不動産のあらゆる専門知識を駆使し、英国の居住用不動産セクターで競争力のある取引を実現

カナダの投資・運営管理・開発会社であるQuadRealは610億ドルの資産ポートフォリオの拡大を検討した結果、ロンドンとマンチェスターに位置する大規模な住居施設開発プロジェクト「Project Harmony」に着目した。

英国の居住用不動産セクターは堅調に推移しており、高品質の住宅・学生寮の需給が逼迫していることから、グローバルで事業展開する機関投資家などの投資意欲がこれまで以上に高まっている。

同プロジェクトは、ロンドンの2つの敷地に分かれた399戸の学生寮と、ロンドンの5つの開発計画とマンチェスターの1つの開発計画による計936戸の賃貸住宅で構成され、投資家に安定した収入と、長期的な資産価値向上を享受できる貴重な投資機会を提供するものだ。

厳しい市場環境での複雑な取引

同プロジェクトは熾烈な取得競争が予想されたものの、QuadRealはコロナ禍に端を発した社会環境の変化、その後の政治・経済問題を受け、不確実性と厳しい資金調達環境に直面していた。

そして、大規模かつ複雑さを持つ同プロジェクトへ投資するためには、ポートフォリオの正確な評価をはじめ、収益性を確保するための綿密な調査に基づいた投資戦略の策定から資金調達の助言に至るまで、不動産に関するあらゆる専門知識を提供できるグローバルなアドバイザーが求められた。

不動産に関するあらゆる専門知識

JLLでは賃貸住宅市場、民間賃貸部門（PRS）管理、デットアドバイザリーの各チームが連携し、QuadRealに総合的な投資アドバイスを提供した。

取引成立の鍵となったのは、各資産に関する包括的な背景調査だった。住宅、学生寮、民間賃貸管理、デットアドバイザリーなどを専門とするJLLのエキスパートが協力し、経済・人口統計分析、地域の市場調査を実施した。

こうしたデューデリジェンス調査をもとに、投資チームは財務モデル、ポートフォリオ全体の成長予測を含めた綿密な報告書を作成した。この報告書を元に、QuadRealは市場の不確実性などのリスクを最小化しながら5億8,000万ポンド超の取引を成立させた。

画期的な取引を実現する

今回の取引は、初めて民間の賃貸住宅と学生寮を組み合わせたポートフォリオの1つとして、英国の居住用不動産セクターにおいて非常に大きな意味を持つ案件となった。

JLLの他の追随を許さない洞察力と様々な不動産セクターを網羅する専門知識に支えられ、QuadRealは活況を呈する英国の居住用不動産セクターに大きな足跡を残すことができた。

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