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News Release

2010年第4・四半期不動産調査レポートを発表

東京Aグレードオフィスの空室率が2四半期連続で改善


 2011年2月24日発信 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2010年第4・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

 2010年第4・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前四半期比マイナス1.5%、前年同期比マイナス7.4%の27,939円となった。下落率は引き続き低いものとなり、市場がほぼ底にある状況を示した、2) 空室率は5.8%となり、前四半期比0.9ポイント低下、前年同期比0.7ポイントの低下となった。空室率は2010年第2四半期まで5四半期連続で上昇し7.4%に達したものの、当四半期までに2四半期連続で改善した、3) また、Aグレードオフィスビルの賃貸借面積は前期比2.3%増加、前年比4.2%増加した。移転の目的は主に集約や統合であり、割安となった賃料水準を背景として、契約満了時にアップグレード移転を選択するテナントが増加した、4)今後12ヶ月の見通しとして、直近のピーク時と比較して6割程度まで低下した賃料水準がオフィス再編等の移転需要を刺激し、空室の減少が続いている。この結果、1,000坪を超える大型移転を検討するテナントにとって、ストック不足は現実のものになりつつある。また、2011年の新規供給量は限定的であり、2011年以降となると予測される賃料の上昇基調を支えるだろう。また、将来の賃料上昇を見込み、利回りは低下傾向で推移するだろう――としています。
 
 2010年第4・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は、前期比マイナス1.6%、前年同期比マイナス9.5 %の10,964円となった。10四半期連続の下落となったものの、下落率は引き続き低いものとなった、2) Aグレードオフィスの空室率は7.8%となり、前四半期比0.3ポイントの低下、前年比0.8ポイントの低下となった。低下傾向で推移したものの、高止まり感が続いている、3) 賃貸借面積は前四半期比3.6%の増加、前年比10.3%の増加となった、4) 2010年12月の近畿地域金融経済概況によると、企業の景況感には一部に慎重さも窺われるものの、企業収益の改善が続く中で、設備投資は緩やかに持ち直している。先行きについては、海外経済の動向などを注視していく必要があるとしている。こうした中で、2011年の新規供給は過去5年平均と比較して標準的な水準となっており、よって現行の賃料水準による統合や拡張移転の需要により、空室率は改善が一時的に見込まれる。但し、この需要が一巡すれば、空室率が再度悪化する懸念がある。賃料と価格は全体としては緩やかな下落基調で推移するだろう――としています。
 
 2010年第4・四半期の東京の物流市場については、1) 東京ベイエリアに所在する大型物流施設の平均賃料は、前期比1.0%の下落、前年同期比2.5%の下落の月額坪当たり5,925円となった。賃料の下落は10四半期連続となったものの、直近5四半期の下落率は極めて低い水準となっている、2) 2010年の金融経済月報によると、輸出は、当面、横ばい圏内の動きを続けた後、海外経済の改善を背景に、再び緩やかに増加していくとみられ、個人消費は駆け込み需要の反動が薄まるにつれ、再び持ち直していくと見られる。こうしたもとで、テナント需要は緩やかな回復を受け、2011年以降に予測される賃料の回復を着実に下支えするものと考えられる――としています。
 
 また、J-REIT市場については、1) 2010年末時点で、市場全体の時価総額は、前四半期比プラス20.9%、前年同期比プラス35.2%となる3.7兆円で、上場銘柄数は35となった、2) J-REITの合併が2件成立、ともに吸収合併方式を取った。ユナイテッド・アーバンは日本コマーシャルを合併し、ポートフォリオの総額が取得価格ベースで約3,904億円となり、J-REIT市場全体で上位に位置する規模へと拡大した。また、クレッシェンドはジャパン・シングルレジデンスを合併し、商号変更を行い「平和不動産リート」となった、3) J-REITインデックスは、2010年第4四半期末時点に1130.70となり、前四半期比195.33ポイントの上昇、前年比237.51ポイントの上昇となった。2009年9月以来、1年2カ月ぶりにインデックスが1000を回復した一方で、厳しい実態が浮き彫りとなったJ-REITもあった――としています。

 弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「東京Aグレードオフィスの空室率は前四半期に引き続き大幅に低下し、市場の需給改善が続いている。一方の大阪Aグレードオフィスは今後の未曾有の大量供給を前に未だ空室率が高止まりしている。その結果、東京では売主が強気になることで売り物件が枯渇している一方、大阪は大型売買が相次いで成立しており、市場の見通しの相違が売買市場における流動性にも現れている。中長期視点を持った投資家から見れば、現在の大阪市場は市場参入におけるハードルはむしろ東京より低いのではないか。」としています。
 
 アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)経済成長率は世界経済の成長率である4.1%増を大幅に上回り、およそ7.0%増の成長を記録した。輸出の伸びは減速してきたが、地域のほぼ全ての国において、消費者信頼感の改善と雇用拡大に下支えされ、個人消費は引き続き堅調となっている、2)インフレ圧力が域内に高まっている。2010年12月の中国のCPI(消費者物価指数)は前年同月比4.6%上昇、インドでは卸売物価が同8.4%の上昇となり、これらは中央銀行の目標数値を上回っている。域内の中央銀行の大半(日本を除く)が金利引き上げ、もしくはその他の引き締め政策を実施しており、この傾向はまだ続くと思われる、3)アジア・パシフィック地域の目覚ましい成長は、2011年も持続すると見込まれるが、外需と財政支出の減少により、そのペースはやや緩やかなものとなるだろう、4) しかし、地域の経済成長にはまだ様々なリスクが伴う。いまだ難局から抜け出せない欧米、域内の各国政府が抱えるインフレ圧力、通貨騰貴などがこれらのリスクの一部である。それでも、アジア・パシフィック地域の経済は、ゆるぎない成長推進力の存在に加え、これまで時宜を得た政策介入がなされており、短・中期的には確実に成長を続けると楽観視する――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)不動産市場のファンダメンタルズは景況感と雇用の安定化も相まって改善を続けている。一部の都市においてはオフィス拡張需要が移転・アップグレードの賃貸需要を上回り始めており、法人テナントが広いスペースを確保することが困難になってきている。そのため、賃貸市場はよりオーナーに有利となり、多くの都市が賃料サイクルの上昇フェーズに突入した。また、不動産価格は賃料に先駆けて回復しており、域内の大半の都市で上昇基調にある。また、投資活動も活発化しており、2011年の売買取引額はさらに増加すると見込まれる、2) オフィスセクターに関しては、2010年にはAグレードオフィス需要が高まり、年間のネット・アブゾープションは2009年から倍増した。第4四半期には、香港やシンガポールといった金融センターにおいて、金融機関や専門サービス企業の移転および拡張に伴い、賃貸需要が堅調であった。景況感の改善に伴い、2011年の域内におけるネット・アブゾープションはさらに増加すると予想される、3) リテールセクターでは、消費者信頼感と労働市況の明るさが域内の小売需要を牽引している。特に賃貸市場が活況を帯びているのは中国で、これまで以上に多くの世界的なブランドが市場参入に積極的であり、既存の小売業者は店舗拡大に前向きである。その一方で、香港とシンガポールでは、賃料の高騰によって小売業者が慎重姿勢を取っている。中華圏の都市に牽引され、第4四半期の賃料は、大半の都市において横ばいもしくは増加となっており、今後数期にわたり賃料の上昇が見込まれる、4) 住宅セクターでは、第4四半期には海外からの駐在員による需要が中華圏およびシンガポールの高級住宅市場を活況にした一方、東南アジアの都市では需要が低迷した。2011年も大半の都市で一桁台の伸びが見込まれるが、香港とシンガポールは比較的強い成長を示す可能性が高い、5) 域内のインダストリアル市場は、堅調な小売売上高と輸出の回復によって依然改善を続けている。第4四半期、賃料は中華圏の都市でさらに上昇し、シンガポールでは従来型およびハイテク産業向けのスペースの賃料が急上昇した――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の投資市場については、1) 商業用不動産の投資総額は、引き続き増加傾向にある。第4四半期の域内の投資総額は前年同期比32%増の250億米ドル、2010年通年では前年から29%増の850億米ドルとなった。シンガポール、オーストラリア、中国、香港を中心に大半の都市では大幅な伸びを記録したが、日本は依然域内の最大市場であるにもかかわらず、この傾向に反して投資総額が年間7%の減少となった、2)投資対象となる主要セクターは引き続きオフィスであるが、投資家は徐々にリテールとインダストリアルにも食指を動かし始めている、3) 2010年はアジア内の国内投資家による取引が大半を占めたが、この傾向は2011年も続くと予測される。域内の経済が非常に好調なことに加え、不動産市場のファンダメンタルズと資金調達コストの改善により、2011年の域内の投資総額が前年比2割程度の増加、1,000億米ドルに到達すると予測する、4) 今期、ほぼ全ての主要都市では第4四半期に不動産価格が横ばいもしくは上昇となった。今期オフィスセクターにおいて最も大幅な上昇を記録したのはシンガポールと上海、次いで香港、北京、広州となっている。市場ファンダメンタルズと投資家コンフィデンスが引き続き堅調に改善するにつれ、2011年に価格はほぼアジア・パシフィック地域の全都市でさらに上昇すると見られる。香港、東京、シンガポール、中国のTier1都市においては、オフィスの価格が10-25%上昇するだろう――としています。
 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2010年度の売上高は約29 億ドルで、全世界の60 カ国、750都市を網羅する180の事業所で業務を展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億6,000万平方メートル(約4,800 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約410 億ドルの資産を運用しています。
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国、77 事業所で約19,400名のスタッフを擁しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。www.joneslanglasalle.com