リサーチ
新たな成長市場:データセンターの台頭
アジア太平洋地域におけるデータセンターの市場規模は2021年に1,630億米ドルに達するとされ、2017年から30%近くの成長が予測されています。本レポートでは、データセンター市場の投資機会とその課題を理解するために日本をはじめとする成熟市場・新興市場の現状と今後の見通しについて分析しました。
2021年 03月 16日
インターネットやスマートフォンの普及が進み、SNS、オンラインゲーム、動画配信、ビッグデータの利用が拡大する中、コロナ禍における在宅勤務の浸透、巣ごもり需要の拡大など、IPトラフィックの増加に拍車をかけた。ITサービスに必要不可欠なインフラであるデータセンターの需要はアジア太平洋地域全域で拡大している。
ホスティング、ストレージ、およびクラウドコンピューティングサービスの市場規模は、2021年に1,630億米ドルに達するとされ、2017年から30%近い成長が予測されている。アジア太平洋地域におけるクラウドの通信量は同期間中に150%以上増加する見通しである。
アジア太平洋地域におけるデータセンター市場は日本をはじめとする成熟市場がデータセンターセクター全体の成長をけん引している。日本は電力供給を含むインフラが安定していること、質の高い労働力を確保しやすい点など、アジア太平洋地域における重要なデータ保管場所としても注目されており、国外のデータセンター事業者が関東圏や関西圏に相次いで参入しつつある。
一方、世界有数の人口を抱える中国、インド、インドネシアはデータセンター新興市場としてデータセンターの開発が進められ、不動産投資家やデータセンター事業者は適切な投資機会を見極めることが重要な焦点となっている。