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物流倉庫の役割と効果的な活用とは?

EC市場の拡大により、物流業界は急成長を遂げており、物流倉庫への需要も高まってきている。入荷、保管、配送の流通プロセスを戦略的に展開するだけでなく、サステナブル化やテクノロジーの活用等、近い未来に備えた取り組みが必要となる中、改めて物流倉庫の役割や活用について解説する。

2022年 04月 01日
物流倉庫が果たす役割とは?

人々の生活や経済活動に欠かせない様々なモノを安全に保管する役割を担う物流倉庫。ヒトのモノを扱うことから、物流倉庫を経営するには倉庫業法に準じた登録が必要となっている。物流業界に対するニーズの多様化に伴い、物流倉庫にもこれまで以上の付加価値が求められており、BTS型物流施設やマルチテナント型の先進大型物流施設等、企業の物流戦略に柔軟に対応できる多彩な物流倉庫が登場するようになった。ニーズの多様化により、モノを保管する”倉庫”という意味合いが強かった物流倉庫が、今では管理や配送等、広い役割を担うようになり、今後も発展し続けると考えられる。

ロジスティクスに欠かせない物流センター

物流センターの流通プロセスや関わってくるサプライヤー、顧客、3PL業者等を考慮し、全体の管理と適正化を図るロジスティクスには、戦略を体現できる物流倉庫が欠かせない

消費者にモノが届くまでのプロセスの最適化を担うロジスティクスとそのモノを取り扱うハブ拠点である物流センターは、物流倉庫の効果的な活用を行う上で欠かせない要素だ。特に物流センターは市場の拡大に伴い様々な種類と運営手法があるため、物件を選定する上でも把握しておくことが必要だ。物流センターの種類として以下の4つに分けられる。

 

  • TC(Transfer Center/トランスファーセンター):在庫を保管しない通過型の物流センターを指す。日本の物流センターの主流として取り入れられており、コンビニやスーパー等の業態のビジネスで利用されているケースが多い。
  • DC(Distribution Center/ディストリビューションセンター): TCとは違い、在庫を保管し、出荷の役割も担う在庫型物流センターを指す。在庫を保管するため、入荷から検品、在庫管理、ピッキング、出荷という一連の流通プロセスを行うため、物流センターとして多くの機能を持つ。
  • PDC(Process Distribution Center/プロセスディストリビューションセンター):流通加工・在庫型の物流センターとして精肉や鮮魚の加工等を行い、専門的な技術や設備、労働力を要する。DCと同じ形態ではあるが、高度な技術が必要となる。
  • FC(Fulfillment Center/フルフィルメントセンター): EC市場の急成長により注目を集めている。DCの機能に加え、消費者からの受注や決済管理、包装、顧客データ管理、クレーム対応等の販売業務も含まれるため、物流だけでなく、ECにおける販売方法のメリットを受けることができる。

これらの物流センターの流通プロセスや関わってくるサプライヤー、顧客、3PL業者等を考慮し、全体の管理と適正化を図るロジスティクスには、戦略を体現できる物流倉庫が欠かせない

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物流倉庫の活用で不可欠なポイント
3PLロジスティクス
物流倉庫を効率的に活用していくためには、サードパーティーが戦略的に物流業務を管理・運用する3PLロジスティクスが不可欠だ。3PLロジスティクスは荷主となる企業がロジスティクスの専門家である第三者に物流戦略の策定やシステム構築等の物流業務委託を示し、より高度で効率的なプロセスを運用することができる。また、3PLロジスティクスにより、昨今注目が高まる地球温暖化問題への対応等、新しい課題にも俊敏に実行できることから、専門家の第三者に委託したという企業が増えてきている。
テクノロジーを活用した物流業界の課題への取り組み
EC市場の急成長と共に物流業界で深刻な問題とされている人材不足や地球温暖化への対応を解決へと導くテクノロジーの活用。倉庫の商品の在庫管理や配送管理をAIによって自動化したり、IoTセンサーを用いて施設の省エネに繋げる等、デジタル化により物流業界の様々な課題が解決へと向かっており、物流倉庫を効果的に活用していく上でテクノロジーは今後欠くことのできない要素となっている。
物流倉庫に求められるサステナビリティ

経済的な利益を優先しつつ、社会的な責任を果たすSDGsは、戦略的な物流倉庫の活用だけでなく、時代のニーズに適応していくためにも必要不可欠

未来を見据えた物流戦略を考える上で、SDGs達成を考慮した物流倉庫の選定や運営、オペレーションは必須となりつつある。物流プロセスでの二酸化炭素の排出削減、物流業界で働くヒトのウェルビーイングを尊重したホワイト物流の強化等、物流業界のサステナブルな環境を構築し、環境問題への対応だけでなく、ヒトの働き方の質を向上させていく取り組みが昨今盛んになってきている。経済的な利益を優先しつつ、社会的な責任を果たすSDGsは、戦略的な物流倉庫の活用だけでなく、時代のニーズに適応していくためにも必要不可欠であると考えられる。

日々の生活のインフラとなる物流だからこそ時代の変化による影響を受けやすく、柔軟に対応できる物流倉庫がより一層必要となってきている。利益面だけではなく、環境問題や働くヒトのウェルビーイング等の社会的な責任を果たすことへの優先順位も高まっている中、物流倉庫の役割や活用について改めて見直し、最適化することが必要となっているのではないだろうか。

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