解説

不動産コスト削減の新しく驚くべき方法

スマートなデザインと緑色の属性を持つオフィススペースを選択すると、より低価格で標準以下のスペースよりもはるかに大きな従業員のパフォーマンスが得られる。

2016.09.25

新しいオフィススペースを検討する上での重要事項には何が含まれているだろうか。おそらく立地、レイアウト、アメニティ、リースの柔軟性等が優先され、最も重視されるのは多分、賃料だろう。賃貸物件を比較することで、1平方フィート当たり数ドルを節約できるかもしれない。

しかし、これを別の角度から見たらどうだろう。わずか3-4ドル節約した結果、他で損をしていたとしたら。机上では割安なオフィスが従業員のエンゲージメントや心身の健康にマイナス影響を与えたため、実際には割高だったとしたら。

新しいリース契約を検討する際に建物の真のコストを評価し、1平方フィート当たり3-4ドルよりもはるかに大きな節約が可能となるより優れた方法が存在する。潜在的な生産性だ。

不動産を全体的視点から捉える場合、賃料や光熱費といった目に見えるコストと、不動産が従業員に与える影響の両方が含まれる。

生産性が高まれば費用が節約されることはほぼ本能的に理解されるが、どうすればこれを証明できるのか。更に、賃料の節約よりも影響が大きいことはどのように証明するのか。

年間コストを比較してみよう。企業の光熱費、賃料と人件費の平均的な費用の割合は「3:30:300ルール」で表される(全て1平方フィート当たりの年間コスト)。

光熱費3ドル

賃料30ドル

人件費300ドル

実際の数値は立地や組織ごとに異なるが、3:30:300は確かな経験則だ。例えば、エネルギー効率が10%改善すれば1平方フィート当たり0.30ドルが節約され、賃料が10%低下すれば3.00ドルの節約、生産性が10%向上すれば30ドルの価値が生まれるのである。

スペースは生産性にどのように影響するのだろうか。

ワークプレイスの構成

様々な作業や職務機能に適した種類のスペースを有することに加えて、従業員間の出会いや交流の機会を促すオフィスのレイアウトで満足度や業績、生産性を大幅に向上させられる。

また、ギャラップが2012年に実施した調査によれば、これは従業員のエンゲージメントも強化する。この調査は、192社の50,000事業部門の従業員140万人を対象に行われた。そして、以下が明らかになった。

「従業員のエンゲージメントで組織内の上位50%に位置付ける事業や部門は、下位50%と比較して成功率が倍近く増加する(財務、顧客、定着、安全性、品質、縮小、及び欠勤の計測に基づく)。上位1%は、下位1%よりも成功率が4倍高い」

ワークプレイスのウェルネス

2013年の世界グリーンビル協会の報告では、サステナブルな建物の設計が従業員の心身の健康や生産性に与える影響に関する多数の研究がまとめられた。8つの具体的な要素が特定され、これらは最適化されるとテナントにプラス影響を与えるためボトムラインが改善される。8つの要素には、自然光、質の良い空気と優れた換気、温度管理、眺望とグリーンスペースが含まれる。複数の事例が集められ、以下の通り平均的生産性向上が表された。

個別温度管理:+3%

換気改善:+11%

照明改善:23%

自然光環境へのアクセス:+18%

そしてこれはシックハウス症候群の原因となるワークプレイス環境には触れてもいないのである。シックハウス症候群が発生した建物では最大20%の労働者に影響すると推定される一方、空気の質の改善、大気汚染物質の削減や換気の改善により、症状は70-85%改善可能だ。事実、アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルス誌の2010年の論文では、LEED認証を受けた建物は欠勤率や喘息、呼吸器系アレルギー、うつ病やストレスに影響される労働時間が減少し、従業員は生産性の向上を自己申告した。

低コストよりも生産性向上を選ぶ

効率的なワークプレイスは省エネを実現しつつ生産性を向上させるため、割高な賃料を支払う価値がある可能性がある。スマートな設計や緑化されたスペースで、割安だが標準以下のスペースよりも従業員の業績が向上するというのは理に適っている。

これはうなずけるが、実際にリターンを計算することはできるのか。

答えは、イエスだ。

多額の節約が可能だと分かっているので、JLLの不動産ブローカー3名がクライアントの事例別の節約額を算出するアルゴリズムを開発した。

3:30:300計算機は、企業の賃貸可能面積(平方フィート)、賃料、従業員給与、平均病欠日数や従業員定着率等についての実質拠出額から3:30:300比率と総占有コスト(TCO)を算出する。そこから、属性を調整して節約額が算出できると言う仕組みだ。

このツールを使って、年間TCO6,000万ドル超、人件費5,400万ドルの企業は以下の額の節約が可能であることを明らかにした。

欠勤率10%低下により平方フィート当たり年1.50ドル

従業員定着率10%改善により平方フィート当たり年11ドル

生産性10%向上により平方フィート当たり年65ドル(参考までに、世界グリーンビル協会の研究は適切な環境では容易に18-20%の節約が可能であることを示している)

同じ企業の改善率を全体で2%まで引き下げたとしても、平方フィート当たり年13ドル節約される。

これは、3-4ドルよりも良いだろう。

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