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News Release

2010年第3四半期不動産調査レポートを発表

東京Aグレードオフィスの空室率が改善


 2010年12月6日発信 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2010年第3・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

 2010年第3・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は前四半期比マイナス0.9%、前年同期比マイナス10.6%の28,373円となり、下落率は6四半期連続で縮小し、ほぼ横ばいとなった、2) 空室率は6.7%となり、前四半期比0.7ポイント低下し、2009年第1・四半期以来初めての改善となった、3) また、Aグレードオフィスビルの賃貸借面積は前期比2.9%増加、前年同期比1.6%増加した。賃貸事例には、引き続き解約や館内縮小が見られたものの、内部増床や1,000㎡を超える大規模な移転が再び見られた、4)今後12ヶ月の見通しとして、賃料がピーク時の6割程度となっていることから、Aグレードオフィスは賃料調整が進み、アップグレードやコスト削減戦略の一環として移転を検討するテナントが今後見られるだろう。供給は2011年まで比較的限定的な水準で推移することから、空室率は低下傾向で推移し、賃料の回復をサポートするだろう。売買取引価格は賃料の回復に支えられて、徐々に回復すると考えられる――としています。
 
 2010年第3・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は前期比マイナス0.5%、前年同期比マイナス13.8 %の11,144円となった。下落率は5四半期連続で低下したが、当期は下落率が1%を下回り、下げ止まり感が強まっている、2) Aグレードオフィスの空室率は、2006年第4・四半期の0.5%から上昇を続け、2010年第3・四半期に8.1%となった。但し、当期はわずか0.1%ポイントの悪化にとどまっている、3) 統廃合や解約による空室の増加は一旦落ち着く様相を呈し、成約面積が1,000㎡超の大規模な移転事例が見られた、4) Aグレードオフィスの投資事例は確認されなかったものの、CBDやその周辺で大阪に本社を置く企業による中小オフィスビル取得の動きが散見された、5) 大阪CBDに所在するAグレードオフィスビルの賃料は2008年第2・四半期のピーク時から6割程度まで下落、多くのテナントに、アップグレードとコスト削減をより低い賃料水準で実現できる機会を提供している。また、2007年から2008年の賃料ピーク時に竣工したビルに定期借家契約で入居したテナントは、これから契約満了時期に差し掛かるが、こうしたテナントは再契約を行わず、同程度のグレードでより値頃感のあるビルへの移転を選択する可能性がある。一方で、今後既存ストックの25%に相当する大量の新規供給が予定されており、空室率は押し上げられるであろう。したがって賃料はさらなる下落が見込まれるものの、その程度は限定的となると考えられる――としています。
 
 2010年第3・四半期の東京の物流市場については、1) 景気低迷期の2008年から2009年に竣工した物件で稼働率が向上した、2) 東京ベイエリアに所在する大型物流施設の平均賃料は、2010年第3・四半期末時点で前期比マイナス0,5%、前年同期比マイナス1.8%の月額坪当たり5,988円となった。前期比の下落率は4四半期連続で1%を下回り、下げ止まり感が強まっている、3) 今後12ヶ月の見通しとしては、現行の賃料水準は直近のピークと比べて8割程度となり、値頃感を増していることから、テナントによっては移転・拡大の機会ととらえる可能性がある。したがって、大型物流施設の空室は減少する可能性があるものの、賃料上昇には至らないだろう。賃料と価格は当面横ばい傾向で推移するだろう――としています。
 
 また、J-REIT市場については、1) 2010年第3・四半期末で市場全体の時価総額は、前四半期比プラス8.1%、前年同期比プラス4.3%となる3.1兆円で、上場銘柄数は37となった、2) スターツプロシードが東京証券取引所に上場、その後大阪証券取引所JASDAQ市場の上場廃止を行った。複数の市場に上場するJ-REITは東証と福岡証券取引所に上場する福岡リートのみとなった、3) J-REIT向けの「レバレッジ付き信託受益権スキーム」をみずほ信託銀行が開発し、第1号案件として、ジャパン・オフィスとオリックス信託銀行との間で契約が締結された。新たな資金調達手段ができたことで、J-REIT市場の下支えに寄与すると考えられる――としています。

 弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「割安感の高まった東京Aグレードオフィス賃料はテナントの統合やアップグレードニーズを確実に掴んでいる。その結果が6四半期ぶりとなる空室率の改善に現れたと考えている。空室率が改善した一部ビルのオーナーは賃料の引き上げ、フリーレントの削減といった強気姿勢に傾きつつある。この動きが市場全体に波及することで市場に本格的な回復期が訪れると予想され、そのタイミングはそれほど遠くないだろう」としています。
 
 アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)依然として堅調に推移しており、経済成長率は世界を大きく上回っている。ほとんどの国で力強い個人消費が続いており、消費者コンフィデンスの向上と雇用拡大がこれを裏付けている、2)2010年第2・四半期はほぼすべての国で成長トレンドの継続が見られた。数カ国が現時点で第3・四半期の値を発表している。中国、韓国、シンガポール、インドネシアの経済成長率は第3・四半期に前四半期比で減速したが、ベトナムの経済成長率は加速している、3)一部の国では依然としてインフレ圧力が高い水準にとどまっている。ほとんどの中央銀行が利上げやその他の緊縮処置を導入し始めている。利上げ幅が最大となったのはインド、オーストラリア、ベトナムで、金利をそれぞれ150bpから200bp引き上げている。韓国、台湾、タイ、ニュージーランドを含む幾つかの国々では、6月から7月にかけて緊縮財政が導入された、4) 経済成長には下振れリスクが残る。欧米経済は依然として大きな課題に直面しており、アジア・パシフィック地域は欧米からの需要の縮小に対して大きなエクスポージャーを抱えている。さらに、ここのところ域内の多くの通貨が大幅に上昇していることも、輸出競争力を脅かすトレンドである。しかし、多くのアジア・パシフィック諸国の国内景気が改善していること、負債比率が概して低いこと、構造的要素が堅調であることから、短・中期的には堅調な成長軌道が続くだろう――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)不動産市場のファンダメンタルズは域内全体で改善が続いており、経済情勢と景況感の改善がこれを裏付けている。賃貸借面積は増加傾向にあり、一部市場では法人テナントが供給不足に直面している。この結果、賃貸市場は貸手市場色が強まり、賃料サイクルの上昇フェーズに突入した市場が増えている。価格の回復は賃料に先行し、現時点ではほとんどの市場が底入れしている。第3・四半期は投資活動も堅調となり、今後は取引額のさらなる増加が予想される、2) アジア・パシフィック全域のTier1都市に所在するオフィスのネット・アブゾープションは、2010年第3・四半期に前四半期比27%増加して150万㎡に達した。依然として、移転およびアップグレード需要を受けて賃貸借面積が増加しているが、香港、シンガポール、中国、インドのTier1都市などでは、拡張需要も増えている。賃料は域内市場のほとんどで上昇し始めているが、ソウル、台北、一部の東南アジアといった市場では下落が続いている、3) リテールセクターでは、インターナショナルブランドの進出が続く中国では特に新築モールの需要が旺盛となっているが、賃料の高騰を受けて、香港とシンガポールの小売業者はより慎重な姿勢を取るようになっている。ほとんどの小売市場で2010年第3・四半期の賃料は安定、または上昇した、4) 住宅セクターでは、2010年第3四半期、賃貸需要は中華圏とシンガポールの高級住宅市場で回復したが、東南アジア市場の多くでは低迷が続いた。中華圏やシンガポール等の市場では、企業が事業拡大を再開し、駐在員数が増加しているため、高級住宅の賃料は賃料サイクルの上昇フェーズに突入、今後12ヶ月間にかけてほとんどの市場で一桁台の上昇が予想される。香港とシンガポールの成長率はそれ以上となる可能性が高い、5) 域内のインダストリアル市場は、貿易や小売売上高の好調に支えられて改善を続けている。中華圏の市場では賃料が上昇し始めており、シンガポールのハイテクおよび従来型工業スペースも同様に上昇している――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の投資市場については、1) 投資家の信頼感が高まっていることから、投資市場が改善を続けている、2)2010年第3・四半期の域内の商業用不動産の直接投資総額は182億米ドル相当と、前四半期比14%の増加となった。域内最大の投資市場である日本は投資総額の30%近くを占め、オーストラリア、シンガポール、香港がこれに続いた。当四半期において最も好調であった市場はシンガポールであり、オフィスの大型取引が相次いで、投資総額は前四半期比360%の増加を記録した、3) 域内の取引は引き続きアジア域内および国内投資家に牽引されているが、域外の投資家の動きも活発化し始めている。市場ファンダメンタルズの一層の改善に伴い、2010年通期の投資総額は2009年を約15%上回るものと予想している――としています。
 
本レポートの調査対象地区は次の通りです。
   東京CBD(中心業務地区):千代田区、港区、中央区
* 大阪CBD(中心業務地区):北区、中央区
 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2009年度の売上高は約25 億ドルで、全世界の60 カ国、750都市を網羅する180の事業所で業務を展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億5,000万平方メートル(約4,500 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約400 億ドルの資産を運用しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
www.joneslanglasalle.com
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国、77 事業所で約19,000名のスタッフを擁しています。