リサーチ
特別レポート:日銀の金利引き上げが国内不動産投資市場に与える影響
2024年7月31日、日本銀行は政策金利の誘導目標を15ベーシスポイント(bps)引上げ、0.25%とした。本レポートでは、金利上昇が不動産投資市場に与える影響について考察する。
2024年 09月 13日
直近の日銀の利上げにおける不動産投資市場への影響
進む「インフレ」に対する中央銀行としてのアクション
- 2024年7月31日、日本銀行は政策金利の誘導目標を15ベーシスポイント (bps)引き上げ、0.25%とした。日銀はさらなる金利上昇を行う可能 性について含みをもたせていましたが、これは2%を目標とした持続的 なインフレ状態を保持するためとされている
- 今回の金利引き上げは政策ならびにドル円市場の正常化を目指してお り、即座に円高への効果がみられたものの、株式市場は史上最大の暴 落を記録するなど、政策決定のタイミングに対して大きな議論を巻き 起こしたのは記憶にあたらしい
- 不動産投資市場に限って考察すると、融資のベースレートとなる3か月 TIBORなどは上昇に転じているものの、引き続き日本はレバレッジ効果 が得られる、世界でも唯一の投資市場であり続けている。よって特に 海外投資家の日本市場からの撤退の動きは現時点では見られておらず、今後もその動きはないものと考えられる
今後の金利上昇は賃金の上昇率がカギ
- 日本労働組合総連合会(連合)の調査によると、同会加盟社における賃金は30年ぶりの大 幅な賃上げとなっており、平均賃金引き上げ率は5.28%と、前年の3.6%と比較しても大き く上昇している
- この大幅な賃上げの背景には企業業績の好調さ、労働者不足、持続的なインフレに加え て岸田政権による賃上げを促す働きかけがあったと考えられる。一方でこれだけの賃金 引き上げがあったにもかかわらず、想定以上のスピードで進むインフレに追いつくには 不十分だったともいえよう
- こうした状況が日銀が2024年3月にマイナス金利政策を終了し、金利引き上げとなる大義 名分になったともいえる
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