ニュースリリース

【参考資料】JLL オフィス プロパティ クロック 2022年第4四半期

東京、大阪、福岡ともに、引き続き「賃料下落」フェーズ

2023年 03月 22日

東京 2023年3月22日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社: 米国シカゴ、CEO & プレジデント: クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL)世界主要都市のオフィス賃料動向を示す独自の分析ツール「オフィス プロパティ クロック(不動産時計)2022年第4四半期」を発表しました。

東京、大阪、福岡※1のAグレードオフィス賃料は、ともに「賃料下落」フェーズに位置しています。

JLL日本 リサーチ事業部長 赤城 威志は次のように述べています。

「12月の大企業の業況判断をみると、製造業が4期連続の悪化となった一方で、非製造業が改善しています。こうした企業のセンチメントを背景に、2022年第4四半期の実質GDP成長率(季節調整済み年率換算)は前期比0.1%増に下方修正され、ほぼ横ばいとなりました。設備投資は減少となりました。

2022年第4四半期の東京、大阪、福岡のAグレードオフィス市場は、引き続き賃料の下落フェーズに位置しています。3市場とも空室率は2-3%台となりましたが、その変動はまちまちで、東京は3四半期ぶりの低下、大阪では3四半期連続低下、福岡ではわずかながら3四半期連続の上昇傾向となっています。賃料は、東京と大阪で下落が続き、福岡では前年比上昇となっているものの、3市場ともインセンティブの拡大傾向が実効賃料を下押ししています。今後は、3市場すべてで比較的大量供給が予定されていることから、賃料は緩やかな下落傾向が続く可能性はありますが、潤沢な供給による市場活動の活発化が期待されます。

投資市場では、2022年第4四半期の投資額が前年同期比138%の増加となりました。東京に所在するAグレードオフィスの大手町プレイス(区分所有)が市場に供給され、統計開始以来最高の価格で取引されたことで、投資総額は大きく押し上げられました。2022年の投資総額をセクター別にみると、オフィスが46%を占め、次にロジスティクスが17%、リテールが13%、レジデンシャルが12%と続きます。今後は、国内投資家による投資意欲は依然旺盛である一方で、当面良好な資金調達環境が続く見通しで、海外投資家にとっても、金融引き締めを背景にネガティブスプレッドが起こっている市場と相対的に日本市場の魅力が高まっていることに加えて、昨今の円安傾向も注目されていることから、供給増加による市場の活発化が期待されます。

グローバルオフィス市場では、オフィス利用の構造的変化と循環的な課題とが相まって、3地域すべてで賃貸借活動が前期比減少しました。減少幅を見ると、アジア太平洋地域が最大となっており(-30.8%)、次いで欧州(-22.6%)、米国(-8.8%)が続きました。さりながら、テナントはアップグレード移転を行っているため、質の高いプレミアムオフィスはアウトパフォームしています。当社の2023年の見通しは、オフィス需要は上半期に控えめに推移し、下半期に緩やかに回復すると比較的保守的な予想を立てていますが、慎重姿勢が根強い環境下であっても、質への逃避はプレミアムオフィス需要を下支えするものと考えられます。

グローバルロジスティクス市場では、経済的な逆風が吹く中、3地域すべてで需要が減退し、前期に引き続き、テナントがより慎重姿勢を取り始めている兆候が見られました。市場のファンダメンタルズは依然として健全で空室率は低く、賃料は上昇していますが、逆風がさらに吹き付ける中、需要は鈍化が続くと考えられます。

グローバルリテール市場では、2022年第4四半期の出店需要は、地域によりまちまちとなりました。米国では、前四半期は減速したものの当四半期は持ち直し、アジア太平洋地域の市場でも引き続き健全な状態が続いています。欧州のほとんどの市場では需要が減退しましたが、国際的な小売業者は引き続き視認性の高い、高品質なスペースを選別的に探しています」

※1 福岡Aグレードオフィス賃料の発表は2021年第1四半期から開始

【ご参考】

JLLプロパティ クロック(不動産時計)とは?

世界の主要都市の賃料動向を時計に見立てて「見える化」したJLL独自の市場分析ツールで、四半期ごとに発表しています。賃料が概ね①賃料下落の加速、②賃料下落の減速(→底入れ)、③賃料上昇の加速、④賃料上昇の減速(→頭打ち)、というサイクルで変動することを前提とし、現在の賃料がそのサイクルのどこに位置するかを表示することで、世界主要都市の賃料サイクルを示しています。

JLL Aグレードオフィス定義


JLLについて

JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。JLLは、最先端のテクノロジーを活用した価値ある機会、優良なスペース、環境に配慮した持続可能な施策をお客様、人々、コミュニティに提供し、不動産の未来を拓く取り組みを進めています。フォーチュン500に選出されているJLLは、2022年12月31日現在、世界80ヵ国で展開、従業員約103,000名を擁し、年間売上高は209億米ドルです。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。jll.com