事例紹介

テキサス最大級の集客力を誇るショッピングセンターの販売活動、売却先確保、資金調達に成功

オーナーであるハインズは、キャピタルスタック全体を網羅する多彩なサービスを提供できるグローバルな不動産アドバイザーに売却戦略を一任したいと考えていた。本取引の成約に重要な役割を果たしたのが、JLLのキャピタルマーケット事業部だった。

スポットライト

キャピタルマーケット事業部 – 投資物件売却、デット/エクイティアドバイザリー

場所

U.S

テキサス最大級の来客数を誇る複合用途のオープンエア型ショッピングセンター「RIM」。その年間来客数は、実にエッフェル塔の2倍に相当する。

この大規模施設の売却方針を固めたオーナーのハインズは、コロナ収束後の変化の激しい環境下で、施設の販売活動を効率化し、国内外の投資家の耳目を集めてくれるであろう、グローバルな不動産アドバイザーに売却戦略を一任したいと考えていた。

しかし、同施設が位置していたのは、テキサス州でも見過ごされがちな地域であるサンアントニオであった。果たしてハインズは、投資家を惹きつけ、魅力的な条件で成約することができたのだろうか?

サンアントニオの魅力をアピール

JLL キャピタルマーケット事業部では、サンアントニオを象徴する「工業地帯」のイメージを払拭し、テクノロジーを活用することで育まれつつあった「躍動感あふれる若者中心の街」という新たな側面に焦点を絞り、幅広い投資家層に訴求しようと思い切った策に打って出た。対象物件となるショッピングセンター「RIM」は、180万平方フィート(167,225m2)の複合用途地区の一角を占め、同地区内に住宅、オフィス、ホテルも整備されている。RIMは半径16Km に706,000人以上の住民が居住する商圏を有し、その多くはサンアントニオの高級住宅街となる。

買い手候補に対して、物件のセールスポイントを把握できる具体的かつ詳細なデータを提供する必要があったが、JLLキャピタルマーケット事業部が的確に対応した。

エッフェル塔を凌駕する集客力

JLLは「Placer AI」と呼ばれるモバイル追跡技術をベースにしたデジタルツールを導入し、RIMの来客数が年間1,400万人にのぼることを確認。これはエッフェル塔を訪れる観光客数の2倍に相当するもので、これまで正確な来客数データを計測してこなかった。こうしたデータに基づく具体的な状況説明や戦略的な売却活動が功を奏し、もともと知名度の低かった当該施設に対して投資家の期待が多いに高まることになった。さらに、投資家向けに現地視察ツアーを実施し、現地に常駐するJLLの専任チームがツアーに同行した。

有利な融資条件に実績

アイデアあふれる売却戦略の結果、19社が応札し、最終的にBig V Property Group(以下、Big V)とEquity Street Capitalの合弁事業体が落札、Kimco Realty Corp.(以下、Kimco)からの優先出資も決まった。この売却案件は、2021年のオープンエア型ショッピングセンターの取引としては米国最大規模(面積ベース)となった。JLLのエクイティアドバイザリーの専門家チームは、売却先の選定にとどまらず、新オーナーのために資金調達の支援も手がけ、期間3年の変動金利ノンリコースローンを確保した。

ハインズは物件売却の目的を達成した一方、BIG VとKimcoにとっては、テキサス州での事業拡大に向けた地盤固めとなった。今回の取引成約に際して、JLLならではの大胆かつ画期的なアプローチ、現地市場に精通したノウハウ・売却戦略に加え、投資家や資金調達先とのグローバルなネットワークの存在が重要な役割を果たした。

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