Skip Ribbon Commands
Skip to main content

News Release

2011年第4四半期不動産調査レポートを発表

東京オフィス空室率、3%台に低下


2011年3月12日 東京

ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社: 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2011年第4四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

2011年第4四半期の東京オフィス市場の概観として、1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、第3四半期の0.4%下落から当四半期比は、0.1%下落となり、27,245円となった。一段と減速して概ね横ばい圏内の動きとなっている、2) 空室率は、第3四半期の4.1%から第4四半期に3.6%へと低下している、3) 2012年の新規供給は過去10年平均の130%程度と比較的大規模となっている一方で、ネット・アブゾープションは、半数以上のビルが竣工時に高い稼働率であることや、震災以降「安全・質への回避」の傾向が顕著になっていることから、安定的に推移する見込みである、4) 空室率は小幅上昇するものの概ね現在の水準を維持する見込みである。したがって、賃料は緩やかに上昇するものと予測する。賃料上昇にともない、投資利回りは若干低下、価格は緩やかに上昇するであろう――としています。

2011年第4四半期の大阪オフィス市場の概観として、1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比0.3%の下落、前年比0.5%の上昇の10,920円となった。ほぼ横ばい圏内の動きであるものの、インセンティブは若干拡大しており、依然として市場がテナント優位である状況を示している、2)空室率は第3四半期の7.0%から第4四半期は6.7%となり、2四半期連続で低下している。ネット・アブゾープションは4.7千㎡となり、前四半期から減少して比較的低い水準で推移したもののプラスを維持し、2011年では62千㎡となった、3) 空室率は上昇傾向で推移するものと予測される。一方、賃料は、大量供給を控えて下落圧力が働くものの下落の余地は小さいことから、下落率の縮小が続く見通しである、4) 投資利回りは上昇し、価格は下落基調で推移するであろう――としています。

2011年第4四半期の東京のロジスティクスマーケット(物流市場)については、1) 賃料は月額坪当たり5,792円となり、第3四半期の0.2%上昇から第4四半期は横ばいとなっている、2) 2012年の東京ベイエリアに立地する先進型物流施設の賃貸市場は、新規供給は限定的な水準が見込まれている一方で、需要は引き続き3PL事業者等の運輸サービス業、食料品製造業、通信販売小売業等に牽引されて安定的に推移する見通しである。したがって、賃料は横ばいから緩やかな上昇基調で推移するであろう。ただし、旧来型の物件には厳しい状況が続く可能性がある――としています。

大震災後の東京ロジスティクスマーケット(物流市場)については、震災発生から3カ月間は、1)物流センター内で保管商品の荷崩れが発生し、センターの機能停止により事業継続が不可能となる事例が見られ、また東京ベイエリアの一部では液状化で物流センター周辺の駐車場や道路に悪影響がでた、2)反面、一時避難的な需要から高耐震性の最新型物流施設への特需が発生、稼働率が急速に高まる好影響もみられた、3)マクロ的な観点からは、製造業のサプライチェーン寸断による物資の流れの停滞で、海外輸出量が急減、物流界へのマイナス影響が明確となった。

4カ月目から現在にかけては、1)液状化発生を受けて予想された物流拠点の内陸部シフトは起こらず、東京湾、羽田空港への接近性に優れている東京ベイエリアの地位は揺るがなかった、2)高耐震性の最新型物流施設へのテナント需要は、一時的な特需には終わらず、持続的なトレンドを形成している。
 今後の動向としては、1)東京ベイエリアの物流セクターと東京Aグレードオフィスの賃料トレンドを比較すると、物流セクターの安定性の高さが際立っており、今後もこの傾向は続くと見られる、2)物流子会社を持っていた国内事業会社が本業回帰の動きを加速し、本業ではない物流事業をアウトソースするトレンドが今後も続く、3)日本のロジスティクスの全ストック(4.8億㎡)に占める、最新型物流施設のストック(1千万㎡)の割合はわずか2%程度であり、震災後の“Flight to Quality”による需要や企業のアウトソースニーズを考慮すると、成熟経済国・日本における数少ない成長セクターといえる――としています。

また、J-REIT市場については、1) 2011年第4四半期に新規上場は見られず、同期末時点でJ-REITの時価総額は2.9兆円、平均利回りは6.2%だった、2) J-REITインデックスは834.36となり、第3四半期の928.56から10.1%の下落、2010年末の1,130.70から26.2%下落している。ユーロ圏の政府債務危機等を背景に、下落基調で推移した、3)市場を取り巻く環境が厳しさを増す中、公募増資や資産取得が相次いで行われた――としています。

弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「東京Aグレードオフィス市場では空室率が需給バランスの均衡水準(4-5%程度)より低いレベルまで低下しているが、未だ賃料上昇には至っていない。これはテナントの移転目的の中心が集約による賃料削減となっており、依然としてテナントが慎重姿勢を維持しているためである。一方では、その要因の一つである欧州債務問題がゆっくりではあるが着実に解決に向かっていることや、震災から1年が経過し、復興の最中にある日本も経済に持ち直しの動きが見られている。売買市場においてはこの市場回復の動きを察知した先見性のある投資家は既に行動を開始し、弊社への相談も増加しつつある。このような状況下、市場の回復期は一歩一歩近づいていると確信している。」としています。

アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1) アジア・パシフィック地域の経済は世界の他の地域をアウトパフォームし続けているものの、直近の指標は経済活動が全般的に減速している状況を示している。続くユーロ圏の債務危機は、輸出や企業の景況感に重石となっている、2) 一方のプラス要素は、一部主要国で製造業の生産が底打ちしていることや地域全体のインフレ圧力の緩和を背景に、景気支援策を実施する政策当局の柔軟性が高まっていることである。IHS Global Insight (GI)の経済見通しによれば、2012年のアジア・パシフィック地域の成長率は前年比4.9%増と、2011年並みと予想されている、3) 経済成長の減速に伴い、地域内を通じてインフレ圧力が収まりつつある。1月には、中国のインフレ率が前年同月比4.5%上昇(前月は同4.1%上昇)と、6カ月間で初の加速に転じた。ただし、これは主に今年の旧正月が早まったことに起因している。インドの卸売物価の上昇率は12月の前年同月比7.5%から1月は同6.6%へと急速に低下した、4) 経済成長が減速する兆しを受けて、地域内の様々な国が金融・財政刺激策を実施している。2011年第4四半期にオーストラリア、インドネシア、タイが利下げを実施し、2012年第1四半期にフィリピンがこれに続いた。中国は銀行預金準備率を引き下げたが、現時点まで引き締め政策を維持して住宅市場の過熱を抑制している。2月に、日本と香港が経済成長を支えるため景気刺激策を発表した。グローバル経済の厳しさを勘案し、今年はアジア・パシフィック地域を通じて一層の緩和政策の実施が見込まれる、5)アジア・パシフィック地域の経済は、2012年初めには相対的に低迷するものの、下半期には改善し始めるだろう。2012年のアジア・パシフィック地域全体の経済成長率は、投資や民間消費支出の改善が輸出の大幅減速のバッファーとなり、4.9%増と、世界の他の地域のほぼ3倍となる見通しである――としています。

アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1) 2011年末の数カ月間、アジア・パシフィックの不動産市場は経済の不確実性の高まりにもかかわらず、健全なファンダメンタルズを反映し続けた。2011年通年では、同地域のオフィス賃貸借契約面積は記録的な水準を達成したものの、2011年第4四半期には一部市場で賃貸活動が減退し始めた。2011年の投資総額は前年から若干増加し、とりわけ第4四半期が好調であった、2) 賃料と価格はほとんどの市場で上昇し続けているが、成長モメンタムは減速し始めている、3) オフィス・セクターに関しては、 2011年第4四半期にアジア・パシフィック地域のTier 1都市に所在するAグレードオフィス市場の新規供給量は130万㎡であった。通年の供給量は約600万㎡とほぼ安定しており、中国とインドの都市で全体の約三分の二が供給された。2011年の合計ネット・アブゾープションは2010年の水準から約20%増加して、最高記録を達成している。しかし、2011年第4四半期は、企業の景況感と雇用が全般的に抑制され、とりわけ金融センターである香港とシンガポールでこれが顕著となったため、全体的な賃貸活動は減速している。2012年の全般的な賃貸需要は、企業の雇用減速と一部市場の供給減速を背景に、若干減退する見通しである、4) リテール・セクターでは、 2011年第4四半期の賃貸需要は中華圏と東南アジアの一部新興市場で旺盛となった。特にファスト・ファッション、高級品、飲食料品に関連するセグメントの国際的な小売業者からの需要が旺盛であった。2011年第4四半期は多くの主要市場で賃料が上昇したものの、上昇率はわずかであった、5) 住宅セクターでは、 2011年末には、多くの高級住宅市場の賃貸活動に季節的要因による減速が見られたが、マニラやジャカルタ等の市場は現地需要に支えられて堅調に推移した、6) インダストリアル・セクターでは、依然として小売業販売額の増加が地域内のインダストリアル市場の成長を牽引しているが、輸出入に関連するセグメントの成長率はより控えめとなっている――としています。

アジア・パシフィック地域の投資市場については、1) 2011年第4四半期のアジア・パシフィックにおける商業用不動産の投資総額は合計220億米ドルと、前四半期並みとなった。前四半期比で増加率が最高であった国は、中国とオーストラリアとなった、2) 2011年通年の投資総額は前年比6%増の910億米ドルとなり、地域内で発生した大規模な自然災害を勘案すれば堅調な結果といえよう。2011年も上位3市場は日本、中国、オーストラリアとなり、合わせて投資総額の55%を占めている。ほとんどの市場において、物件取得は主に国内投資家主導で行われたが、オーストラリアではクロス・ボーダーの投資家が活発に投資を行った、3) 2012年には、比較的安定した投資環境が予想され、多くの投資家が日本やオーストラリア等のコア市場に所在する優良資産に目標を定める見通しである。中国も強い成長力が予想されていることから依然として魅力的となろう。潤沢な資金を擁するアジアの投資家は引き続き活発であることが見込まれ、高リターンを求める地域外投資家の注目も高まると予想される、4)第4四半期は東京、ソウル、香港以外のほとんどの主要市場で価格の上昇が続いたものの、前四半期と比較すると減速している。ジャカルタと北京のオフィス価格は賃料上昇にともない約6%上昇し、最大の前四半期比上昇率を記録した。シンガポールの価格は若干上昇、香港は前四半期比2.9%下落となっている。2012年については、北京とジャカルタの価格が最も大きく上昇すると予想しているが、利回りは地域内を通じてほぼ安定的に推移する見通しである――としています。




 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルサービス会社です。世界中に存在する専門家チームが、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、総合的なサービスを提供しています。2011年度のグループ売上高は約36 億ドルにのぼり、全世界70 カ国、1,000都市超の顧客に対し、200の事業所でサービスを提供しています。 当社はプロパティ・マネジメント・サービスならびに企業向けファシリティ・マネジメント・サービスのリーディングカンパニーとして、約1 億9,500万平方メートル(約5,900 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは総額477億ドルの資産を運用しています。

ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年超にわたり、現在14ヶ国、78 事業所で22,000名超のスタッフを擁しています。弊社は、ブルームバーグTVの2011年アジア太平洋プロパティアワードで「最優秀プロパティコンサルタント」に選出されました。