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News Release

Tokyo

2012年第1四半期 アジア・パシフィック地域不動産レポート

東京オフィス空室率は2四半期連続で均衡レベル下回る3%台、賃料は16四半期連続下落


2012年6月5日 東京

ョーンズ ラング ラサール株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向を独自に分析し、12ヵ月の予測をまとめた調査レポート『2012年第1四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

​2012年第1四半期の東京オフィス市場の概観;
1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比0.9%の下落、前年比1.8%の下落となり、27,005円となった。16四半期連続の下落となったものの、4四半期連続で下落率は1%を下回った

2) 空室率は、3.4%となり、前期の3.6%からさらに低下、2四半期連続で需給の均衡を示すとされる4-5%の水準を下回った

3) 2012年第1四半期の新規供給は3棟で貸床面積121千㎡となり、ストックは前期比2.8%増加した。2012年通年の新規供給は、棟数9棟、貸床面積360千㎡が予定されており、ストックは前年比8.4%増加する見通しである。このうち、約70%が大手町・丸の内サブマーケットに立地している

4) 賃貸市場は、2012年の新規供給の契約率が上昇していることや、現在の割安な賃料相場のもとで新築・ハイスペックのオフィスビルの需要は引き続き底堅く推移すると見込まれることから、需給バランスは比較的タイトに推移する見通しである。

2012年下半期に賃料は徐々に回復し、緩やかな成長トレンドに復する見込みであり、この間、投資利回りは比較的安定的に推移するであろう

2012年第1四半期の大阪オフィス市場の概観;
1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比0.4%下落、前年同期比0.8%上昇の10,880円となった。表面賃料は概ね横ばいで推移しているものの、実効賃料は依然フリーレントの増加傾向が続いていることから引き続き緩やかに下落し、2013年の大量供給を控え賃貸市場がテナント優位にある状況を示した

2) 空室率は5.1%となり、前期の6.7%からさらに低下した。2010年第3四半期に8.1%でピークを迎えてから、概ね低下傾向で推移しており、市場均衡を示す水準へと近づいている。ネット・アブゾープション(※)は22千㎡となり、前期の5千㎡から大幅に増加した

3) 今後12か月の賃貸市場は、新規供給は既に大部分が吸収されているものの、2013年に予定されている大量供給を見据えた借り控えにより需要の低迷が見込まれることから、若干軟化する見通しである

4) 賃料は引き続き緩やかに下落し、投資利回りは若干上昇、価格は賃料より大幅に下落する見通しである。ただし、第4四半期に竣工予定の「中之島フェスティバルタワー」が現時点までにほぼ吸収されたことは、厳しい市況が続く大阪Aグレードオフィス市場にとって明るい兆しである――としています。

(※)当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積

2012年第1四半期の東京のロジスティクスマーケット(物流市場);
1) 賃料は月額坪当たり5,810円と、前期比0.3%の上昇となった。2011年第4四半期の横ばいからわずかながら上昇し、3四半期連続の緩やかな上昇傾向を示した。投資市場は依然活発であり、主に内陸部で取引が増加した。日本ロジスティクスファンドが「草加ロジスティクスセンター」を63億6千万円で取得、産業ファンドが「IIF厚木ロジスティクスセンター」を22億9千万円で取得した事例が挙げられ、NOI利回りはそれぞれ5.8%と6.8%であった

2) 東京ベイエリアに所在する先進的物流施設の賃貸市場は、引き続き限定的な新規供給と物流施設に対する底堅い需要を背景に、比較的タイトに推移する見通しである。賃料には上昇圧力がかかると予想されるが、物流セクターは安定的に推移する傾向を有することから上昇率は小幅となる見通しである。また、今後当該セクターへの投資に特化した日本国内や外国のファンドの組成などが見込まれていることから、投資が活発化するであろう――としています。

J-REIT市場;
1) 2012年第1四半期に新規上場は見られず、同期末時点でJ-REITの時価総額は3.6兆円となり、前期末の2.9兆円から22.4%増加、平均分配金利回りは5.2%だった

2) J-REITインデックスは989.64となり、2011年第4四半期の前期比10.1%下落から今期は前期比18.6%上昇となり、2010年第4四半期以来5四半期ぶりに上昇、それも2桁の上昇率となった

3) 背景には、2月の日銀による追加的な金融緩和などがある

弊社リサーチ部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「欧州債務問題は相変わらず解決が見えてこない。これに起因する世界経済の減速懸念がテナント企業の行動を慎重にさせている結果、オフィス賃料も弱い動きが続いている。しかし足元では、割安感のあるビルで既に賃料上昇がみられ始めており、市場回復期が間近に迫っていることを実感している。一部投資家もこの兆候を感じており、優良物件には買い手が殺到している状況もある。ここにきて震災復興需要も顕在化し始めていることから、今後の景気回復による賃料上昇を勘案すると、特に東京のオフィス物件はかつてないほどに割安感が強いと考えている」としています。

アジア・パシフィック地域経済の特徴;
1) 同地域の経済成長は、世界のその他地域の経済成長を凌駕し続けているが、主に欧米諸国で続いている難局の影響で、直近の経済指標はアジア・パシフィック全域で鈍化が避けられそうもない状況を示している

2) 域内の多くの国々が輸出に大きく依存しているため、減速する世界貿易は懸念事項である。
リテール・セクターは依然として全般的に好調なものの、ここ数四半期にわたり幾分軟化している。製造業の生産はほとんどの国々で依然増加を続けている。地域全体でみると、グローバル経済の安定化の兆候が見られたことを好感して、当四半期の業況判断は1年ぶりの高水準まで改善している

3) インフレは域内全域で収まりつつあるものの政策当局にとっては依然として懸念事項である。中国の4月のインフレ率は前年同月比3.4%と前月の同3.6%から低下したものの、インドの3月の卸売物価のインフレ率は前年同月比7.2%と、前月の同6.9%から上昇している

4) 経済指標は全般的に成長鈍化を示しているため、政策当局は各種支援措置を講じ始めている。オーストラリア、インド、ほとんどの東南アジア新興諸国が2011年第4四半期以降、政策金利の引き下げを実施し、オーストラリアは5月初めに50bpの利下げを行い、中国とインドは預金準備率の引き下げを実施した。2012年第1四半期には、日本と香港が景気改善に向けて刺激策を発表した。今年は地域内で一層の金融緩和が進むだろう

5) 今年はアジア・パシフィック地域のほとんどの国々で経済成長率が鈍化する見通しだが、自然災害から復興している国々(日本、オーストラリア、タイ、ニュージーランド)では成長が加速する見通しである。アジア・パシフィック地域全体の経済成長率は2012年に前年比約5%増となる見通しである

アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状は;
1) 2011年末を活況のうちに終えた反動で、2012年第1四半期は賃貸/投資活動の減速がみられた

2) 多くの市場で賃料と価格の上昇は依然として続いているものの、成長のモメンタムは減速している

3) オフィス・セクターに関しては、 2012年第1四半期、アジア・パシフィック地域のTier1都市の新規供給はAグレード・スペースで約80万㎡となり、インドが全体の約40%を占め、一方、中国での増加は限定的となった。合計ネット・アブゾープションは前四半期比、前年同期比とも50%超減少して約60万㎡となった。ほとんどのオフィス市場で賃料の上昇率が一層鈍化し、一部市場では若干の下落が見られた。香港とシンガポールのオフィス市場では賃料の下落がさらに加速し、正味実効賃料は前四半期比5-6%の下落となった。北京とジャカルタ市場の賃料の対前四半期比上昇率は引き続き域内で最大となったものの5-8%へと鈍化している。上海では貸主が強気の募集賃料設定を控え始めたため賃料の上昇率は1%未満まで減速した。東京とソウル市場では高いインセンティブの付与が継続したことなどを背景に正味実効賃料がさらに下落(最大2%)した。2012年を通じてほとんどの市場で賃料は上昇する見通しだが、そのペースは昨年よりも鈍化し、上昇率は前年比10%未満に収まるであろう

4) リテール・セクターでは、中華圏では国際展開する小売業者(ファスト・ファッション、高級品、飲食料品等)などの旺盛な需要を受けて引き続き好調に推移したが、域内他市場では若干減速している。2012年第1四半期に中華圏(上海を除く)、ジャカルタ、マニラの市場で賃料の上昇が続いたが、その他市場ではほぼ横ばいとなった

5) 住宅セクターでは、 2012年第1四半期に多くの高級住宅市場で季節要因による需要減退と雇用計画の慎重化から賃貸活動が低迷したが、中国、ジャカルタ、マニラ等の市場は全般的に好調となった

6) インダストリアル・セクターでは、2012年第1四半期は、好調が続く小売業販売額が賃貸需要を牽引し続けたが、輸出入関連のセグメントでは弱い動きが続いた

アジア・パシフィック地域の投資市場;
1) 2012年第1四半期の商業用不動産への直接投資額は合計200億米ドルと、前四半期比と前年同期比でそれぞれ約30%減少した

2) 投資適格不動産の不足、売り手と買い手の価格目線の違い、継続する資金調達難、グローバル経済のリスク等の要素から、オーストラリアを除くあらゆる主要市場の投資総額が前年同期比ベースで減少している。日本は2012年第1四半期も他市場を大きくひきなはしてアジア・パシフィック地域最大の投資市場となり、トレンドに反して投資総額も四半期ベースで若干増加した。日本、オーストラリア、シンガポール、韓国では投資総額に占めるクロスボーダー投資の割合が大きくなっている。その他のほとんどの市場では国内投資家による取得が大きな割合を占めたが、REITの活動は減少した

3) 2012年を通じて成熟市場である日本とオーストラリアが商業用不動産の投資先として人気を集めるだろう。また、投資機会は中国でも求められるであろう。投資家の関心が続くことなどを背景にほとんどの市場やセクターで価格は緩やかな上昇を続けるが、利回りは域内全域でほぼ安定的に推移するだろう。住宅価格はシンガポール、香港、上海等の市場では下落圧力に晒されるであろうが、小幅下落にとどまるだろう

4)今年はアジア・パシフィック地域経済のアウトパフォームによって不動産市場が活発化する見通しである。投資家は引き続き物件取得に意欲的であり、現在その多くが資金調達に向けた取組を開始している。ほとんどの市場とセクターで賃料と価格はさらに上昇する見通しだが、そのペースは2011年よりも緩やかとなるであろう。世界経済が景気後退を回避するという基本シナリオの下、賃料と価格の下落はみられても一時的な動きに留まり、2013年に不動産市場の活動は再度上向くと予想している





ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルサービス会社です。世界中に存在する専門家チームが、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、総合的なサービスを提供しています。2011年度のグループ売上高は約36 億ドルにのぼり、全世界70 ヵ国、1,000都市超の顧客に対し、200の事業所でサービスを提供しています。 当社はプロパティ・マネジメント・サービスならびに企業向けファシリティ・マネジメント・サービスのリーディングカンパニーとして、約1 億9,500万平方メートル(約5,900 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは総額472億ドルの資産を運用しています。

ジョーンズ ラング ラサールのアジア・パシフィック地域での活動は50年超にわたり、現在14ヵ国、79 事業所で22,200名超のスタッフを擁しています。弊社は、2012年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィック(スポンサー:HSBC)で「最優秀不動産コンサルタント賞(5つ星賞)」を9ヵ国・地域で受賞、 「Highly Commended(称賛に値する企業)賞」を3ヵ国・地域で受賞しました。