記事

働き方を大きく変える最新オフィストレンドとは?

働き方の変化に伴い、オフィスの在り方もヒトが主役となり優良なヒューマン・エクスペリエンス(人の体験)が重視されるようになってきた。今求められているのはどのようなオフィスなのかを最新オフィストレンドを通して解説する。

2020年 05月 08日

最新オフィストレンドの背景にある企業のニーズとは?

ヒト中心のワークプレイス改革がオフィストレンドのキーポイント

昨今のオフィストレンドは、従来の決まりきったデスクで仕事をして話し合いは会議室で行うスタイルと大きく変わり、気軽にディスカッションができるなどリアルなコミュニケーションが生まれるオフィスデザインが重視されている。その背景には、主要先進国である日本の労働生産性の低さが深く関係しており、この労働生産性の低さを打開するキーポイントが「リアルなコミュニケーション」なのだ。

マクドナルド流「ワークプレイス改革」- 2年半に及んだオフィスリノベーションの全貌

2018年5月、東京都新宿区に位置する日本マクドナルド本社オフィスのリノベーションプロジェクトが完了した。オフィス総工事面積は約5,800㎡。JLLはコンサルティング、トランザクション、ワークプレイス戦略、プロジェクトマネジメントの専門家を結集し、約2年半に及び今回のプロジェクトを支援してきた。「ナショナルレストランサポート」をビジョンに掲げ、レストランの現場のパフォーマンスを最大限引き出すための新たなオフィス環境の実現を目指し、国内に存在する約3,000店舗のお客様へ最善のサービスを提供するために、どのようにオフィスを進化させるべきか、長期のプロジェクト期間、マクドナルドとJLLは様々な議論を重ね、マスタープランを策定し、リノベーションを進めた。完成したオフィスを語る上で外せないキーワードは「近代的なデザイン」「働きやすさの追求」。マクドナルドのブランドを体現し、なおかつ生産性を向上させるための様々な「仕掛け」が施されている。

マクドナルドのオフィスリノベーション事例を詳しく見る

 

優れたオフィス環境を生み出すIoTアナリティクス

スペースの利用率を調査・分析してオフィス環境を最適化

働き方に寄与するオフィストレンドをいくつか例に挙げたが、どの企業も現状の課題を見出す分析作業を実施し、現場で活きるオフィスデザインやレイアウトを取り入れることを重視している。最近ではオフィス利用状況の分析や最適化を行うため、スペースの利用率を人感・温度センサーで可視化できる「IoTアナリティクス」を導入している企業も増えている。オフィスや会議室の利用率から課題・問題点を導き出し、データに基づいた働き方に最適なオフィスをデザイン・設計することができる。このようなIoTという高度なAIを取り入れ、ヒトの体験を向上させていくという相乗効果を生み出すオフィスのトレンドへと時代は変化していっているのである。

企業のオフィストレンドはヒューマン・エクスペリエンスを大切に考える視点からスタートし、ワークプレイス改革、イノベーション創出、そして事業成長を実現することに帰結する。このプロセスを辿るにはまず今の現状の課題や問題点を把握し、どのように解決していくのか、というアクションプランが必要となる。オフィスのトレンドを表面上で判断し取り入れるのではなく、現場のニーズを知り、どのような社内環境が良いか?を追求することが不可欠なのである。

お問い合わせ