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ワークプレイス戦略を実現する戦略総務

企業内のバックオフィスを担う総務への期待が今高まっている。働き方の変化によるワークスペースの最適化、DX推進、企業を取り巻く環境の変化による経営戦略の立て直し等の課題を解決していくため、総務が担う役割は大きく「戦略総務」という考え方が今後の企業の命運を分けるともいわれている。今回はその中でもワークプレイスを戦略的に最適化する「戦略総務」について解説する。

2020年 10月 14日

なぜ今「戦略総務」が必要なのか?

新型コロナウイルスがもたらしたニューノーマルにより、企業を取り巻く環境、そして従業員の働き方が様変わりした。リモートワークとオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドな働き方など、新しい環境に適応していくために、ワークプレイスをアップデートしていく必要がある。だがそのアップデートは簡単にできるものではない。従業員の安全衛生や、昨今課題とされているリモートワークによるコミュニケーション不足、さらには企業経営に大きく影響するコスト面を考慮したワークプレイス戦略を速やかに実施することが「戦略総務」には求められており、今の時代に必要とされているのだ。

今の時代に求められる戦略総務の役割とは?

「戦略総務」は具体的にどのような役割を果たすのか。総務業務は日常的に部署間を越えて従業員とのやり取りを行えるため、社内の雰囲気を把握しやすい。そのような総務の特質を活かし、コミュニケーションを活性化させるためオフィスづくりの過程で「戦略総務」の本領を発揮させることが可能だ。また、デジタルを活用し、生産性向上など効率的な働き方を促進するDXの実現に対応するために総務の存在が欠かせない。IoTセンサーを使ったスペースの使用率の可視化や清掃ロボットの管理など、総務の視点があるからこそ、テクノロジーとヒトの知恵を活かし、ワークプレイスのアップデートを牽引役割が「戦略総務」には求められているのだ。

戦略総務が取り組むべきニューノーマルに適応したワークプレイス戦略

効果的なガイドラインを取り入れたワークプレイスの再設計

新しい生活様式やガイドラインが作られる中、オフィス価値の変化に適応していかなければならない。JLLが発表した「「ニューノーマル(新常態)」における事業活動再開ガイド」によると、戦略総務が取り組むべきポイントは、フロアプランの見直しと家具・什器の配置修正、トイレやゴミ箱にタッチレス技術の採用、共用ワークスペースの清掃および移動手続きの定義等が挙げられている。これらのポイントは政府から義務付けられる場合もあり、ガイドラインを根本的に理解しておく必要がある。

テクノロジーの活用

戦略総務を効率的に実践していくには、テクノロジーの活用が重要となる。ワークプレイスへテクノロジーを採用することは、従業員の柔軟な働き方を促すだけでなく、リソースのサポートにもつながる。具体的には、入館時とオフィス利用時の監視に役立つ既存のビルテクノロジーの活用やリモートワーク、健康調査、ロボット工学、タッチレス技術など、新しいテクノロジーを採用することで人的負担を軽減できる。テクノロジーは変化の時代において重要な役割を果たし、成果を出していくには効果的な戦略総務を実施していくことがポイントとなる。

従業員の健康とウェルネスを尊重

変化したワークプレイスにおいて最優先される安全性。その安全性を確保するための対策が必要となり、従業員だけでなくオーナーやテナント、クライアントなどのステークホルダーの心身の健康を守ることが重要だ。例えば、全ての来館者に対して、医療スクリーニング検査の手順(体温その他)や建物内での位置情報の捕捉を検討する等、安全性を最優先にした対策の実施が急務となる。

企業の未来を担う戦略総務に欠かせないテクノロジー

コロナ対策で需要高まる清掃ロボット

働く場所を清潔に保つ清掃作業はワークプレイスに欠かせないインフラであり、ヒトとの接触を避ける今、清掃ロボットの需要が高まっている。戦略総務のテクノロジー活用の具体例ともいえる清掃ロボットの活用を試みる企業 も現れ始めている。コロナ対策に適応した清掃スキームで清掃作業員の業務負担を軽減し、清掃コストはそのままで清掃品質を向上させるという成果にもつながった。清掃という日常に欠かせない業務においてテクノロジー活用と戦略総務との組み合わせは、ワークプレイス戦略を再考する上で欠かせない視点になりそうだ。

データの見える化でスペースを最適化するIoTアナリティクス

ワークプレイスのスペース最適化でもテクノロジーは大役を担う。IoTセンサーを用いてデータを集積し、オフィスの利用率や環境を分析する IoTアナリティクス が、将来のオフィス設計や最適化に役立っているのだ。戦略総務の役割であるワークスペースの最適化を実施する上で、現状課題を分析するための客観性の高いデータは必要不可欠となる。ヒトの手ではカバーしきれない範囲の計測をテクノロジーであるIoTアナリティクスが担うことでより、具体的な最適化策を立案することが可能となる。正確な計画と成果が戦略総務に求められるからこそ、足りない部分をカバーしてくれるテクノロジーが果たす役割は大きい。

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効果的なワークプレイス戦略を実施する上で戦略総務の役割は大きく、時代の変化に適応した考え方や迅速な実践が必要不可欠となる。企業のバッオフィスを担う総務だからこそ、他の部署が持っていない知見と経験を活かし、激動の時代を生き抜く企業を根幹から支える戦略総務に今後も期待したい。

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