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News Release

Tokyo

アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版 2012年第2四半期

東京オフィス賃料、Aグレードは17四半期ぶりに上昇


​​2012年9月4日 東京

ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向を独自に分析し、12ヵ月の予測をまとめたアジア・パシフィック地域の調査レポート『2012年第2四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。概要は、以下の通りです。

東京オフィス市場:
1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比1.4%の上昇となり、27,378円となった。 2008年第1四半期以来17四半期ぶりの上昇を示した

2) 空室率は、3.5%となり、前期比0.1ポイント上昇、2011年第1四半期以来初の上昇となった。ネット・アブゾープション(※)は第1四半期の125千㎡から第2四半期は103千㎡へと減少したものの、半期ベースでみると228千㎡と、2007年上半期以来最高水準となった。移転需要が旺盛であったセクターは金融業、製造業、専門・技術サービス業などであり、移転理由は主に拠点集約やコスト削減、また、2007年に5年の定期借家契約を締結したテナントが契約満了時期を迎えていることも「質への逃避」の動きに拍車をかけた

3) 第2四半期の新規供給は115千㎡となり、ストックは前期比2.6%増加して4,540千㎡となった。新規供給は2棟であり、丸の内サブマーケットに「JPタワー」(貸床面積: 93千㎡)、港区芝に「三田ベルジュ」(貸床面積: 22千㎡)が竣工した、

4) 賃貸市場は、欧州における信用問題が企業マインドを押し下げる可能性もあるものの、復興関連需要に支えられて持続的に回復する見通しである。今後1年間にかけて、空室率は概ね現水準で安定し、賃料は緩やかに上昇する見通しであり、賃料の回復を反映して投資利回りは小幅低下、価格の上昇率は賃料よりも大きくなるだろう。

大阪オフィス市場:
1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比0.3%下落、前年比1.3%下落して月額坪当たり10,844円となり、4四半期連続の下落となった。ほぼ横ばいで推移する中、空室が増加した建物の賃料下落を一部反映した。また、レントフリー期間の拡大が小幅ながら継続しており、実効賃料に下落圧力をかけ続けている

2) 空室率は前期比0.2ポイント上昇して第2四半期は5.3%となり、2011年第2四半期以来初めての上昇を示した。ネット・アブゾープションは、新規や拡張需要の低迷に加えて新規供給がなかったことを反映し、前期の22千㎡から第2四半期は▲3千㎡とマイナスに転じた、3) 今後1年にかけて大阪のAグレードオフィスの空室率は小幅上昇する見通しである。これは過去5年平均の220%に相当する2013年の大型新規供給のリーシングが本格化する一方で、周辺の建物で発生すると見込まれる二次空室を一部反映している、4) 賃料と価格は弱含みで推移する見通しである。

(※)当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積

東京のロジスティクスマーケット(物流市場):
1) 賃料は前期比横ばい、前年比0.3%上昇して月額坪当たり5,810円となった。投資活動は旺盛であり、主な売買事例には物流施設7物件のポートフォリオをMapletree Logistics Trustがグッドマングループから総額175億円で取得した事例が挙げられる。東京圏では4物件、合計延床面積84千㎡が130億1500万円で取得された

2) 東京ベイエリアの新規供給は引き続き限定的となり、賃料を支える見通しである。ただし、供給が相次ぐ一部内陸地域では若干弱含みで推移するだろう。

本レポートの調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、港区、中央区
大阪CBD(中心業務地区):北区、中央区
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)

J-REIT市場:
1) 2012年第2四半期にJ-REIT市場の上場銘柄数は35へと増加。2007年第4四半期以来となる新規上場の銘柄数は2銘柄あったが、合併1件が行われたため1銘柄減少した。時価総額は第2四半期末に前期比0.3%減少、前年比2.0%増加して3.6兆円となり、平均分配金利回りは前期比20bps上昇して5.4%となった

2) J-REITインデックスは第2四半期に前期比3.3%下落、前年比6.8%下落して957.38となった。

弊社リサーチ部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「2008年第2四半期より下落していた東京Aグレードオフィス賃料が4年3か月ぶりに上昇に転じた。割安感のある賃料水準と『質への回避』トレンドが需要を拡大させた結果である。一方、スペックや立地条件の劣るビルにおける二次空室の発生を招いているため、オフィス賃料全体が回復しているとはいえない。しかし、欧州債務危機が懸念として残るものの、本年日本経済は復興需要等を背景に2%超の経済成長が期待されており、今後不動産市況は徐々に改善していくものと思われる。今期のAグレードオフィス賃料上昇を一つのきっかけとして、売買市場も含めたマーケット全体のセンチメントが変化することを期待している。」としています。

アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状:
1) 2012年第2四半期の賃貸借活動は、経済成長率の鈍化と世界の経済見通しの不確実性が継続した影響から前年同期よりも若干減速した。これに対して商業用不動産の投資活動は、主に現地投資家による取得が活発化したことを背景に回復がみられた

2) 賃料と価格はほとんどの市場やセクターで上昇を続けているが、成長のモメンタムは鈍化している

3) オフィス・セクターに関しては、2012年第2四半期に域内全体のTier1都市におけるオフィス供給量は前年同期比横ばいの130万㎡となり、そのほとんどが中国とインドにおけるものであった。ネット・アブゾープションは前年同期比10%程度減少して130万㎡となった。企業が当面の拡張計画を中止させたことから域内全域にかけて拡張需要が低迷する一方、とりわけコスト削減を達成できる非中心部への移転や集約は続いている。経済成長と企業の雇用の減速から、2012年の地域全体の賃貸需要は昨年よりも若干減少する見通しである

4) リテール・セクターでは、2012年第2四半期の賃貸需要は中華圏で好調が続き、とりわけ新規参入者や既存の外国小売業者の拡張がこれを支えた。東南アジア市場の需要は、依然として比較的健全である。香港が引き続き突出しており、供給の少なさから前四半期比、前年同期比とも賃料の上昇率が最高となった(それぞれ前期比3%の上昇と前年同期比14%の上昇)

5) 住宅セクターでは、香港とシンガポールでは、オフィスの賃貸需要の減速と並行して、高級住宅の賃貸需要も低迷を続け、賃料は上半期に最大9%下落している。中国、ジャカルタ、マニラでは、賃貸需要は全般的に健全であった

6) インダストリアル・セクターでは、2012年第2四半期のインダストリアル・スペースに対する需要は主に小売販売関連が牽引、この傾向はとりわけ中国で顕著であった。

アジア・パシフィック地域の投資市場:
1) 2012年第2四半期は、商業用不動産の直接投資活動が大きく回復し、投資総額は前年同期比26%増の260億米ドルとなっている

2) 主要市場の中で前年同期比の投資総額が最も増加した市場は日本であり(前年同期比290%増)、2011年3月の震災からの回復を示した。香港(同26%増)、シンガポール(同25%増)、中国(同17%増)も好調となった。クロスボーダー取引は当四半期に前年同期比31%減となり、地域内の取引総額の約80%を潤沢な現金を有する国内投資家が占めた

3) 地域内の2012年の商業用不動産直接投資の見通し額は900億米ドルを据え置いているものの、世界の経済見通しが改善された場合には上振れ余地もある。ほとんどの市場やセクターでとりわけ現地投資家による投資意欲が続く見込みであることから価格は若干の上昇を続けるが、利回りは域内全域でほぼ安定するだろう、

4) 今年は世界的に厳しい経済環境となっているが、アジア・パシフィック地域の不動産市場は比較的健闘している。賃貸借活動は昨年の記録的水準を若干下回って推移する見通しだが、投資家は引き続き、とりわけ優れた立地の投資機会を模索し続けるであろう。賃料と価格はほとんどの市場で更に上昇する見込みだが、そのペースは昨年よりも緩やかとなるであろう。世界経済が景気後退を回避するというベース・ケース・シナリオの下で、賃料や価格は下落をみせても一時的なものに留まり、不動産市場の活動は2013年に再度上向くと予想している。





ジョーンズ  ラング​ ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルサービス会社です。世界中に存在する専門家チームが、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、総合的なサービスを提供しています。2011年度のグループ売上高は約36 億ドルにのぼり、全世界70 ヵ国、1,000都市超の顧客に対し、200の事業所でサービスを提供しています。 当社はプロパティ・マネジメント・サービスならびに企業向けファシリティ・マネジメント・サービスのリーディングカンパニーとして、約1 億9,500万平方メートル(約5,900 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは総額472億ドルの資産を運用しています。

ジョーンズ ラング ラサールのアジア・パシフィック地域での活動は50年超にわたり、現在14ヵ国、79 事業所で22,200名超のスタッフを擁しています。弊社は、2012年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィック(スポンサー:HSBC)で「最優秀不動産コンサルタント賞(5つ星賞)」を9ヵ国・地域で受賞、 「Highly Commended(称賛に値する企業)賞」を3ヵ国・地域で受賞しました。