて最適な施術が受けられることから、本格稼働開始からわずか3か月後の2023年5月から稼働率が急上昇し、現在までの1日当たりの平均稼働率は99%を維持し続けています。

JLLオフィス マッサージルームの稼働率・累計稼働数の推移 出所:JLL日本

利用者層は新卒の若手スタッフから経営陣まで老若男女問いません。リピーターのみならず、新規利用者も毎月7-14名とコンスタントに伸びており、その数は累計2,200名超(2024年10月末時点)に達しました。

JLL日本 マーケティング&コミュニケーション事業部でグラフィックデザインを担当する山田 友香子さん。長時間のデスクワークによって首や肩のコリに悩まされるようになり、マッサージルームを利用するようになりました。「首や肩を動かすと痛みを感じていましたが、施術後は痛みが緩和され、業務に支障が出なくなりました」と大絶賛。加えて、後藤さんとの会話から業務面での気づきを得られることもあるそうです。

一方、マッサージルームがチームマネジメントにも寄与していると某事業部長は振り返ります。

「職場におけるウェルビーイングを充実させることで健康促進に繋がり、心身共にリフレッシュすることで部下の業務効率が明らかに向上しました。また、マッサージルームを共通の話題としてチーム内や他部署とのコミュニケーションも育まれているよう感じています」

マッサージルームが短期間で集客に成功した理由

企業のヘルスキーパーとして経験豊富な後藤さん自身も「オフィスマッサージの文化が普及していない企業でこれだけ早く稼働率が高まったのは異例」と驚きを隠せない様子です。施術を開始した当初はなかなか予約が埋まらず、後藤さんの経験上「夏までに70%まで稼働できるかどうか」といった状況で、初年度の目標は「同年12月までに90%稼働」としていましたが、良い意味で予測を裏切る結果になりました。

利用者が急増した理由について、マッサージルームの管理運営責任者であるJLL日本 総務部長 中山 幹朗さんが推測するのは次の3つの理由です。

  1. 社内の口コミの徹底

  2. 予約のしやすさ

  3. ヘルスキーパーの親しみやすいキャラクター
     
1. 社内の口コミの徹底

マッサージルーム稼働直後、中山さん自ら経営層を招いて施術を体験してもらい、その感想をチームミーティングで伝達してもらうなど“口コミ”による宣伝に注力していたそうです。その甲斐あってか、全社イベントでCEOの河西さんからマッサージルームについて説明があったことも追い風になりました。

「部門によって濃淡ありますが、上席のマネージャーの後押しがあったのでマッサージルーム利用の間口が広がったと実感しています」(中山さん)

2. 予約のしやすさ

口コミの効果がジワジワと社内に伝播していく中、社内から「予約のやり方がわからない」との意見が噴出。そこで、中山さん自ら予約マニュアルを作成したことも利用者増に繋がった要因です。社内インフラを管理するJLLTと連携し、使い慣れた会議室予約システムからマッサージルームの予約が取れるようにするなど、利用時の心理的ハードルを解消する取り組みも奏功したようです。

また、オフィスの滞在時間が流動的な営業職が多いことから、社内チャットルーツを通じて当日予約可能な時間帯を通知すれば、すぐに予約が埋まるようになりました。

3. ヘルスキーパーの親しみやすいキャラクター

中山さんは「利用者が増加した理由は複合的」と前置きしつつも、最大の要因と考えているのがヘルスキーパーである後藤さんの親しみやすいキャラクターです。

「当初から後藤さんとも話をしていましたが、単純にマッサージをするだけではなく、健康面や仕事のちょっとした悩みなど、気軽に息抜きができる場づくりを目指しました」(中山さん)

月1回その時々の話題性のある記事をニュースレターとして配信する他、ヘルスキーパー以上の役割も期待されていました。中山さんは「『保健室の先生』のような役割も担ってくれたことが熱烈なリピーターを生み出した」と考えています。

「言葉が悪いですが『マッサージだけしていればいい』というマインドセットの方だと有用なオフィス機能として定着しなかったと思います。後藤さんはご自身で目標をもって業務に臨まれる方だとお見受けして採用しましたが、まさに期待以上です。オフィスのマッサージルームが従業員に愛されるためにはヘルスキーパーの人選は非常に重要ではないでしょうか」(中山さん)

JLL東京オフィスの満足度向上に寄与

JLLオフィスに対する従業員の総合満足度 出所:JLL日本

JLLではオフィス移転から半年が経過した2023年5月の従業員アンケートに続き、その1年後の2024年4月に再びアンケート調査を実施しました。その結果、従業員のオフィスに対する東京オフィスの総合満足度は4.20(5点中)となり、2023年5月時の4.18を上回る結果となりました。

オフィス移転後から時間が経過するにつれて従業員満足度は低下傾向になるのが一般的ですが、高水準で満足度を維持している一因としてマッサージルームの存在は大きいのではないでしょうか。

ちなみに、同調査ではオフィスコンセプトの実現度についても質問しています。マッサージルームが該当する「オフィスでの健康的な働き方」は4.03(前回3.88)に向上しています。

オフィスにマッサージルームを整備する意義

JLLの東京オフィスではヘルスキーパー常駐のマッサージ専用ルームを整備し、今や従業員の心身の健康をサポートする「なくてはならない存在」になりつつあります

政府が本腰を入れる働き方改革の影響などもあり、福利厚生の一環でオフィスに出張マッサージサービスをスポット導入する企業もありますが、JLLの東京オフィスではヘルスキーパー常駐のマッサージ専用ルームを整備し、今や従業員の心身の健康をサポートする「なくてはならない存在」になりつつあります。

そして、ウィルビーイングなオフィスづくりを進めた結果、人々の健康とウェルビーイングの観点から環境性能を評価する国際認証制度であるWELL認証において最高ランクの「プラチナ」を取得することができました。

現代人は1日の90%を室内で過ごしているとされ、1日の大半を過ごすオフィスの環境は人の健康やウェルビーイングに大きな影響を与えているのではないでしょうか。JLLは精神的・肉体的・経済的な健康を含む幸福のあらゆる側面を重視する支援的な文化を提供することを重視しており、従業員の幸福が革新的な思考、総合的なパフォーマンス、そして業績につながると考えています。

ウェルネスなオフィス環境を構築する上でマッサージルームは非常に重要な役割を果たしているといえそうです。

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