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【地方拠点を開設】Mellowに学ぶフレキシブルオフィス活用術

賃貸オフィスに比べて、柔軟な利用形態が魅力のフレキシブルオフィスを活用する企業が増えている。キッチンカーをはじめとした移動型店舗の支援事業を展開するMellowは大阪オフィスをはじめ、フレキシブルオフィスに地方拠点を開設。事業特性や働き方に適応した同社のフレキシブルオフィス活用術を紹介する。

2024年 01月 16日
地方拠点をフレキシブルオフィスに開設したMellow

コロナ禍を受けてフレキシブルオフィスを活用する企業が増加傾向にある等、オフィス移転時における新たな選択肢として定着しつつある。

フレキシブルオフィスとは、一般的な賃貸借契約に基づく固定型のオフィスではなく、施設利用契約等を締結して、契約期間や使用面積(席数)等を柔軟に変更できる共用型オフィスの総称である。代表的なものではシェアオフィス、コワーキングスペース、サービスオフィス等がある。

今回取材した株式会社Mellowは大阪オフィスをはじめとする地方拠点をフレキシブルオフィスに開設しているスタートアップだ。なぜ、フレキシブルオフィスを選択したのか、聞いた。

 

「ランチ難民問題」の解消を目指す

都心のオフィスビルが大規模化し、ビル内の就労者数が急増。それに伴い、いわゆる「ランチ難民」が問題視されるようになってきた。ビル周辺の飲食店だけでは昼食時に対応しきれず、テナント満足度が急低下。ビルオーナーにとっては喫緊の課題といえる。

そうした「ランチ難民問題」の解消と、キッチンカー事業者の営業支援、そして利用者の利便性向上という「三方良し」のサービスを提供しているのがMellowだ。

キッチンカーをはじめとする移動型店舗と、オフィスビルの敷地等の空きスペースのマッチングを行う「モビリティビジネスプラットフォーム事業」を展開する。移動型店舗の事業者向けに運営スケジュールや売上、車両登録情報、営業許認可に関する資料といった多種多様な情報を一元管理できるシステムを提供する他、店舗利用者に対して、移動型店舗の運営スケジュールやメニュー検索機能とスタンプカード機能を利用できるアプリ「SHOP STOP」を提供。従前、店舗事業者に委ねられ、アナログ対応が主流だったとされる運営管理業務をDX化することで、事業者・利用者双方に利便性の高いサービスを提供している。

地方都市へサービス拡大


同社によると、SHOP STOPの出店場所は22都道府県に増加し、2023年8月末時点の流通総額は前年同月比で1.9倍。キッチンカーを含む移動販売車の登録台数と共に管理運営スペース数も拡大し、2022年8月末から2023年8月末の前年同月比で約1.6倍となったという。

このように、Mellowのサービスは東京のみならず、地方都市でも普及しており、それに伴い、現在は東京本社の他、大阪、名古屋、福岡に地方拠点を開設している。Mellow 関西事業責任者 川崎 亮也氏は「現在、当社の事業を牽引しているのは東京エリアだが、将来的にみて地方都市のビジネスチャンスが拡大していくとみている」と力を込める。

フレキシブルオフィスを活用

同社の地方拠点におけるオフィス戦略の最大の特徴は「フレキシブルオフィス」を活用している点だ。大阪・名古屋・福岡オフィスはすべてフレキシブルオフィスに開設している。

例えば、2022年11月に移転した大阪オフィスは、大阪最大のオフィス集積地の一角を担う西梅田エリアに位置する大規模オフィスビル「ブリーゼタワー」1-3階に開設されたフレキシブルオフィス「SYNTH×Business-Airport 西梅田ブリーゼタワー」(以下、シンス)だ。

Mellowが大阪に進出したのが2019年。当時拠点立ち上げを2名で行い、入居先としたのがフレキシブルオフィスだった。その後、2021年に1名、2022年に3名が加わり、「従業員数が6名まで増加したことで、オフィスが手狭になり、より広い執務空間が必要になった」(川崎氏)ため、2022年11月にオフィス移転を実行することになったそうだ。
 

フレキシブルオフィスを活用する理由

バイオフィリックデザインを採用し、居心地の良さを追求したシンス

組織と事業特性上、フレキシブルオフィスとの親和性が高い

企業が地方進出する際にフレキシブルオフィスを選択するケースは少なくないが、その理由について、川崎氏は「組織と事業特性上、フレキシブルオフィスとの親和性が高いため」と説明する。

会社設立時からフルリモート・フルフレックス制というフレキシブルな働き方を採用するMellow。川崎氏によると「スタートアップ企業にしては珍しく子供を持つ社員が多く、突然の保育園対応が必要になることも少なくない。そのため、働く場所や働く時間を自由に選べることが当社の働き方の前提条件になっている。加えて、事業特性として移動店舗が出店する現地へ赴くことが非常に多い」という。

川崎氏の場合、大阪・京都・兵庫のみならず、滋賀県や奈良県、和歌山県まで近畿全域に出張することが非常に多く、オフィスに常駐する働き方ではない。「オフィスは必要時にあればよく、固定席は必要ない」(川崎氏)そうだ。

また、フレキシブルオフィスならではの「利便性」も魅力だという。同社の総務機能は東京本社に集約されており、プリンタのインク切れや郵便物の受け取り等、総務業務を地方拠点のスタッフで対応しなくてはならない。しかし、フレキシブルオフィスは運営事業者がこうした総務業務を対応してくれるため「職務に集中でき、生産性を向上させることができる」(川崎氏)との考えだ。

シンスを選定した理由

気分や業務内容に合わせて働けるようにシンスでは様々な座席を用意している

大阪オフィスとして、シンスは“最高到達点”だと感じており、不満はまったくない

大阪オフィスのスタッフは7名(2023年11月末時点)。シンスは3フロアに分かれており、屋内緑化が豊富なバイオフィリックデザインを採用した「Botanical Lounge」や、100冊以上を収容する本棚に囲まれたビジネスラウンジ「Bookshelf Lounge」等、内装デザインにもこだわりを見せる今風の“おしゃれオフィス”だ。Mellowは2階部分に2席分の“個室”を借りている他、共用のフリースペースを執務席として活用している。

スタッフ同士のコミュニケーションはメールやチャットが中心だが、仮想オフィス・ツールを導入している。シンスのレイアウトや座席配置を反映したバーチャル空間上でアバター(分身)を動かし、他のスタッフとコミュニケーションを取っているという。

では、数あるフレキシブルオフィスの中からシンスを選定した理由は何か。

川崎氏によると「5つのフレキシブルオフィスを移転候補として選定し、その中から立地条件や利用プラン、利用可能時間、初期費用・月額費用等を比較し、スタッフの意見を加味して移転先を決定した」という。

最大の決め手となったのは「立地」だったという。前述した通り、近畿全土に出張することが多い業務特性上、ターミナル駅である大阪駅を利用することが多い。西梅田から大阪駅への至便性に加え、駅直結であったことも大きな選定ポイントだ。

また「セキュリティ性」も重視した。川崎氏によると「前オフィスはフルオープン型のコワーキングスペースであり、機密性の高い会話をするのがはばかられた」という。しかし、シンスでは入館時に受付や会員カードによる非接触ゲート、各専用個室の鍵に加え、ビル側の24時間有人警備システムや防犯カメラ等、幾重にもなるセキュリティ対策は他施設にはない魅力に感じたという。

「大阪オフィスとして、シンスは“最高到達点”だと感じており、不満はまったくない」(川崎氏)
 

フレキシブルオフィスの選定にお悩みの方はJLLまで

JLL日本 リサーチ事業部が2023年12月に発表したレポート「進化する大阪フレキシブル・オフィス市場」によると、2023年第2四半期末時点における大阪フレキシブルオフィス市場の総貸床面積は47,974㎡となり、コロナ以前の2019年末時点と比較すると38%増、拠点数も49拠点に拡大しているという。

フレキシブルオフィスには様々な選択肢が存在し、立地、利用料金、サービス内容等を踏まえて、自社のニーズを満たす施設を選定するのは意外に骨が折れる。JLL日本では、そうした企業側の声を受け、フレキシブルオフィスの選定業務をサポートしている。フレキシブルオフィスの選定方法に興味のある方は下記をご覧ください。

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