東京オフィスマーケットサマリー 2023年第3四半期
2023年第3四半期の不動産市場(東京Aグレードオフィス)の動向をまとめています。
東京オフィス市場の動向:空室率は僅かに改善、賃料下落続く
経済
9月の短観によると、大企業製造業の業況 判断DIは9と、2四半期連続で上昇となっ た。自動車の輸出が回復したこと等が寄与 した。大企業非製造業の業況判断DIは27と 6四半期連続の上昇となった。賃金の上昇 と訪日外国人の増加が国内需要を促し、経 済回復となっている。
需要と供給
第3四半期の東京Aグレードオフィス市場の ネットアブゾープションは新規供給と既存 ビルの改善によって、2022年通年の112% 相当の110,000㎡となった。業種別にみる と、情報通信業、金融業・保険業、製造業 が牽引した。
第3四半期は1棟のAグレードオフィスビル が竣工し、ストックは前期比1.0%の増加と なった。新築ビルは、虎ノ門ステーション タワーであった。2023年通年の新規供給は JLLの統計開始以来過去2番目に大きい水準 となっており、今四半期時点で80%が竣工 済みとなった。
第3四半期末時点の東京Aグレードオフィス 市場の空室率は4.7%となり、前期比0.1ポ イントの減少、前年比0.5ポイントの上昇と なった。空室率は2四半期ぶりの減少とな り、大型の新規供給の回復も寄与した。サ ブマーケット別でみると、丸の内・大手町 と赤坂・六本木の空室率が減少した。
東京オフィス投資市場の動向:利回りに変化はなく価格は緩やかに減少
賃料と価格
第3四半期の東京Aグレードオフィス市場に おける賃料は月額坪当たり33,585円と、前 期比1.0%の下落、前年比4.1%の下落とな り、14四半期連続の減少となった。サブ マーケット別にみると、大手町・丸の内、 赤坂・六本木の全サブマーケットにおいて 減少した。
第3四半期の価格は前期比1.5%、前年同月 比2.0%と3四半期連続の下落となった。投 資利回りは安定的に推移しているものの、 賃料下落が続いている。