福岡オフィスマーケットサマリー 2023年第4四半期
2023年第4四半期の福岡Aグレードオフィスの需要、供給、賃料、価格、投資市場、今後の見通しをまとめています。
福岡のオフィス市場:供給ラッシュが続くも、需要は底堅い
経済
2023年12月の九州・沖縄短観によると、大 企業製造業の業況判断は7ポイント上昇し 16ポイントとなった。大企業非製造業も2 期連続で改善し32ポイントとなり、引き続 き2019年のコロナ禍以前の水準を上回った。 設備投資も増加しており、2023年度は、製 造業・非製造業ともに前年を大幅に上回る 水準となる見込である 。
福岡オフィスマーケットの需要と供給
第4四半期の福岡Aグレードオフィス市場の ネットアブゾープションは2,100㎡となった。 電力・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、 製造業で拡張移転 がみられた。通年のネッ トアブゾープションは37,000㎡となり、前 年比2,200㎡ の増加となった。 第4四半期に福岡Aグレードオフィス市場 に新規供給はみられなかった。
第4四半期の福岡のAグレードオフィス市場 の空室率は6.4%となり、前期比0.5ポイン トの低下、前年比4.1ポイントの上昇となっ た。祇園・呉服町・中洲と天神・赤坂・薬 院エリアの新規供給物件の空室消化が空室 率の低下に反映した。
福岡のオフィス投資市場:投資家の投資意欲の高さは継続
賃料と価格
第4四半期の福岡Aグレードオフィス市場の 賃料は月額坪当たり19,975円となり、前期 比0.7%の上昇、前年比2.9%の上昇となった。 四半期の上昇ペースは前期の0.04%の上昇 から加速し、2四半期連続の上昇となった。 博多駅周辺エリアの既存ビルに対する需要 が堅調で、同エリアの需給のひっ迫が賃料 上昇をけん引した。
投資総額
第4四半期に福岡県においてオフィス不動 産の投資事例は確認されなかった。通年の 投資総額は671億円となり、前年比201.3% の増加となった。前年の42.9%の増加から 加速し、3年連続の増加となった。
今後の見通し
12月のオックスフォード・エコノミクス の経済成長予測によれば、福岡市の実質 GDP成長率は2024年に0.9%増 に減速する 見通しとなっている。一方で、同年の完全 失業率は3.0%に低下する見通しである。 リスク要因には、海外経済の動向や物価上 昇によるコスト高による経済への影響が挙 げられる。