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オフィスデザインでwithコロナ・afterコロナの働き方はどう変わる?

オフィスデザインは、ヒトがオフィスで働く上で重要な役割を果たしている。働く場所の在り方を考え直す今のタイミングだからこそ、オフィスのデザイン1つ1つの根本的な要素を改めて理解することが不可欠となる。withコロナ・afterコロナにおいて、オフィスデザインがどのように働き方を促進していくのかについて解説する。

2020年 11月 23日

オフィスデザインの移り変わり

オフィスデザインは時代を象徴するといっても過言ではない程、その時のヒトや社会を映し出している。従前のオフィスは、島型対向式のレイアウトで、毎日決まった席で仕事をするというスタイルが主流であり、今でも取り入れている企業も少なくない。そのような従来のオフィスデザインの転換期ともなったのが「働き方改革」である。生産性の向上、多様な人材を雇用するために、ヒトの働き方の基準もアップデートされ、それに適応し、オフィスデザインに求められる要素も形を変えた。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、従業員の安全衛生を守ることも以前に比べ優先順位が高くなった。オフィスデザインはヒトを中心に考え、設計されているからこそ、時代の流れによって常に変化しているのだ。

withコロナ・afterコロナのオフィスデザインに必要な要素

新型コロナウイルスにより従来のオフィスで働くという考え方をアップデートせざるを得なくなった。JLLの調査によると、新型コロナウイルスの影響で世界中のオフィスワーカーの71%がリモートワークを経験したという結果が得られ、世界のほとんどのオフィスワーカーは従来のオフィスとは違った働き方を経験した。しかし、この経験によりオフィスという「場」の在り方や重要性を再確認し、オフィス回帰志向も高まっている。そこで重要なのがこれからを見据えたオフィスデザインであり、過去・現在・未来の要素を統合させた「場」が必要となる。
withコロナ・afterコロナで必要とされるオフィスデザインとして、従業員の安全衛生が確保されたオフィス仕様が挙げられる。新型コロナウイルスの感染拡大により、ヒトの生活様式が改めて見直され、手洗いやうがいを頻繁に行うことはもちろん、マスクの着用、施設運営側は共有スペースの衛生状態の管理など、徹底した安全衛生の確保が必要不可欠とされるようになった。具体的な対策として、ソーシャルディスタンス戦略があり、対面の会議室では人数制限の実施やオンライン会議ができるようテクノロジーツールを新しく設置するなど、ヒトとの距離を保ったオフィス環境へ早急にアップデートされている。新型コロナウイルス感染拡大によって、オフィス仕様に求められる要素が適応されたこのソーシャルディスタンス戦略は、これからのオフィスデザインにも大きく影響してくるであろう。

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オフィスデザインが働き方にもたらす効果とは?

活発なコミュニケーションによるイノベーション創出

オフィスデザインは働くヒトに様々な影響を与える。コミュニケーションが生まれやすいヒトの動線を考慮したデザインは、従業員同士の偶発的な会話など、リアルコミュニケーションを促進することができ、そこからイノベーションが創出されるという効果に繋がりやすい。コロナ禍でのリモートワークの導入加速により、対面でのコミュニケーションがなくなった分、偶発的な雑談というリアルなコミュニケーションが求められている。そこでヒトを中心に考え設計された「動線」等が含まれたオフィスデザインの果たす役割は、今後さらに重要になってくるであろう。

会社への帰属性の向上

ヒトの体験を中心に考えるオフィスのデザインにより、従業員の帰属性を向上させることも可能となる。企業の目的によってオフィスデザインは様々だが、働く以上の価値を従業員に提供するためのオフィスデザイン も存在する。従業員が帰ってきたくなるような温かい雰囲気を作り出し、オフィスでのリアルなコミュニケーション創出により、会社への帰属性が向上すると同時に、出勤時のモチベーションも高まり、生産性の向上へ寄与する。

withコロナ・afterコロナで注目されているオフィスデザインとは?

これから「働く場」に求められるのは、ヒューマンエクスペリエンスの要素のあるオフィスデザインであるともいえる。ABWの考え方を取り入れたオフィスデザイン は、時間や場所に捉われない働き方を促進するフリーアドレスなどのデザインを採用しており、現代人のニーズに適応したスタイルとも考えられる。その他にも、対面でのコミュニケーションが疎遠になっているからこそ、ヒトと繋がることができるコラボレーションスペースを設置したオフィスデザインも重要な要素となってきている。オフィスデザインはヒトが中心にあるからこそ成り立つものであり、デザイン機能を最大限に発揮させるには、オフィスを取り巻く環境の変化や本質的な問題や課題を理解した上で構築していくことに尽きるのではないか。ヒトの働き方とオフィスデザインの進化は今後も続いていくだろう。

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