事例紹介

オーストラリア政府が関わる施設をグリーン化、投資家に多大な利益をもたらす

オーストラリアのキャンベラに位置するジオサイエンス・オーストラリアは、オフィス、研究所、技術機器、施設を兼ね備えた政府機関が入居する複合施設だ。1997年に建設された同施設は、オーストラリア政府が掲げる入居基準を満たすために、大規模な投資が必要だった。

スポットライト

Capital Markets

価値

$363.5 million

場所

Australia

オーストラリアの首都・キャンベラに位置する「ジオサイエンス・オーストラリア」は1997年に竣工。オフィス、研究所、カフェなど、多様な機能を有する政府関連施設である。築年が経過し、オーストラリア政府が利用する施設であり続けるためには一定水準のスペックにアップデートしなくてはならず、多額の設備投資を必要としていた。

建物を未来につなげるには?

同施設を所有し、政府機関であるジオサイエンス・オーストラリアに賃貸しているReal ISは、同施設への投資を回収するために売却を検討していた。

一方、売却物件としての付加価値を高めるため、現行の賃貸借契約満了後も政府機関にテナントとして入居し続けてもらう必要があった。しかし、オーストラリア政府が策定した「ナショナル・グリーン・リース法」により、オーストラリア政府が賃借する2,000㎡以上のスペースを対象に、建築環境格付け制度「NABERSサステナビリティ評価」で4.5つ星以上の評価が必要になる。現在の2つ星評価を大幅に改善しなくてはならず、売却に向けた最大の障害となっていた。

こうした課題に対し、Real ISは同施設の売却を円滑に進めるパートナーとしてJLLを起用した。JLLが有するサステナビリティに関する豊富なソリューションと専門知識を活用することで、投資家のニーズに応えることができると判断したためだ。

建物の近代化と流動性の最大化に向けて鍵となったESGのロードマップ

JLLはReal ISと協力し、グローバル投資、ESG投資、サステナビリティに関する専門チームを結集。施設の改修計画を策定し、ネットゼロの実現とNABERS要件の適合に向けたロードマップを作成した。

JLLの先進的な洞察力と最先端のテクノロジーを組み合わせた実践的な提案、そしてESGに関する革新的なガイダンスによって、財務状況の健全性と高度な環境性能を確保できることを実証することができた。タイムラインとネットゼロへの投資コストを含めた改修計画が含まれたJLLのロードマップは各投資家に個別に伝えられ、同プロジェクトが投資家の目標達成に寄与するという確証を与えることに成功した。

今後の明確なステップを示した上で取引を成立させる

JLLによる計画立案と適切なアドバイスによって、投資家はナショナル・グリーン・リース法に適合した将来性の高い賃貸物件を所有できるという確信を得ることができた。法令遵守のための改修計画は投資家への提案などにも活用され、Real ISが施設を売却することに成功した大きな要因になっている。

地球にとって良いことが、ビジネスにとっても良い結果に

サステナビリティ目標を達成するための方法を示したネットゼロのロードマップによって、投資家は同施設の評価を改めた。このロードマップにより、ジオサイエンス・オーストラリアは施設に留まることができ、またReal ISは同施設をCharter Hallに3億6,350万ドルで売却、多大な利益を得ることができた。

この美しい建物の前途は明るく、将来性も明確になった。最終的な売却額はオーストラリア首都圏における不動産取引として過去最大規模となった。

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