ニュースリリース

JLL、世界86都市のプレミアムオフィスビル賃料を比較

コロナ禍でもプレミアムオフィス賃料は市場全体よりも高い耐性を示す

2021年 02月 02日

東京 2021年2月2日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社:米国シカゴ、CEO:クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL、以下: JLL)は、世界の不動産市場におけるプレミアムオフィスビル(最優良オフィスビル※1)の賃料(賃借コスト)を比較、分析したレポート「JLL 世界オフィス賃料調査(プレミアム オフィス レント トラッカー、Premium Office Rent Tracker: PORT)」の日本語版を発表しました。

本レポートは、各都市のプレミアムオフィス地区内にある最優良オフィスビル内の10,000平方フィート超(約1,000㎡超)のスペースを想定し、正味実効賃料、共益サービス費用、賃料に対する税金という賃借コストの主要素で構成される「最大可能」な賃料を比較、分析しています。賃貸可能面積ベースで全世界のオフィス賃料を標準化することにより、オフィス占有コストの相対的な国際比較が可能になります。第6版※2では、世界86都市のオフィス市場、計100のサブマーケットを対象としています。

過去1年間(2019年10月‐2020年9月)のプレミアムオフィスビルの賃料は、現地通貨ベースで平均3.0%下落した一方で、Aグレードオフィス市場全体の賃料は5.2%下落しました。プレミアムオフィスは、コラボレーションやイノベーションスペースなどコロナ禍以前からのオフィストレンドであるオフィス要件に加え、「ニューノーマル」に適応するためのオフィス要件も備えており、コロナ禍でも高い耐性を示しています。

世界でも最も高額な市場におけるオフィス賃借コストは、2019年と比較して下落または横ばいとなっています。香港 - 中環(セントラル)の賃料(世界で最も高額)は、過去1年間で20%以上下落した一方、ニューヨーク - ミッドタウン(第2位)ではプレミアムオフィスの供給により賃料のベンチマークが引き上げられ、香港 - 中環とニューヨーク - ミッドタウンの格差は2019年の約50%から2%へと大幅に縮小しました。

日本の都市では、東京 - 丸の内(第5位)、東京 - 渋谷(第8位)、東京 - 新宿(第10位)が世界の上位10都市内にランクインしています。名古屋(第12位)、大阪(第21位)、福岡(第35位)は前回から順位を上げており、コロナ禍以前から低い空室率と限定的な供給を背景に賃料が好調に上昇していたことを反映しています※3

JLL日本 執行役員 オフィス リーシング アドバイザリー事業部 事業部長 ニール ヒッチンは次のように述べています。

「新型コロナウィルスは世界経済に大きな影響を及ぼしていますが、企業の事業環境も刻々と変化しています。企業のオフィスに対する考え方にも変化が見られつつあり、多くの企業が先行き不透明感によりコスト意識を高めている一方、高い生産性の維持、従業員の健康・柔軟な働き方への対応にも迫られています。企業のオフィス戦略は以前にも増して重要なものとなっており、将来の企業活動のあり方を決定するといっても過言ではありません。

世界各都市ならびに同一都市内のオフィス賃料を比較可能な本レポートを作成するJLLは、各市場に精通する専門家集団です。社会・経済全体が、そしてオフィス市場が大きな変化の過程にあるなか、コロナ禍における対応やコロナ後のニューノーマルに向けての戦略策定を含むオフィス賃貸借、拠点配置に関する有用なアドバイザーとして、お客様へ優良なサービスを提供していく所存です」

JLL日本 リサーチ事業部長 赤城 威志は次のように述べています。

「本レポートは世界主要都市における最優良オフィスビルの賃料を調査・分析したものです。各国、各地域の異なる法制度・商慣習を反映し直接比較することが困難なオフィス賃料を、同一の基準・尺度で標準化することによりその国際間比較を可能にしています。そして、世界に事業を展開しオフィスを構える企業や世界の不動産市場に投資を行う投資主体の事業判断に資することを目的としています。

新型コロナウィルスの影響により世界のオフィス市場が流動的で不安定な状況にありますが、プレミアムオフィスビルは市場全体の動向変化に比べて高い耐性、強靭性を示しています。現在、企業が意思決定を留保し様子見姿勢を見せながらも、新しいワークプレイス戦略を模索するなか、プレミアムオフィスビルは企業のコラボレーション、イノベーション、ブランドイメージを創出するものとしてその重要性を失わないものと考えられます」

※1 JLLが定義するその地区で最も優良なビル。非開示。

※2 日本語版は第6版から作成しています。今後年1回発行予定。

※3 2019年版では名古屋、大阪、福岡はそれぞれ19位、25位、37位。東京3市場は今回と同順位。

JLLについて

JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。JLLは、最先端テクノロジーを駆使して、お客様や人々、コミュニティーに対し、投資機会や環境に配慮した持続可能な不動産ソリューションを提供することで、不動産の未来をかたちづくり、よりよい世界に貢献します。

フォーチュン500に選出されているJLLは、2020年9月30日現在、世界80ヵ国で展開、従業員約92,000名を擁し、売上高は180億米ドルです。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。jll.com