不動産テックを活用したこれからのワークプレイス改革
急成長を遂げている「不動産テック」。テクノロジーを活用し、企業の目的に応じた様々なデータを収集・統合・分析することで創出される価値は大きく、将来性のある分野として期待されている。今まで不透明だった情報の可視化が課題の解決へと結びつき、ヒトの価値観が覆されている。今回はその中でもワークプレイス改革に寄与する不動産テックについて解説する。
不動産テックの現状と市場規模
不動産 × ITを促進する一般財団法人不動産テック協会が2020年6月に「不動産テック カオスマップ(第6版)」を発表した。VR、AI、IoT関連のテクノロジーの他、物件情報・メディアやマッチング系、不動産のクラウドファンディング関連の352サービスが掲載され、今回新たに56サービスが追加されたそうだ。
また不動産テックの市場規模について、矢野経済研究所によると2020年度で6,267億円にまで拡大すると予測されており、2017年度比では64.1倍増となるとのレポートが発表されている。
非対面や非接触型の働き方が主流となりつつある今、オンライン化に適応した不動産テックサービスの市場は今後もさらに拡大が進むと予測される。
不動産テック × ワークプレイス改革の可能性
近年、不動産テックを活用しオフィス環境を最適化することへの関心が高まっている。リモートワークの普及により非対面・非接触型の働き方が増加、オフィスの価値が改めて再定義されており、その再定義を実現化させるため、不動産テックを活用したワークプレイスの最適化が重要視され始めている。ヒトの働き方が多様化し、喫緊の課題として取り組まなければならない”ワークプレイス改革”を成功へ導く不動産テックの存在は重要だ。
ワークプレイス戦略を促進させる不動産テック
不動産テックを活用したこれからのワークプレイス
不動産テックの活用により、ワークプレイスがどのように最適化され、ヒトの働き方にどのような変化をもたらすのか。テクノロジーがワークプレイス最適化に寄与するポイントとして、コミュニケーション・業務改善・ワークプレイスのコスト改善が挙げられる。
非対面・非接触型のオンラインミーティングやクラウドを活用した業務プロセスの改善など、テクノロジーは今や働く上で欠かせないインフラの一つとなった。しかしその反面、オンラインミーティングにより、雑談などのリアルコミュニケーションが生まれにくいという課題もある。その突破口となるのが、不動産テックを活用したワークプレイスの存在だ。IoT・ARによる不動産テックは、テクノロジー技術を駆使したデータ収集・分析により、リアルなコミュニケーションが生まれるようなオフィス設計に寄与することが可能なのだ。
ヒューマンエクスペリエンスの改善に不可欠となるテクノロジー
ワークプレイス改革を実践していく上で欠かすことのできないテクノロジー。本質的な課題解決の要素として変わらず存在するのが、ヒトのエクスペリエンス(体験) = ヒューマンエクスペリエンスだ。テクノロジーの進化により今まで不可能だったことが可能となったからこそ、本質的な目的を持つテクノロジーを活用していくことがワークプレイスを改革し、働き方を改善するプロセスで重要なポイントとなる。
今後さらに注目される不動産テックツール
オフィス環境の最適化をサポートするVergesense
Vergesense(ヴァージセンス)はディープラーニングセンサーを用いてデスクの利用率やオフィスにいる従業員の人数・動向を計測することが可能で、バッジを使い入館者の利用率も容易に追跡できる。これらのテクノロジー技術は、従業員のリアルタイムな安全性の確保などにも繋げることができる。
ファシリティ管理でコスト削減に寄与するiOffice Hummingbird
iOffice Hummingbird(iオフィス ハミングバード)はオフィススペースや会議室、什器などを効果的に管理し、ファシリティマネジメントコストを改善するIWMSソリューション。わかりやすいユーザーインタフェースで企業の課題解決に必要な情報を取得することも可能だ。 テクノロジー技術を賢く活用し、分析・改善策を見出す不動産テック × ワークプレイスの今後に期待したい。
ワークプレイス改革へ寄与する不動産テックの可能性は今後さらに拡大するであろう。ヒトが成し得なかった技術を兼ね備え、考え方の根底から覆されるテクノロジーが次々と生み出される中で、時代のトレンドを踏まえた不動産テックの動向と本質的な意義を理解していくことが重要となる。
