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News Release

2010年第2・四半期不動産調査レポートを発表

東京Aグレードオフィスの賃料の下げ止まり感が強まる


  2010年8月31日発信 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2010年第2・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

 2010年第2・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は前四半期比マイナス1.4%、前年同期比マイナス16.0%の28,643円となり、下落率は5四半期連続で縮小し、下げ止まり感が強まっている、2) 空室率は集約や解約の増加を反映して前四半期から0.6ポイント上昇し、7.4%となった。IT企業による比較的旺盛な需要が、六本木サブマーケットにおいてみられたものの、集約、解約、部分解約による移転需要が大半であったことから、総じて空室率の増加へとつながった、3) 今後12ヶ月の見通しとして、需要に関しては、牽引役となる産業の不在が続いていることから、概ね弱含みの状態が続くものと考えられる。また、東京都の環境確保条例などの環境負荷の低減を義務化した政策の施行により、「環境不動産」への需要が徐々に増加すると期待される。新規供給の点からは、2010年の総供給量が過去5年平均と比較して限定的な水準にとどまっていることから、賃料と価格は概ね横ばい圏内で推移するであろう――としています。
 
 2010年第2・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) 景気後退の影響と全国有数の支店営業拠点である地域柄を背景として、全体的にBグレードオフィスに対する需要が高まっている、2) 2009年から2013年にかけてのAグレードオフィスマーケットでの新規大量供給を懸念して、2012年に竣工を予定していた「大阪郵便局建替計画」の延期が発表された。これにより、新規供給は年平均110,000㎡まで引き下げられ、オフィス床の供給圧力が若干緩和される格好となった、3) 2010年第2・四半期末時点の大阪Aグレードオフィスビルの賃料は月額坪当たり11,195円となり、前四半期比3.0%、前年同期比20.9%のマイナスとなった。2008年以降8四半期連続の下落となったものの下落率は4四半期連続で低下している、4) 大阪CBD*に所在するAグレードオフィスの空室率は8.0%となり、前四半期比1.3ポイント上昇した、5) 今後12ヶ月の見通しとして、テナント需要は緩やかな改善が期待されるものの、大量供給が相殺する可能性の高いことから、空室率の上昇による賃料の下落が続くと予想される。価格もこれにともない下落傾向で推移するものと考えられる――としています。
 
 2010年第2・四半期の東京の物流市場については、1) 大型物流施設に対する需要は、国土交通省の総合物流施策や企業の物流効率化の取り組みによる3PL事業需要の高まりから、引き続き比較的底堅く推移している。また、通信販売関連企業による需要もめだっている、2) 延期されていた開発計画の再開が見受けられ、市場に明るい兆しが見え始めた、3) 東京ベイエリアの賃料は、2010年第2・四半期末時点で月額坪当たり6,021円となり、8四半期連続の下落となった。下落率は、前期比0.4%の下落、前年同期比2.9%の下落となり、下げ止まり感が強くなっている、4) 今後12ヶ月の見通しとしては、新規需要には物流効率化の取り組みを受けて拡大を図る3PL事業会社や売り上げ増加を続けるネット通販関連会社が考えられるものの、引き続き概ね弱含みで推移すると考えられるため、賃料と価格はともにほぼ横ばい圏内で推移するだろう。また、東京都改正環境確保条例が4月より施行され、年間エネルギー使用量1,500kl以上の事業所が規制対象となることから、特にエネルギー消費の大きい冷凍冷蔵倉庫でエネルギー効率向上のための借り換え需要が徐々に高まる可能性がある――としています。
 
 また、J-REIT市場については、1) 2010年第2・四半期末で市場全体の時価総額は、欧州のギリシャ財政危機に端を欲した新たな金融不安を受けて下落傾向で推移し、2010年3月末比4.0%減となる2.8兆円となった、2) 公募増資や不動産市場安定化ファンド(官民ファンド)を活用した資金調達が行われ、J-REITの資金調達環境が改善されている状況を示した、3) 東京証券取引所はJ-REITの新たな指数「東証REIT用途別指数シリーズ」を作成し、各REITを保有する物件の用途別に「オフィス」、「住宅」、「商業・物流等」に分類し、日次で更新していく――としています。

 弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「ここにきてユーロ圏の財政危機による世界経済の二番底懸念と円高が、テナント企業の行動を慎重にさせている。ロンドンや香港、シンガポールといったアジア主要各国の賃料が既に底打ちした一方で、東京Aグレードオフィス賃料は未だわずかながらも下落が続いている。しかし、既に2008年ピークから4割以上の調整がなされた東京オフィス賃料は、テナントからみた割安感が非常に高まっており、ひとたび世界経済の不確実性が解消されることとなれば、底打ちを見せるのも時間の問題であろう」としています。
 
 アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)国内セクター、対外セクターとも幅広い成長が続いている。しかし、地域内に逆風も生じており、一部の国ではインフレ圧力が燻っている。とりわけ経済成長率をより持続可能な水準に抑えようとする中国政府の政策に注目が集まっている、2)域内の中央銀行のほとんどが利上げやその他の財政緊縮措置を導入し始めている。利上げ幅が最大となったのは、オーストラリアとインドで、金利をそれぞれ150bpと100bp引き上げている。韓国、台湾、タイ、ニュージーランドを含むいくつかの国々では、2010年第2・四半期に緊縮財政が始まった、3)域内の経済は成長軌道に乗っており、今年の経済成長率は直近の過去平均を大きく上回る模様である。グローバル・インサイト社は7月に発表した最新の予想で、同地域の経済成長率は2009年の1.6%増に続き2010年は6.5%増と予想しているのに対し、世界の経済成長率は3.8%増としている。2011年については、アジア・パシフィック地域の経済成長率はより緩やかな5.2%増と、2003年から2007年の平均成長率並みに落ち着く見通しである、4) 経済成長には下振れリスクが残る。金融市場は依然として世界経済の状況に関する様々な兆候に敏感に反応しており、アジア・パシフィック地域も他地域からの輸出需要が縮小する可能性が大きい。各国政府は経済成長とインフレ圧力を慎重に管理しなければならないが、上半期の経済指標が堅調であったことから、アジア・パシフィック地域は2010年も大幅なアウトパフォームが予想される――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)不動産市場のファンダメンタルズは引き続きアジア・パシフィック全域で改善している。ネット・アブゾープション(一定期間内での稼働床面積の差異)は継続的に増加しており、一部市場では法人テナントが供給不足に直面している。この結果、賃貸市場は貸し手優位となってきており、より多くの市場が賃料サイクルの上昇期に移行している、2) 価格は賃料よりも早い時期に回復をはじめ、現時点ではほとんどの市場で底入れしている、3) 投資市場は第2・四半期に動きが沈静化したものの、これは一時的な減速とみられている。アジア・パシフィック地域における商業用不動産の取引総額は160億米ドル相当と、前四半期比32%の減少となった。ただし、全体的な取引総額は前年同期比ベースで24%の増加となっている。域内最大の投資市場である日本は、合計取引総額の40%近くを占め、香港、オーストラリア、台湾がこれに続いた。買い手は、依然として国内の投資家やアジア地域内の投資家にほとんど占められている。市場ファンダメンタルズのさらなる改善により、2010年下半期は投資活動が一層活発化することが予想され、通期の取引総額は対2009年比で30%前後増加する見通しである、4) 経済情勢と金融市場についてはある程度の不透明感が残るものの、アジア・パシフィック地域の不動産市場は2010年の後半を通じて、ファンダメンタルズと投資活動の水準が一段と改善すると予想される。賃貸需要がさらに強まることで、賃料の上昇率は2010年の後半を通じて勢いを増し、2011年以降も加速するであろう。価格は一段と上昇する見込みであり、短期的には賃料と同程度の水準で推移するだろう――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の投資市場については、1) 投資家センチメントが第2・四半期にかけて悪化した背景には、欧州と米国が直面している問題や中国政府による景気抑制策の影響評価を投資家が試みていたことがあった。多額の問題債権や投資先を求める余剰資金を考えれば、現在の足踏み状態は長く続かないだろう、2)賃貸市場のファンダメンタルズは概ね堅調で、ネット・アブゾープションは第1・四半期比13%増となっている。こうした着実な需要がオフィス市場の新規供給を旺盛に吸収している。需要が徐々に回復し供給が減少したことで、ほとんどの賃貸市場で賃料は底を打ち、現在は多くの市場が回復に向かっている、3) 見通しとしては、アジアの買い手が市場を席巻しており、背景には2007年の借入に依存した消費ブーム時の負の遺産が少ないことがある。ファンダメンタルズの改善が続くようであれば、国際的な資金の流入が増加し始める時期も遠くはないだろう――としています。
 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2009年度の売上高は約25 億ドルで、全世界の60 カ国、750都市を網羅する180の事業所で業務を展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億5,000万平方メートル(約4,500 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約380 億ドルの資産を運用しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
www.joneslanglasalle.com
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国、75 事業所で約18,500名のスタッフを擁しています。