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物流拠点の整備は「総合設計」の観点で

高度経済成長の追い風を受けて、日本企業は1970年-1980年代に物流拠点の整備に多額の投資を行ったという。それから30年。施設の老朽化やEコマースへの対応などを理由に物流戦略の見直しに迫られている。

2018年 05月 23日

とりまとめが困難な物流戦略

物流施設の再整備に向けて物流戦略の立案、それに合致した立地・拠点規模の選定、業務効率を最大化するマテハン設備の設計など、長期間にわたり専門性の高い諸作業を積み重ねていくことになるが、経営コンサルタント、設計会社、マテハンメーカー、リーシング会社など、多くの協力会社が関わってくる。施主がプロジェクト全体を取りまとめるのは骨が折れ、さらに協力会社が自らの「専門性」を全面に打ち出した個別提案を精査し、最適解を導き出さなくてはいけない。企業の物流戦略において多数のコンサル実績を有するJLL日本 サプライチェーン&ロジスティクスコンサルティング事業部 事業部長 鈴木博之は「以前の日本企業には物流戦略の専門チームを内製化していたが、手掛ける案件自体が少なく、アウトソーシングが主流になった。そのため、社内にノウハウが蓄積されず、協力会社の言いなりになる可能性は決して低くない」と問題点を指摘する。そもそも、物流拠点の開発には数十億円~数百億円の投資が必要になるが、その開発費が妥当であるかどうか、同じく過剰設備かどうかさえ判断できないという。

複雑な諸作業を一気通貫

では、物流戦略の見直しはいかに進めていくべきだろうか。鈴木は戦略策定から実行まで一貫して支援する「総合設計」のメリットを強調する。JLLが提供している「総合設計」は物流戦略の立案からマテハン設備の設計、稼働後の生産性向上支援コンサルまで、物流施設立ち上げに関わる一連の業務を一気通貫で対応する。前述した通り、協力会社が複数存在すると「船頭多くして船山にのぼる」状態に陥る可能性が高い。一方、総合設計はJLLが事業主と共に事業全般を監理し、クライアントの業務効率を最大化することを目的とする。システム系コンサルティング会社等にありがちなシステム導入を前提とした戦略の立案等は行わない。また各専門分野において豊富な実務経験を有する少数精鋭のプロフェッショナルでチームを編成。調査業務に時間を要することなく、迅速かつ的確な意思決定が可能となり、円滑にプロジェクトを進めることができる。鈴木は「物流施設は30年、40年使い続けるため、経営戦略の土台を担うものでなければいけない。事業の拡張・縮退に対応できる柔軟性のある物流拠点を提供できる」と自信のほどをのぞかせる。

JLLでは2017年6月に、クライアントが抱える多様な悩みに対して包括的なソリューションを提供するべく、売買仲介、テナントレップ、リーシング、プロジェクト開発、運用管理、サプライチェーン、鑑定、リサーチ、マーケティング部門のメンバーで部門を横断した「物流不動産専門組織」を設立。企業の物流戦略を一気通貫で支援していく。

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