ニュースリリース

JLLグローバル投資家調査、アジア太平洋地域の不動産投資は2021年に早くも回復へ

日本、オーストラリア、韓国、中国での投資がさらに拡大

新型コロナの影響により投資家は投資戦略や優先順位を再考

2020年 10月 05日

(2020年8月21日にシンガポールから発表されたリリースの抄訳版です)

東京 2020年10月5日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社:米国シカゴ、CEO:クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL、以下: JLL)がグローバル投資家を対象に実施したアンケート調査によると、新型コロナウイルスによる先行きの不透明感により、投資家はアジア太平洋地域における投資戦略を再考し、コア地域への投資に注力、新型コロナ以前からの投資トレンドがさらに加速しました。投資家は、不確実性の環境下でも、2021年上半期のアジア太平洋地域の投資額は回復するとみています。

本調査は、約2兆米ドルの資産を運用する38のグローバル投資家を対象に実施※1したものです。

調査結果によると、84%が2021年前半中に投資額が回復すると見込んでいます。さらに細かくみると、32%が2020年下半期、52%が2021年上半期までに回復するとしています。多くの投資家が今後半年から1年の間での回復を見込む中で、日本、韓国、中国、オーストラリアへの投資が増加するとみています。回答者の約56%が、2021年末までに日本への投資拡大を計画していると回答しており、多くの投資家は収入とキャピタルバリューが比較的安定しており、不安定な状況においてより確実なリターンを提供する日本を安全な「セーフヘイブン」と捉えています。

JLL アジアパシフィック キャピタルマーケット CEO スチュアート・クロウは「日々投資家と接する中で、いま投資家は、好立地や安定的な家賃収入が得られるセクターへの投資機会を模索しています。日本、韓国、そして賃貸集合住宅や生活必需品を扱うリテールや物流に対する投資需要は、引き続き高い状況です。投資活動が活発化し、コロナ禍においても価値ある物件があれば、投資家がとれるリスクも広がるでしょう」と述べています。

投資家は、2020年第3四半期における投資の最大の難関は市場環境の予測の難しさと回答しています。約60%の回答者が、コロナ禍において取引を一時停止する要因として価格を算出するにあたって必要となる想定賃料や空室率などの不透明感を多くの投資家が挙げています。JLLは、投資家が2021年にむけてアジア太平洋地域の投資戦略を見直すうえでカギとなる動きをまとめました。

  • 新型コロナウイルスにより、感染拡大以前から続いている投資トレンドがさらに加速

投資家は、現在から2021年末までに、物流(81%)、賃貸集合住宅(58%)、オルタナティブ資産※2(44%)への投資を加速させると回答した。

  •  キャピタルバリューの確保に注力

回答者の約82%が、2021年末までにオフィスなどのコア資産への投資を維持または拡大するとしており、縮小すると回答したのは6%にとどまった。

  • コア資産以外への投資拡大

コア資産への投資が中心となるものの、コア資産の取得機会が非常に限定的であることや、相対的なリスクやボラティリティの調整を図るため、2021年末までに42%がコアプラス資産、49%がバリューアッド資産への投資も拡大すると回答した。

  • 投資の多様化を図る

多くの投資家にとって、今後も主要な投資方法は非公開での直接投資である一方で、より多くの不動産に関わる機会や投資手段の多様化を図っている。32%が投資プラットフォームや企業間取引の機会を増やすと回答、29%が債券市場を活用すると回答した。

JLL アジアパシフィック チーフ リサーチ オフィサー ロディ・アランは次のように述べています。

「新型コロナウイルスの感染拡大により、不動産に対する投資家の投資姿勢が変化しています。不透明な環境下では、より安定したリスク特性をもつ資産への投資にシフトする傾向にありますが、投資家はアジア太平洋地域において、長期投資かつ投資の多様化を図り、投資手段についても再考(re-imagine)しています」

JLL日本 執行役員 キャピタルマーケット事業部長 根岸 憲一は次のように述べています。

「投資家も金融機関も手元に潤沢な資金があり、それを積極的に不動産に振り向けています。この点が10年前の世界金融危機時と大きく異なります。日本においては、新型コロナウイルスの感染が拡大する前からオフィス、賃貸集合住宅、物流施設への投資意欲が旺盛でしたが、コロナ禍ではその傾向に拍車がかかりました。日本市場の安心感と安定感が海外資本を惹きつけ、コロナ禍においても例年以上に海外資本による取得案件が際立っています」

本レポートの詳細は、こちらをご覧ください(英語のみ)。

※1 2020年6月後半から7月に実施

※2 オルタナティブ不動産:非伝統的な不動産資産、データセンター、学生寮、高齢者向け施設、トランクルームなど

JLLについて

JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。JLLは、最先端テクノロジーを駆使して、お客様や人々、コミュニティーに対し、投資機会や環境に配慮した持続可能な不動産ソリューションを提供することで、不動産の未来をかたちづくり、よりよい世界に貢献します。

フォーチュン500に選出されているJLLは、2020年6月30日現在、世界80ヵ国で展開、従業員約93,000名を擁し、売上高は180億米ドルです。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。jll.com