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News Release

2011年第3四半期不動産調査レポートを発表

東京オフィス空室率、3年ぶりに4%台に低下


[2011年11月29日発信] 
 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2011年第3四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

 2011年第3四半期の東京オフィス市場の概観として、1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比0.4%の下落、前年比3.8%の下落の27,286円となった。賃料動向は全体でみれば横ばい傾向で推移しているものの、個別の物件では異なっている、2) 空室率は、前期比1.6ポイント低下し4.1%となり、需給の均衡を示す水準へと低下している。4%台まで低下した空室率は2008年第3四半期以来3年ぶりである、3) 2012年に予定されている新規供給は過去10年平均の130%程度となっている一方で、需要は、低廉な賃料水準、丸の内・大手町サブマーケットにおける新規供給の事前契約、東日本大震災以降のオフィス選択基準に「質への回避」の傾向が強まっていること等から、比較的堅調に推移するものと予想される、4) 空室率は市場の均衡を示す水準まで低下しているため、本格的な復興需要が経済に波及するにともない、賃料は上昇に転じる見込みである。それにしたがって、投資利回りは低下し、価格も上昇するであろう――としています。
 
 2011年第3四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比0.3%の下落、前年同期比0.9%の下落の11,042円となった。本格的な需要回復にいたっていないため、前四半期の上昇傾向は継続しなかった、2)空室率は、7.0%となり、前期比0.9ポイント低下、ネット・アブゾープションは13千㎡となり、マイナスであった前期から大幅に増加した、3) 空室率は緩やかな上昇傾向で推移するであろう。賃料単価は下落余地が残されていないため概ね横ばいで推移すると見込まれるものの、フリーレント等インセンティブの調整により実効賃料の下落が続くと予想されるため、テナント有利の市場が続くと予測する、4) 投資市場については、今後も投資家に対して投資物件が不足する状況が継続すると見込まれるが、利回りは若干上昇し、価格は緩やかな下落基調で推移すると予測する――としています。
 
 2011年第3四半期の東京のロジスティクスマーケット(物流市場)については、1) 賃料は前期比0.2%上昇して月額坪当たり5,792円となり、15四半期ぶりに上昇に転じた、2) 東京ベイエリアは今後、開発用地の不足等により新規供給が抑制されていることに加えて、引き続き物流効率性を追及する企業による需要が底堅く推移することが予測される。したがって、需給が逼迫する中で賃料は現状の緩やかな上昇傾向を概ね維持すると予測する。その後賃料の上昇が本格化するにつれて、投資利回りは低下、価格
は上昇傾向で推移するであろう――としています。
 
 また、J-REIT市場については、1) 2011年第3四半期に新規上場は見られず、同期末時点でJ-REITの時価総額は3.2兆円、平均利回りは5.5%だった、2) J-REITインデックスは928.56となり、前四半期比9.6%の下落となった。経済は震災の影響から着実に持ち直す中、米国債の格下げ、記録的な円高や欧州における債務危機等を背景として、第2四半期の前期比2.6%下落から下落幅が拡大し、一時は震災直後の安値を下回る水準で推移した、3) 7月、8月にJ-REITによる物件取得は加速傾向にあり、震災前に迫るペースにあったものの、上述の円高や欧米における経済への懸念を受けて、9月は大幅な減速がみられた――としています。
 
 弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「欧州債務危機の拡大懸念がテナント企業及び投資家の行動を慎重にさせている。それでも極めて割安感の強いAグレードオフィス賃料に対し、一部国内企業の需要が顕在化した結果が4.1%の空室率にあらわれている。投資家においても慎重姿勢が強まる中、現時点ではJ-REITをはじめとした国内投資家が中心となっている。しかし、海外投資家から弊社への問合せも日々増加してきていることから、グローバルの中での相対的な日本の重要性はむしろ高まってきていると実感している。不安定なグローバル経済に未だ解決の道筋が見えない中、今後もしばらくはこの傾向が続くことが予想される」としています。
 
 アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1) アジア・パシフィック地域の経済は世界の他地域をアウトパフォームし続けており、直近の経済指標は経済活動の水準が全般的に堅調であることを示している、2) ただし、公表が始まった第3四半期のGDP成長率も含めて、成長モメンタムが失速し始めている状況を示すデータが増えている。これには、欧州のソブリン債務危機、米国の景気低迷、これまでアジア・パシフィック諸国において実施されてきた金融引き締め政策等、様々な要因が絡んでいる。こうした状況が、域内の輸出総額や工業生産を含む国内の経済活動に影響を与え始めている、3) 多くの国々で、依然としてインフレ圧力が高い水準にとどまっている。9月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.1%の上昇へと若干緩和されたが、インドの卸売物価指数は同9.7%の上昇にとどまっている。域内のほとんどの中央銀行は、2009年第3四半期以降、利上げあるいはその他の引き締め政策を実施してきたが、ここ数カ月間の経済環境はより厳しさを増しており、インフレ圧力も緩和される可能性が高いため、現サイクル中に一層の金融引き締め政策が実施される可能性は低い、4) 世界経済が2012年へ向けてより厳しい状況に直面していることは疑う余地がない。しかし、現段階では、世界的な景気後退は回避され、アジア・パシフィック地域は来年もアウトパフォームを継続すると予想している、5) IHSグローバルインサイト(GI)によれば、今年のアジア・パシフィック地域経済の経済成長率は4.6%増と、世界の他地域の2.6%増を大きく上回る見込みである。2012年には、中国等の新興諸国における若干の減速を日本やオーストラリア等の先進国における経済成長が相殺して、域内の経済成長率は5.4%増へと若干加速すると予想される。これとは対照的に、世界のその他地域の来年の経済成長率は2%増と予測されている――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1) アジア・パシフィック地域の不動産市場のファンダメンタルズは、景気の不確実性が増しているにも関わらず依然として堅調である。第3四半期末現在、域内のほとんどの不動産市場が引き続き賃料サイクルの上昇フェーズにある。多くの市場で不動産取引が堅調な水準にあることが、賃料と価格の上昇の裏付けとなっている、2)しかし、モメンタムは失速し始めており、世界景気へのエクスポージャーが特に高い市場でこれが顕著となっている、3) オフィスセクターに関しては、2011年第3四半期にアジア・パシフィック地域のTier 1都市に新規供給されたAグレードオフィスビルの面積は150万㎡であり、その3分の2程度が中国とインドにおける新規供給であった。ネット・アブゾープションは堅調を維持して合計140万㎡となり、前四半期も同水準であったことから、今年ネット・アブゾープションは記録的な規模を達成する見込みである、4) リテールセクターでは、中華圏において2011年第3四半期も小売業者の需要が依然として旺盛であった。特に香港は主に中国本土からの観光客に支えられて圧倒的な小売売上高を達成している。一方、インド、オーストラリア、一部東南アジア市場の小売業者はより慎重姿勢であったことから、当四半期にほとんどの市場で賃料の上昇率が減速した、5) 住宅セクターでは、2011年第3四半期の高級住宅市場の賃貸借需要は概ね安定的に推移したが、北京、上海、マニラ、ジャカルタでは若干の改善がみられた、6) インダストリアルセクターでは、域内の貿易が減速したにもかかわらず、2011年第3四半期もインダストリアル市場は堅調に推移した――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の投資市場については、1) 2011年第3四半期のアジア・パシフィック地域における商業用不動産の投資総額は210億米ドルとなり、前四半期比13%増、前年同期比7%増となった。日本は域内首位を奪回し、不動産投資が震災の深刻な影響を受けた前四半期から200%超の増加と力強く回復している、2) 中華圏でも旺盛な投資がみられ、香港ではクロス・ボーダーの投資家によるショッピングセンターの取得が過去最高の取引価格を記録した、3) 域内における2011年通期の総投資額は昨年とほぼ同水準の890億米ドルとなり、今年初めに予想された1,000億ドルを若干下回る見込みである。投資総額が予想を下回った原因は、第2四半期の日本における投資減少と、不確実性による投資家のリスク回避姿勢の強まりである、4) 香港とシンガポールを除き、ほとんどの市場で価格は短・中期的に安定ないし上昇する見通しである。2012年については、中国、東京、ジャカルタの市場で上昇率が最大となるであろう。投資家が慎重姿勢を強めるため、一部市場では利回りが若干上昇する可能性がある――としています。
 
本レポートの調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、港区、中央区
大阪CBD(中心業務地区):北区、中央区
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)
 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2010年度の売上高は約29 億ドルで、全世界の70 カ国、約1,000都市を網羅する200の事業所で業務を展開しています。また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億6,700万平方メートル(約5,060 万坪)の不動産を管理しています。ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約479億ドルの資産を運用しています。
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国、77 事業所で約20,800名のスタッフを擁しています。弊社は、ブルームバーグTVより2011年アジアパシフィック プロパティアワードにおいてベストプロパティコンサルタンシーに選出されました。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
www.joneslanglasalle.co.jp