事例紹介

ダブリンで有力な賃貸専用住宅プラットフォームを構築する合弁事業を支援

十分な勝算ありとの判断の下、業界をリードする賃貸集合住宅(マルチファミリー)プラットフォームの規模拡大に乗り出したイーグルストリート。JLLは市場に精通したノウハウを駆使し、戦略パートナーと合弁事業による不動産投資ストラクチャーの構築をアドバイスした。

スポットライト

キャピタルマーケット - エクイティアドバイザリー

場所

欧州・中東・アフリカ

欧州全域を対象とした不動産投資・資産運用会社であるイーグルストリート(Eagle Street)は、業界トップクラスの賃貸集合住宅(マルチファミリー)プラットフォームの設立・拡大に乗り出すにあたって「勝算あり」と判断していた。

イーグルストリートの運用プラットフォーム「レジデントスペース(Resident Space)」は、高品質で手ごろな賃貸集合住宅の提供をめざしている。イーグルストリートには、人材も戦略も有望なパイプライン物件もあったが、投資戦略を計画的に実行するための資金調達を支援してくれるパートナーが必要だった。

複雑かつ戦略的な投資スキームを効果的に管理

JLLでは、EMEA(欧州・中東・アフリカ) エクイティアドバイザリーチームを中心に慎重な検討を重ね、イーグルストリートの戦略パートナーとして世界最大級の投資運用会社であるヌビーン・リアル・エステート(Nuveen Real Estate、以下ヌビーン)が最適と判断した。JLLは、影響力のあるアドバイザーとして両者から高く評価されており、イーグルストリートがパートナーを選定するにあたり、JLLの見解が決め手となった。また、多分野をカバーするJLLは、市場動向に精通したノウハウとパイプライン物件獲得の支援を組み合わせた戦略的な合弁事業(JV)による投資ストラクチャー構築のアドバイスを提供することになった。

ダブリン最大級となるJVの成長を支援

同プロジェクト第1号となったのが、アイルランド・ダブリンのプライムエリアで進められた住宅開発地区「キャッスルフォーブス(Castleforbes)」である。最大702戸の賃貸専用住宅(マルチファミリーBTR)物件の建築許可を取得済みだ。完成すれば、5億ユーロを超える評価額が見込まれ、ダブリンにおける史上最大級のBTRプロジェクトになる。

一方、プロジェクト規模とJVの成長計画を受けて、新たなパートナーの参画を要請するのが望ましいという判断に至った。その結果、医療系・地域サービス系の労働者を対象とするオーストラリア最大の年金基金であるHESTAがJVに参画することになった。

イーグルストリートの実績、JLLのアドバイザリーサービス、専門的なノウハウ、各方面との深いパイプや知見が組み合わさった結果、全当事者がこのパートナーシップの可能性に自信を深めている。

多用途のデジタル化住宅

ダブリンのノースドックランズのCBD(中心業務地区)に位置するキャッスルフォーブス開発地区は、ダブリン経済の中心であるとともに、地元企業やグローバル企業の本社にも近い。同開発地区には、賃貸物件のほか、コミュニティスペースや低所得者層向けの手ごろな公営住宅も含まれる。

すべての当事者にとって初のケース

民間の賃貸住宅セクターでアイルランド屈指の投資家の座をめざすイーグルストリートにとっては、今回の取引でその目論見が大きく前進した。同社では資産管理に「レジデントスペース」という運営プラットフォームを活用しており、ヌビーンやHESTAなどの支援の下、今後ダブリンで少なくとも5,000戸の住戸供給をめざしている。

投資運用会社であるヌビーンは、欧州で居住用不動産のポートフォリオ拡充をめざしており、今回の取引はダブリンでの賃貸用物件開発プロジェクト第1号となった。また、HESTAも今回の取引が欧州の居住用不動産セクターへの初の投資案件となった。同JVが規模を拡大し、プロジェクト開発件数を増やすにつれて、今後さらなるJV参画が見込まれる。

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