JLL、ジャパン プロパティ ダイジェスト 2019年第3四半期を発表

空室率 東京Aグレードオフィスは0.6%、大阪Aグレードオフィスは0.2%

2019年 12月 16日

東京 2019年12月16日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河西 利信)は日本のオフィス、リテール(店舗)、ロジスティクス(物流)、ホテル市場の空室・賃料・価格動向、需要・供給動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト2019年第3四半期」を発表しました。

セクター別の概要は、以下の通りです。

東京のAグレードオフィス市場※1

空室率:

2四半期連続で1%を下回る

空室率は0.6%となり、前期比0.1ポイント、前年比0.9ポイント低下となり、2四半期連続で1%を下回る水準となった。中心業務地区全体で既存・新規とも極めて供給が限定的となる中、大手町・丸の内における新築物件の成約がじわじわと進んでいる。

賃料:

30四半期連続の上昇

月額坪あたり39,536円(共益費込)、前期比0.7%、前年比5.0%上昇となった。30四半期連続で上昇したものの、上昇ペースは減速した。渋谷、新宿を含むサブマーケットが上昇を牽引した。

価格:

前期比4.6%上昇、前年比15.0%上昇、賃料上昇と投資利回りの低下を反映した。

12ヵ月見通し:

賃料、価格ともに上昇するも減速する見通し

賃貸市場は、低位な空室率を背景に、賃料は年末にかけて緩やかに上昇すると予測されるが、2020年以降は若干調整される可能性がある。投資市場は、投資利回りが2020年に一層低下する可能性があるものの、価格の上昇ペースは減速する見通し。

※1 東京の中心業務地区(CBD):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区

大阪のAグレードオフィス市場※2

空室率:

2四半期連続で最低水準を更新

空室率は0.2%、前期比0.1ポイント低下、前年比0.9ポイント低下となった。JLL調査開始(2004年末)以来最も低い水準を2四半期連続で更新した。

賃料:

6四半期連続で対前年比上昇率10%を超える大幅な上昇

月額坪あたり22,585円(共益費込)、前期比3.2%、前年比11.4%上昇となった。21四半期連続で上昇し、上昇ペースも前四半期より加速した。中心業務地区全体で上昇がみられた。

価格:

24四半期連続上昇

価格は前期比8.6%上昇、前年比31.2%上昇となった。賃料上昇と投資利回りの低下を反映し、上昇ペースは加速した。投資利回りはJLL 調査開始(2003 年末)以来の過去最低値を2四半期連続で更新した。

12ヵ月見通し:

賃料、価格ともに上昇

賃貸市場は、今後の供給が極めて限定的であることから、空室率は引き続き低い水準で推移し、賃料の上昇モメンタムを下支えする見通し。投資市場は、投資利回りは一層の低下余地があるとみられることから、これと賃料上昇を反映して価格は上昇する見通し。

※2 大阪の中心業務地区(CBD):中央区、北区

JLLリサーチ事業部長 赤城 威志は、次のように述べています。

「景気は輸出を中心に弱さが長引いているものの、労働需給は引き続き逼迫しています。こうした状況の中で、東京と大阪のAグレードオフィス市場は前期に引き続き堅調となりました。東京では、旺盛な需要が今後の供給予定までも吸収し、既存・新規とも供給面積が限定的となっていることを背景に、空室率は0.6%に低下、年初からの賃料上昇率は前年同期を上回る水準となりました。大阪では、堅調な需要ときわめて限定的な新規供給を背景に、空室率は年初以来1%を下回る水準で推移、賃料の前年比上昇率が6四半期連続10%を上回るオーナー優位の市場が継続しています。今後東京は、新規供給を背景に賃料上昇に下押し圧力が加えられ、大阪は需給の逼迫の継続を背景に引き続き賃料は上押し圧力が継続する見通しです。投資市場では、商業用不動産直接投資総額は引き続き好調となりました。価格上昇の折J-REITによる取得は減少しているものの、投資家の旺盛な投資意欲と良好な資金調達環境を背景に、国内外の投資家は活発な投資を続けています。今後は、投資市場は引き続き活況となり、2019年の投資市場は前年並みから前年比増となる見通しです」

東京のリテール(店舗)市場※3

賃料:

銀座空中階賃料が上昇をけん引

賃料は月額坪当たり81,872 円、前期比1.1%上昇、前年比2.8%上昇となり、上昇ペースは加速した。銀座の空中階が上昇を牽引した。

価格:

価格は前期比4.7%、前年比5.2%上昇となった。賃料上昇と投資利回りの低下を反映した。

12ヵ月見通し:

賃貸市場は、堅調な需要と比較的限定的な供給予定を背景に、引き続き需給は逼迫するものの、賃料は高値圏にあるため安定的に推移する見通し。投資市場は、投資利回りの低下余地は限定的となっていることから、価格は安定的に推移する見通し。

※3 東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット

東京のロジスティクス(物流)市場※4

空室率:

東京圏の空室率は2.0%、前期比1.3ポイント、前年比3.1ポイント低下となった。東京ベイエリア※5の空室率は前期比横ばい、前年比0.1ポイント低下となった一方、内陸エリア※6は3.1%、前期比2.1ポイント低下、前年比4.8ポイント低下となった。

賃料:

東京圏の賃料は月額坪当たり4,283円と、前期比0.2%上昇、前年比1.3%上昇となった。ベイエリアと内陸エリアにおける新規供給の賃料水準が賃料上昇を牽引した。ベイエリアは前期比0.7%上昇、前年比2.1%上昇、内陸エリアは前期比0.2%上昇、前年比0.8%上昇となった。

価格:

東京圏の価格は前期比0.2%上昇、前年比6.6%の上昇となった。緩やかな賃料上昇を反映した。

12ヵ月見通し:

賃料は緩やかに上昇、投資利回りは一層低下

賃貸市場は、賃料水準が比較的低いサブマーケットでの新規供給による賃料下押し圧力があるものの、地価や建築コストの高騰による賃料上昇圧力がそれを上回ると予測され、平均賃料は上昇する見通し。投資市場は、安定的なコア資産として当セクターに対する投資家の強い関心は続くとみられ、投資利回りが一層低下する可能性がある。

※4 東京ロジスティクス:東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の一部)の新型物流施設

※5 東京ベイエリア:東京都、神奈川県、千葉県の東京湾に近い物流エリア(大田区、江東区、横浜、市川など)

※6 東京内陸エリア:東京圏のうち、東京ベイエリア以外の内陸物流エリア(八王子、厚木、柏、川島など)

東京のホテル市場※7

運営パフォーマンス:

ADRの改善がRevPAR成長に貢献

東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当り販売可能客室数当り宿泊売上(RevPAR)が2019年初来9月までの累計で前年同期比6.0%の増加となった(出典:STR)。客室稼働率は前年同期比で0.7%微減したが、客室単価(ADR)は前年同期比7.0%増となり、パフォーマンスの改善に貢献した。

売買:

ホテル投資マーケットは、ホテル売買取引件数は増加しているが宿泊主体型ホテルが中心で、フルサービスホテルの取引は少ない。2019年第3四半期の東京の5ツ星ホテル売買取引も見られなかった。

 

12ヵ月見通し:

世界的スポーツイベントにより更なるパフォーマンス改善が見込まれる

2019年のラグビーワールドカップに続き2020年にオリンピック・パラリンピックを控える東京では、5ツ星ホテルマーケットの更なるパフォーマンス改善が見込まれる。今後12ヶ月間のホテル投資マーケットに関しては、宿泊主体型ホテルについては足元のRevPAR成長率鈍化傾向に鑑み売却する投資家が増えてきており、取引件数が増加すると見込まれる。

※7 東京ホテル:特段の説明がない限り東京都内所在の5ツ星ホテルマーケット

JLL執行役員 ホテルズ&ホスピタリティ事業部長 沢柳 知彦は、次のように述べています。

「昨夏以降、台風等の度重なる自然災害の発生に加え、韓国・台湾・香港といった主要訪日客のリピーター比率が7割超に達し同マーケットからの訪日客数の増加ペースが鈍化する状況にあります。また、2国間の緊張の高まりから今年8月以降韓国からの訪日客数が激減しています。かかる逆境下ではありますが、都内の5つ星ホテルは宿泊主体型ホテルと異なり新規供給数が限られ、運営パフォーマンスは堅調に推移しています。ホテル投資マーケットについては、東京オリンピック後のRevPAR成長ペース鈍化を見据えて譲渡益確定を見込んだ売却を検討する宿泊主体型ホテル投資家が現れており、2019年第3四半期までのトレンドに続き第4四半期以降も活発なホテル取引が期待されます」




JLLについて

JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。JLLは不動産市場を再考し、皆様のアンビション実現を支援する不動産の機会やスペースを提供するとともに、お客様、人、コミュニティにとってよりよい明日を築くことを目指します。フォーチュン500に選出されているJLLは、2019年9月30日現在、世界80ヵ国で展開、従業員約93,000名を擁し、売上高は163億米ドルです。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。jll.com

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