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不動産テック企業と協働で世界に通じるサービスを開発

2018年5月31日、JLLは不動産テック企業のJapan REITが実施した第三者割当増資の一部を引き受け、戦略的パートナーとなった。グローバルでは不動産テック企業への出資を行ってきたが、日本法人としては初の事例だ。

2018年 06月 01日

JLL、テクノロジー化を推進

テクノロジーの波は様々な業界に影響を及ぼし、ビジネスのやり方を根底から覆そうとしている。テクノロジーへの投資が遅れていると言われてきた不動産業界も変革の時を迎えている。「不動産テック」の活用が世界的なトレンドとなっているためだ。

少子高齢化による人手不足に直面する日本の不動産業界において、従前から続く属人的な働き方を続けていくことは難しくなるはずだ。優秀な個人に頼り過ぎた結果、社内にノウハウが蓄積されず、担当者の習熟度によって提供するサービスレベルが大きく異なるなど、様々な問題が顕在化している。人手不足は今後ますます深刻になる中、限られたリソースを成長性の高い重点業務へ集中投下しなくてはならない。JLLはテクノロジーこそ不動産業界を進化させる鍵になると考えている。

不動産テック企業へ初の出資

2018年5月31日に発表したJapan REIT株式会社への出資は、JLLが本気で「不動産テック」の推進に注力している具体的な取り組みだ。Japan REITは不動産ファンド向けのシステム開発や、REITポータルサイト運営を手掛ける不動産テック企業であり、特にREIT・私募ファンド向けプラットフォームにおけるマーケットリーダーといえる存在だ。同社が実施した第三者割当増資の一部をJLLが引き受け、戦略的パートナーとなった。JLLのグローバルな知見・実績、JRTのノウハウを活かして互いの成長を加速させていくことができ、日本の不動産市場における不動産テックの推進、市場全体の活性化にも貢献していくことが連携の狙いとなる。

Japan REITへの出資はJLL日本として初の事案となるが、グローバルでは以前から不動産テック企業への出資を積極的に行ってきた。2017年5月にコミュニティアセットマネジメントツールを制作するインドのZipGrid、2017年7月にはエネルギーマネジメントソリューションを提供するEcolibrium Energyに投資した。また、2017年7月にはITベンチャー企業「JLL Spark」を設立。不動産テックを提供するスタートアップ企業の育成に特化したチームを組成し、戦略的な投資や新サービスの開発を行っている。2018年4月にはJLL Sparkが不動産ポートフォリオ管理サービスを提供する米国サンフランシスコのStessa社を買収。2018年1月には、内装の可視化やカスタマイズツールを提供するインドの不動産テックスタートアップ企業Foyrに対し、380万米ドルを出資している。いずれもJLLがクライアントへ革新的なソリューション、価値あるサービスを提供していくための最先端の技術を持つパートナーばかりだ。

日本発のサービスをグローバルへ

今後、オフィスをはじめとする不動産を利用するのはデジタルネイティブ世代が中心となる。ごく当然のようにテクノロジーに慣れ親しんだ彼らのニーズを満たすにはやはりテクノロジーの活用が必要不可欠になる。そして、従来の不動産業界の常識に捉われない斬新なサービスが生み出せる可能性は高い。JLL日本では今後も積極的に不動産テック企業への連携を模索していく。そして、ゆくゆくは日本市場のみならずグローバルマーケットへ通用する日本発のサービスを開発していきたい。日本の不動産テック企業にとって、グローバルネットワークを有するJLLが世界へ羽ばたくためのゲートになれれば幸いである。

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