東京オフィスマーケットサマリー 2023年第4四半期
2023年第4四半期の不動産市場(東京Aグレードオフィス)の需要、供給、賃料、価格、投資市場、今後の見通しをまとめています。
東京オフィス市場:空室率は若干の改善、賃料下落はほぼ横ばい
経済
12月の短観によると、大企業製造業の業況判断 は12ポイントと原材料高の一服と半導体供給不 足の解消により、3四半期連続で改善となった。 大企業非製造業の業況判断は30ポイントと7四 半期連続の改善で32年ぶりの記録的な高水準と なった。引き続き賃金の上昇と訪日外国人の増 加が回復に寄与した。
東京オフィスマーケットの需要と供給
第4四半期の東京Aグレードオフィス市場のネッ トアブゾープションは大型の新規供給があった ため84,700㎡となった。業種別にみると、情報 通信業、金融業、保険業、製造業が牽引した。 第4四半期は1棟のAグレードオフィスビルが竣 工し、ストックは前期比1.0%の増加となった。 新築ビルは、渋谷サクラステージ SHIBUYA タワーであった。2023年通年の新規供給はJLL の 統 計 開 始 以 来 過 去 3 番 目 に 大 き い 水 準 618,000㎡となった。
第4四半期末時点の東京Aグレードオフィス市場 の空室率は4.6%となり、前期比0.1ポイントの 低下、前年比0.9ポイントの上昇となった。
東京オフィスの投資市場:利回りに変化なく価格下落続く
賃料と価格
第4四半期の東京Aグレードオフィス市場にお ける賃料は前期比0.1%の下落、前年比3.2%の 下落となり月額坪当たり33,563円、15四半期連 続の下落となった。サブマーケット別にみると、 大手町・丸の内、赤坂・六本木の両サブマー ケットにおいて下落したものの、下落は前四半 期に比べると減速している。
投資市場
第4四半期の東京オフィスの投資総額は前期比 3.3%増、前年比90%減の594億円となった。今 期における主要取引には、三菱地所系のジャパ ンリアルエステイト投資法人のシーバンスS棟 の22億9,000万円の追加取得でNOI利回りは 4.1%であった。