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新型コロナウイルス:オフィス出社を解禁する上で注意すべき10項目
ロックアウトを解除する国も出てきており、オフィスへの出社を解禁する企業も出てくるだろう。しかし、地方自治体による規制や土地所有者の施設管理方針・入居計画など、オフィスへの出社再開については慎重を期すべきだ。特に次に示す重要分野について対策を講ずるべきである。
2020年 05月 08日
ビルの安全性についての従業員の信頼
組織はたとえ従業員のワークプレイス復帰を焦っていたとしても、誰をいつ復帰させるか決定するプロセスが複雑であることを忘れてはならない。地方自治体の命令や土地所有者の方針、ビルの安全性に対する従業員の信頼感なども考慮しなければならない。
オフィスへの出社を解禁する上での重要項目に対策が講じられていることを確保するため、下記チェックリストを活用していただきたい。
- 地方自治体の規制
- オフィスビルへの出社再開についての地方自治体のガイダンスの確認。
- 規制当局から新しく建物使用許可証を取得する必要があるかの判断。
- 土地所有者の方針
- ビルへの再参入と占有に関する手続きと規則の確認。
- ビルの安全衛生に関する方針の決定。
- 事業継続計画(BCP)の一致
- BCPに再出社関連の役割等について認証済みのリストが含まれているか確認。
- 出社再開が失敗、または新型コロナウイルスが再発して追加的な閉鎖を余儀なくされた場合の危機管理計画、重要な対策メカニズムが設定されているか確認。
- サプライチェーン
- マスクや消毒液などの保護備品のサプライチェーンを特定・確認し、調達までに時間がかかる品目については事前の注文要件を決定。
- 人事・法務上の検討事項
- 高リスクの基礎疾患(肺疾患、ぜんそく、心臓疾患、免疫不全、肥満、糖尿病、肝臓疾患など)のある従業員がオフィスに出社しないことを確保するための手引書の決定。
- 感染の報告と追跡、HIPAA規則コンプライアンス、苦情報告に関する方針・手続きの確保。
- スペース/占有
- ソーシャルディスタンスなど、自治体のガイドラインに従った座席表/間取り図の作成。
- オフィスの新しいエチケットや利用方法の設定とオフィス内における伝達を徹底する。変更する際にはその影響を必ず考慮する。
- 特定のエリアに対する影響にどう対処するかの計画作成(例:ウェルネスや母親用スペース、ジム、シャワー、ロッカー、メールルーム、休憩室)。
- 主たるオフィス以外の各拠点に対して従業員のアクセスに関する方針の決定。
- ファシリティマネジメント
- ソーシャルディスタンス要件を遵守した緊急避難手続きの確認と、避難を担当する「フロア管理人」の任命。
- 複数階のビルではエレベーター使用時のソーシャルディスタンス・ガイドラインを設定、エレベーターに関する利用手引書や同時利用可能人数を計算してビル所有者・管理会社と確認。
- 出社再開の失敗やウイルス再発による新たな閉鎖を余儀なくされた場合に備えてオフィスの段階的および「緊急閉鎖」手続きを設定。
- テクノロジー
- ビルの所在地、スペースの利用、潜在的感染ゾーンについての使用状況および従業員追跡機能を強化。
- 実地のソーシャルディスタンス政策と消毒サポートを要件とした会議室予約システムおよび機材の評価。
- セキュリティ
- 重要な従業員のオフィス出社に関する入館証の配布について手引書の決定。
- 施設を再度閉鎖する必要が生じた場合のビル閉鎖方針の設定・確認。
- 認可
- 各地域/市場/オフィスについてオフィスの業務再開・停止の発表責任者を決定。
- 出社再開計画の承認者の決定(例:地域危機管理チーム、市場/カントリーリーダー、エンタープライズリスク&監査チーム、事業部門、IT、セキュリティ、法務および人事チームなど)。