記事

オフィスでのコミュニケーションはアフターコロナでどう変わる?

オフィスでの社内コミュニケーションは、コロナの影響で劇的に変化したのではないだろうか。従業員同士の雑談等によるオフィスでのコミュニケーションは今となっては希少となる中で、リアルな繋がりをアフターコロナの働き方へ反映させていくことが喫緊の課題となっている。

2021年 11月 15日
ビフォー/ウィズコロナのオフィスコミュニケーションの違い

オフィスでのコミュニケーションは様々な要素が重なり合い成り立っており、オフィスレイアウト・デザインが生み出す偶発的なきっかけはリアルな繋がりに大きな影響をもたらす。ビフォーコロナでは、オフィスに出社し、毎日顔を合わせることで何気ない会話が生まれる等、リアルな交流を日常的に感じることができた。しかし、今ではオフィス出社が当たり前ではなくなったことにより、リモートワークで得られないコミュニケーションを創発する空間、感染対策のためのソーシャルディスタンスを考慮したオフィスレイアウト・デザイン設計へとアップデートされている。

JLLが発表した、ニューノーマルにおける舵取りに役立つリエントリーのガイドブックでは、フロアプランの見直しやデスクや家具等の配置修正、タッチレス技術の採用、共用ワークスペースの衛生強化対策のオフィス再設計が述べられており、アフターコロナのオフィス環境の要素が垣間見られる。働く上でヒトとの対面が当たり前であったオフィスコミュニケーションから、リモートワークでのバーチャルな交流を統合したハイブリッドコミュニケーションへと変わっていくと共に、オフィス環境も順応して変化していく必要があると考えられる。

今後のオフィスコミュニケーション活性化で欠かせない核心とは?
購読

さらにインサイトをお探しですか?アップデートを見逃さない

グローバルな事業用不動産市場から最新のニュース、インサイト、投資機会を受け取る。

リモートワークが増える中、従業員が求めているのは会社への帰属意識や上司や同僚との雑談、イノベーションが生まれやすい執務空間というニーズが調査で明らかになっている

 

オフィスの再設計や従業員の健康とウェルネスの重要性等、様々な変化に適応していくことが企業に求められる。働く上で、ヒトとのコミュニケーションの本質的な要素は不変であるが、外的要素が変化しているからこそ、柔軟に対応していくことが不可欠だ。近い未来といえる アフターコロナのオフィスでのコミュニケーション活性化に重要となってくるポイントは、従業員ニーズを読み解き、現状課題を解決するレイアウト・デザインと、企業側の想いを戦略として落とし込んだオフィス空間 となってくるのではないだろうか。リモートワークが増える中、従業員が求めているのは会社への帰属意識や上司や同僚との雑談、イノベーションが生まれやすい執務空間というニーズがJLLのオフィスワーカーに関するアンケート調査で明らかになっている。対面コミュニケーションが激減した分、従来のオフィスで感じられた帰属意識の要素や、ヒトを感じられるような繋がりの要素を考慮し、働く環境を再設計していくことが、今後の企業と従業員とのエンゲージメント向上に寄与するだろう。具体的には、オフィス内へブランドの歴史を展示し、従業員に共有することでの意欲向上、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすいような会議室や共有スペースを設けたるなど、様々な工夫が挙げられ、実践する企業も少なくない。オフィスコミュニケーションの根本はヒューマン・エクスペリエンスであり純度が高いため、リアルタイムで動いていくことが今後の企業の成長にも繋がってくるだろう。

オフィスコミュニケーションの活性化に関連する移転事例を見る

オフィスコミュニケーションを活性化するレイアウト事例

個人の精神的・身体的な幸福を尊重したオフィスコミュニケーションを実現するための”ハイブリッド”な環境が必要

 
個の働き方を活かしたABW型のオフィスレイアウト 

従来の働き方が変化した今、個人の精神的・身体的な幸福を尊重したオフィスコミュニケーションを実現するための”ハイブリッド”な環境が必要となってくる。ヒトを軸と置き、生産性を高めながら、自分らしい働き方で仕事を行うというABW(アクティビティベースドワーキング)の考え方を活かしたオフィスレイアウトを取り入れる企業が増えており、コミュニケーション活性化へも深く結びついている。ヒトとの関わり合いの中で、自分の働く環境が十分に満たされていれば、自ずと他者とのコミュニケーションも円滑に進むと考えられる。ABW型オフィスは働く場のコミュニケーション形成の土台として、個人の多様なワークスタイルを実現し、ウェルビーイングやウェルネスが整ったヒト同士の関わり合いを生み出す効果的なレイアウトといって良いだろう。

社内外のステークホルダーがコミュニケーションを取れるハブスポットの構築 

仕事だけでなく少し立ち寄って雑談をする、カジュアルな打ち合わせ等ができるヒトの集うハブスポットをオフィス内に設置し、社内だけでなくクライアントや協力会社とのコミュニケーション活性化を促し、エンゲージメント向上に繋げている事例も存在する。リモートワークの拡大が進む中でも、オフィスの重要性を再認識し、ビフォーコロナとは異なる価値を従業員に提供することで、組織全体のモチベーション改善や優秀な人材の確保に直結するという戦略を根底に置き、オフィス改革にも積極的に投資を行っているのだ。企業の行く末を予知し将来的な効果を見据えた上で、オフィスコミュニケーションを活性化させる実践は、今後さらに重要となってくるだろう。

ハイブリッドな働き方に対応したブースの設定 

コロナにより、リモートワークとオフィス出社を掛け合わせたハイブリッドな働き方等、多様なスタイルが可能となったからこそ、オンラインミーティングの設備を整えたブースを設置することが欠かせなくなってきている。オフィスへ出社したくてもできない従業員とのコミュニケーションを円滑に促すため、テクノロジーを活用することは不可欠であり、企業にとって喫緊の課題となっている。多様な働き方を包括したオフィスコミュニケーションを構築するため、様々な視点による再設計が欠かせない

オフィスでのコミュニケーションは、ヒト同士の交流により生まれるため、個人の視点に立つことが重要となる。コロナにより従業員や社会のニーズが日々変わる中で、俊敏に変化を察知し、オフィス改革への戦略として組み込んでいくことで、企業の経営、そして従業員の幸福という観点で効果的に循環していくのではないだろうか。

オフィスコミュニケーション活性化のサポートについて見る

お問い合わせ

何かお探しものやご興味のあるものがありましたら、お知らせ下さい。担当者より折り返しご連絡いたします。