記事

新型コロナウィルス:テナントが4段階で取り組むべき対策実施スケジュール

新型コロナウィルスの急速な世界的感染拡大は多くの企業を狼狽させた。感染が拡大し長期化するほど、事業への影響も長期化する可能性が高まっている。テナントに求められる対策とはなにか。短期的かつ中期的に4段階に分けて対策を実施するべきだろう。

2020年 04月 15日
ワークプレイスを見直し従業員の健康を守る
対策は4段階

世界的に猛威を振るう新型コロナウィルス。感染拡大を防ぎ、従業員の健康を守るため、テナント企業は直ちにワークプレイスを見直し、感染防止策や在宅勤務に移行した場合のコミュニケーション問題に対応しなければならない。しかし新型コロナウィルスのような前例のない状況では、ワークプレイスを絶えず監視し、状況に合わせて即時調整していく必要がある。

あらゆる企業にはウィルスの脅威や、事業環境の変化への対応力と、感染リスクに関する優先順位を継続的に評価する努力が求められる。以下、4段階に分けた対応策と各フェーズにおける対策実施スケジュールをまとめた。

フェーズ1:態勢、防衛策とコミュニケーション(当初の1-2週間)
  • 不動産運営に関する事業継続計画を発動または作成し、グローバル(本社)で対策チームを設置。リスク管理対策との一貫性を確保。
  • ワークプレイスの継続性を評価し、直ちにソーシャルディスタンス戦略(人と物理的な距離を置く感染防止策)を実行。
  • テレワークの導入に必要な要件を把握し、ワークフォース内の感染拡大を抑制・軽減するため在宅勤務を実施。
  • 「積極的・中間・保守的」といった3つのシナリオに基づくワークプレイス継続計画を策定。
  • しっかりとしたコミュニケーションの手順・やり方など、ガイドラインを策定する。
  • 速やかな対応を確保するため意思決定プロセスを合理化し、事業継続性を確保するため効果的なコミュニケーション手法を確立。
  • 必要であれば直ちにワークプレイス(少なくともその一部)を閉鎖し、業務を行う代替案を策定し、テレワークを実行。
  • オフィスでは厳格な衛生・清掃対策と効率的かつ効果的な廃棄物管理を実施し、大気中に浮遊する汚染物質の濃度を低下させるため、より多くの外気をオフィス内に取り込む。
フェーズ2:モニタリングと態勢準備(第3-4週)
  • 状況の監視と現状分析を継続し、適宜計画を調整。
  • 必要に応じてモバイルワークを実施可能にする。
  • 短期的には不動産の運営管理と重要サイトの移行プロセスに集中。
  • 製品や資材など、適度な供給が維持されることを確保する。あらゆるサプライチェーン遮断の可能性を検討。
フェーズ3:継続(1-3カ月間)
  • モバイルワークや在宅勤務などのプログラムで事業継続性を支援。
  • サプライチェーン遮断による事業活動への影響に備える。
  • 不動産に関する意思決定に対する消極姿勢や慎重姿勢を想定する。
フェーズ4:収束時(3カ月目以降)
  • 二酸化炭素排出量削減と飛行機を利用した出張の減少がサステナビリティに関する印象をどのように変化させられるかを検討。
  • 従業員が不動産により厳格な安全衛生要件を求めることを想定。
  • センサー、大気品質、利用表示などのワークプレイスに関するテクノロジーの積極的な採用を計画。

注:JLLおよび弊社スタッフは、貴社の事業継続計画策定もしくは対策計画策定につき、医療および公衆衛生の視点から指導し、または影響を与える権限もしくは資格を有せず、弊社は何らの責任を負うものではありません。第三者より公開された最新の資料等を提供するよう努めますが、新型コロナウィルスに関する一切の情報、医療・公衆衛生上の影響については、独立した専門家の助言に基づく対応をお願いいたします。

お問い合わせ