企業の成長に不可欠な総務アウトソーシング

今、総務アウトソーシングが企業に不可欠な理由

総務は企業の経営資源の管理・運用や社内行事の運営、組織が円滑に機能するように働きかけるなど、企業全体の価値向上を促す重要な役割を担う。従業員の満足度を向上させることにも従事する総務は、リモートワーク導入という昨今の働き方の変容に対し、モチベーションの低下やコミュニケーション不足、企業の帰属意識の低下など、企業内で課題が山積みとなっている中、オフィス環境を最適化させる等の解決策を打ち出し、いち早く対応していくことが求められる。前例のない状況に対し、柔軟かつ長期的な視点で適応していくことで企業の今後は大きく変わってくる。適応力が問われる今、経験と知識、知見のある戦略的な総務アウトソーシングを活用することは長い目で見ても重要だ。

総務アウトソーシングに対する企業の現状意識

^出所：JLL

企業の経営企画部門や総務部門、財務部門の勤務者を対象に実施されたJLL×日経BPコンサルティングの調査(2019年12月実施)で「関心あるテーマ」という質問に対し「総務アウトソーシング」の回答は2位となった。このデータから社内のリソース不足で業務が効率化されていないということが伺える。

14位にランクインしている「CRE(Corporate Real Estate = 企業不動産)戦略」は総務と深い関わりを持つトピックの一つだ。土地や建物など、企業の不動産をただ保有するだけでは不動産を保有するだけでは経営資源を無駄にしていると投資家に判断され、企業イメージを低下させるリスクにも繋がりかねない。そのリスクを回避し、企業不動産を最大限に活用、管理・運用していくCRE戦略が企業の成長には不可欠であり、それらを実践していくプロセスで総務は大役を担う。そして成果を出すために総務アウトソーシングが「足りない箇所を補う」という役割を果たすのである。

総務をアウトソーシングすることで得られるメリット

自社にはないネットワークと交渉力の活用

総務のアウトソーシングによるメリットは課題によっても様々だが、自社のリソースだけでは賄えないネットワークを活用することで警備、建設、水道光熱費、清掃・修繕、リース及びエンジニアリングサービスなど広範囲におけるコストの交渉を行い、継続的なコスト削減を実現することができる。自内ではリーチできなかったネットワークと交渉力という領域を総務アウトソーシングで活用できるのだ。

ファシリティ管理分野でのデジタルの活用

ファシリティ管理のデジタル化は昨今話題となっている。AIやIoT等のテクノロジーを最大限に活用することで、今まで数値化されていなかったデータを可視化、問題と課題を見出し改善するPDCAサイクルを作り出すことが可能となるのだ。最近ではIoTアナリティクスやiOffice Hummingbirdなど不動産テクノロジー製品を採用し、デスクスペース・会議室などのオフィス環境のデータを集積・分析、効果的に管理・運用・最適化する企業ケースも増えてきた。リモートワーク導入とオフィスの併用により、「ワークプレイス」に対する考え方も大きく変化する中、ヒト視点の対応に加え、見えるデータによって現実的な視点での最適化が可能となり、そのデータを効果的に活用するためには高精度な分析が求められる。総務の中で重要な分野となるファシリティ管理のデジタル化が今後さらに加速するからこそ、専門的な知見と経験が必須となってくるのだ。

戦略的かつ専門的な手法で成果を得た総務アウトソーシング事例

自社だけでは得られないグローバルネットワーク活用でコスト削減に成功

大手国内電気メーカーはファシリティマネジメントのパートナーとしてJLLと独占的に契約を結び、コスト削減を目的としたプロジェクトを開始。ファシリティ管理に関わるコスト削減を実施し、9年間で69億4200万円のコスト削減効果へと繋げた。成功要因にJLLがグローバルなネットワークを生かし、グループ会社海外工場7件の取得・売却支援等、幅広いサービスを提供したことが挙げられる。総務アウトソーシング・コンサルティング活用により、自社だけでは得られないネットワークを活用し、継続的かつ根本的なコスト削減に成功することができたのだ。

今後ますます需要の高まる総務は、企業にとって重要な役割を持つ。自社では得られることのない専門的な経験と知識、知見そしてネットワークを最大限に活用できる総務のアウトソーシングは、これからの企業成長のためにコストがかかっても必要不可欠な要素となってくるであろう。