2018年第3四半期 東京ロジスティクス市場
東京圏の空室は前期比0.7ポイント上昇の5.1%、新規供給の空室を反映
総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河西 利信)は、東京圏※1のロジスティクス市場2018年第3四半期の動向をまとめました。
空室率
東京圏の空室率は5.1%、前期比0.7ポイント上昇、前年同期比0.9ポイント上昇となった。東京ベイエリア※2の空室率は、前期比0.1ポイント上昇、前年同期比1.6ポイント低下の0.1%となった一方、内陸エリア※3は7.9%となり、前期比1.0ポイント上昇、前年同期比1.9ポイント上昇となった。
賃料
東京圏の賃料※4は月額坪当たり4,228円、前期比0.3%上昇、前年同期比0.7%上昇となった。立地に優れる東京ベイエリアの新規供給の賃料水準が上昇を牽引した。東京ベイエリアは前期比1.6%上昇、前年同期比2.3%上昇、内陸エリアは前期比0.3%下落、前年同期比0.8%上昇となった。
価格
東京圏の価格は前期比2.7%上昇、前年同期比2.8%上昇となった。緩やかな賃料上昇と投資利回りの低下を反映した。
見通し
賃貸市場では、堅調な需要が新規供給を吸収しており、竣工時の稼働率も好調となっていることから、大規模供給により懸念された空室率の上昇は限定的となる見通し。一方賃料は、今後の供給予定の多くが内陸エリアに立地していることを反映して、全体平均が小幅ながら下落する可能性がある。投資市場では、投資利回りの低下を背景に、価格は上昇基調を維持する見通し。
東京ロジスティクスマーケットサマリーは四半期ごとに発表予定です。
なお、四半期ごとに発表している「ロジスティクス プロパティ クロック※5」は11月初旬に公表予定です。
【補足】
※1 東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の一部)の新型物流施設
※2 東京ベイエリア:東京都、神奈川県、千葉県の東京湾に近い物流エリア(大田区、江東区、横浜、市川など)
※3 東京内陸エリア:東京圏のうち、東京ベイエリア以外の内陸物流エリア(八王子、厚木、柏、川島など)
※4 月額坪あたりの賃料、共益費込
※5 世界の主要都市の賃料動向を時計に見立てて“見える化”したJLL独自の市場分析ツール、四半期ごとに発表。