グローバル不動産透明度インデックスは、JLLとラサールが有する不動産市場専門家の幅広いネットワークを活用したグローバル調査に基づいたレポートです。第13版は世界の89の国や地域、151都市を対象に256の指標を用いて市場の透明度を評価しており、海外で事業展開する企業に不可欠なガイドです。先行き不透明感が高まり、不動産業界においても急速な変化が見られる時代において、不動産透明度は今まで以上に重要となっています。
市場(各国)の不動産透明度
ご覧になりたい国を地図上でクリックするか、検索機能で国名を検索すると、該当市場のグローバルランキングとスコアが表示されます。「投資パフォーマンス測定」「市場ファンダメンタルズ」「上場法人のガバナンス」「規制・法制度」「取引プロセス」「サステナビリティ」の6つのサブインデックスについて各市場の強み及び弱点をご覧いただけます。
グローバル不動産透明度インデックスのご案内
透明度が最も高い国は?
25 年にわたる 13 回の改訂を通じて、JLL とラサールの不動産透明度インデックスは、市場の透明性を評価するための不動産業界で最も広く使用されているベンチマークとして確立されており、国境を越えた投資家、オーナー、デベロッパー、テナント、さらに国際的なベンチマークを探している政府や業界団体もにとって不可欠なガイドとなっています。
2024 版インデックスは、投資パフォーマンスのベンチマークや市場データから取引プロセス、さらに持続可能性の指標に至るまで、不動産市場の透明性を決定する幅広いトピックをカバーしています。この最新版には 89 の国と地域の 151 都市が含まれており、不動産透明度に関する独自の世界全体像を示しています。
最も透明度が高い市場はさらに改善し、次のサイクルのけん引役に
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最も透明度が高い市場は、2024年版グローバル不動産透明度インデックス(GRETI)で最も大きく透明度を改善し、テクノロジーの融合、より詳細なデータ可用性、気候変動関連の報告について新たなベンチマークを担っている。米国、カナダ、フランス、オーストラリアは世界で最も透明度が向上し、シンガポールは特にサステナビリティとデジタルサービスが改善したことで初めて透明度「高」グループ入りした。これら上位国には、過去2年間で世界の商業用不動産への直接投資の80%超となる1.2兆米ドルを超える投資が集まった。これらの市場はリスクの低さと、成長不動産セクターでの需要と価格関係の透明度の高さから、投資市場が活性化する過程でいち早く流動性が回復している。
透明度「高」以外の市場でも、アジア太平洋地域のインド、中国の主要都市、韓国、中東及び北アフリカ(MENA)のアラブ首長国連邦とサウジアラビア等、いくつかの国で透明度が改善し、高度な制度化が進んでいることは、長期的に有望な見通しを示している。これらの市場では今後10年間で大規模な都市インフラの拡大が必要となるが、合計でも2022年以降の世界的投資のわずか6%しか集めておらず、透明度が向上するにつれて大きな投資機会が得られることを示している。その他の地域では透明度改善は限定的であり、ランキングが低い国々では透明度の格差縮小のペースを加速させる必要がある。
AIは透明度を向上させ、競争優位性をもたらしている
生成AIの普及により、テクノロジーが不動産に与える影響への期待が大きく高まっている。AIへの投資は急増しており、その応用はほとんどが研究開発段階にもかかわらず、既に業界全体の透明度を向上させている。膨大な法的文書の検証と要約、物件管理の自動化、インタラクティブな都市・建築デザインの推進など、かつてない速度で詳細な評価や分析を可能としている。例えばJLLでは世界の投資市場での投資機会5件のうち1件を既にAIプラットフォームが特定している。しかし、AIがもたらす価値を十分に引き出すためには、モデルに入力する標準化データを適切に捕捉する設計とガバナンス構築のために相当な労力と投資が必要とされ、多くの企業や政府はまだ実現できていない。こうした能力が確立されるにつれて、AIは生産性と透明度を大きく改善させる可能性を持っている。
サステナビリティの透明度は投資家とテナントにとっての転換点へ
パリ協定に即して、2030年までに世界の二酸化炭素排出量を半減させるという期限が迫り、より多くの国や都市が長期的な脱炭素化へ向けた義務付けを拡大する中で、サステナビリティ透明度の重要性が高まっている。新たな建物のエネルギー性能基準や、サステナビリティ情報の開示の義務化、企業のコミットメントの増加により、サステナビリティは2024年版不動産透明度調査で透明度が最も改善した要素となった。
しかし、これまでの進歩にもかかわらず、サステナビリティ指標は依然として世界的に最も透明度が低い指標になっている。多くの企業は不動産ポートフォリオの二酸化炭素排出量の実績値、建物の環境性能、気候変動関連リスクを把握する初期段階にあり、標準化された情報や事務手続きの欠如がデータの質やグリーンウォッシングの懸念につながっている。フランス、日本、米国の有力都市、英国といった環境不動産への長期的な道筋が明らかな市場が、透明かつ予測可能な環境を提供することで、低炭素建物の大幅な供給不足に対応し、テナントが自信をもって立地やスペースに関する意思決定を行い、政府が脱炭素化目標を達成し、投資家が将来的に安定したポートフォリオを確立することを可能にする。
次の不動産透明度は?
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不動産投資家やデベロッパー、企業テナントに最も透明度が高い運用環境を提供するのはどの国なのか。ぜひ全文をダウンロードしてご確認ください。グローバルランキング全体を確認して世界の不動産透明度向上の主な牽引要素についてご覧いただけます。