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これからの企業強化に欠かせない戦略総務の役割

能動的に企業内への働きかけを行う戦略総務の重要度が高まっている。背景にはコロナによる社会情勢やリモートワークで従業員の働き方の変化が深く関連している。縁の下の力持ちといわれる総務の役割を進化させ、戦略的な取り組みにより、企業は大きく生まれ変わることができる。

2022年 01月 04日
注目度が増す「戦略総務」

戦略総務の考え方が求められる要因として、今まで以上に従業員のウェルビーイング向上が重要とされるようになったこと、コロナをきっかけに企業戦略の最適化が課題とされていることが挙げられる。企業活動の内面を支える貴重な存在の総務だが、一般的には「なんでも屋」のイメージが強い。しかし、コロナという危機のもと、総務が備え持つ特性を活かし、積極的かつ能動的に企業の様々な課題に取り組んでいくことが必要となっている。

従業員のウェルビーイング向上の取り組みには、WELL認証やCASBEEウェルネスオフィス認証といった評価システムがあり、これらを取得することで企業の価値も高めることができる。また、働き方の変化によるオフィススペースの最適化でのコスト改善や、効率性と衛生面を考慮したテクノロジーの活用等、企業戦略のアップデートが急務となっているからこそ、総務が担う役割は幅広く、長期的な効果を生み出すためには戦略総務の考え方が欠かせない。

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経営の根底となる要素を底上げしていくことが企業強化に直結してくる

戦略総務は、従来の総務の特性を土台とし、目的に沿ってアップデートしていくことが必要だ。例えば、企業経営者と現場にいる従業員のコミュニケーションを様々な取り組みによって繋ぎ、企業理念やメッセージを広く伝え、組織全体のモチベーション向上や人材確保へ寄与するという実践例が挙げられる。その他、各部署の業務や働き方の課題を把握し、今後のオフィス改革や社内組織の戦略に活かしていく等、持ち前の要素を活かした戦略総務は様々な目的に対して展開できる。企業経営の視点では、CRE戦略のサポートとして、企業資産である施設の運営・運用の最適化によりコストを大幅に削減、現状を見直すことでの価値向上を行う等、戦略総務が担う役割は多岐にわたる。経営の根底となる要素を底上げしていくことが企業強化に直結してくるのである。

経営層が考える戦略総務の重要性

企業経営者はコロナによる様々なニーズの変化に俊敏に対応していかなければならず、戦略的な実行力を備えた総務の人材を求めている。喫緊の課題とされる従業員ニーズに適応したオフィス改革は、戦略総務が必要となる対応が数多く存在する。JLLが国内企業の経営者を対象に実施した調査アンケートでは、ニューノーマル時代でのオフィス改革の優先順位として「業務効率化」や「コスト削減(オフィス面積縮小など)」、「社員満足度の改善」等が挙げられた。これらは総務の特性を活かせる領域の課題であり、戦略総務としての手腕が問われているといっても良いだろう。企業経営者のニーズにいち早く察知し、先手で行動を起こしていくことが、戦略総務への一歩となるのである。

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今後不可欠となる戦略総務が担うべき取り組みとは?

コロナにより、オフィス環境の規制が問い直されている今、ウェルネス・ウェルビーイングなオフィスづくりは戦略総務にとって優先度の高い取り組み

ウェルネス・ウェルビーイングなオフィス環境づくり 

企業を取り巻く社会情勢の変化により、ヒトが健康であることが今まで以上に問われるようになっている。ウェルネス・ウェルビーイングという言葉も日本ではあまり聴き慣れていなかったが、コロナによる価値観の変化やSDGsの取り組みにより、従業員というヒトの健康を維持していく働きかけが企業に求められ、戦略総務の実践が必要となっている。取り組み方は企業によって様々だが、WELL認証やCASBEE認証のような働くヒトの健康状態に軸に置いた評価基準をもとに、オフィス内での個人やコミュニティ、それぞれの状況に応じた施策を展開するといった戦略も多く存在する。例えば、非対面・非接触に徹底した設備を設け、身体的な安全衛生を改善し、従業員に健康的な安心を提供することができる。コロナにより、オフィス環境の規制が問い直されている今、ウェルネス・ウェルビーイングなオフィスづくりは戦略総務にとって優先度の高い取り組みといえるだろう。

企業のBCP(事業継続計画)最適化サポート 

コロナがきっかけでBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画書)を最適化する企業は多いのではないだろうか。テレワークの導入や業務プロセスのデジタル化、安全確保のためのガイドライン作成等、事業継続のために緊急時に備えた様々な対策を見直す上で、戦略総務の考え方を持つことで企業の今後は大きく変わってくるだろう。BCP対策は知見や情報が必要となるため、専門的な経験を持つ総務アウトソーシングを起用する企業も少なくない。領域が幅広いBCPの最適化は、昨今起きている自然災害や天災に対応するための企業としての肝心な対策であるため、総務による戦略的な知見が欠かせない。

「変化」の多い環境の中で、既存の総務をアップデートさせ、戦略総務を実践することは容易なことではない。しかし、企業の未来が試されているような昨今の状況を打破し、総務から戦略的に動いていくことで組織全体の「変化」にも繋がり、アフターコロナという近い将来に向けて、一歩ずつ実践していくことが重要なのではないだろうか。

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