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News Release

2010年第1・四半期不動産調査レポートを発表

J-REITによる取引が活発化


 2010年6月3日発信 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2010年第1・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

 2010年第1・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料は前期比マイナス3.7%、前年同期比マイナス22.0%の29,060円となり、賃料は8四半期連続で下落したが、下落率は4四半期連続で縮小した、2) 空室率は6.8%となり、前期比0.3ポイント悪化した、3) 銀行の融資姿勢に大きな変化は見られないが、増資再開を背景としてJ-REITによる取得の動きが活発化している。また、CMBSの大量償還によるディストレスアセットを虎視眈々と狙う投資家もいる、4) 今後12ヶ月の見通しとして、新規供給は2010年通期で140千㎡と過去5年平均と比較すると限定的である。また、当四半期の後半に入り大規模な空室を抱えていた一部のオフィスビルで空室率の改善が進み、オーナーもコンフィデンスを取り戻し始めている――としています。
 
 2010年第1・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) オフィス統廃合が続き、依然として需要が低迷する中で、一部のAグレードオフィスビルはBグレードオフィスビルの水準まで賃料を減額し、テナント誘致を行っている、2) 第1・四半期の坪当たりの平均月額賃料は前期比マイナス4.7%、前年同期比マイナス26.8%の11,546円となった、3) 空室率は6.7%となり、前期比0.3ポイント改善した、4) 今後12ヶ月の見通しとして、2010年通期の新規供給は133千㎡と大規模であり、空室率の上昇が懸念される。したがって、賃料は引き続き下落傾向で推移すると考えられる。ただし、下落余地はわずかであるため、下落率は引き続き縮小傾向で推移するであろう――としています。
 
 2010年第1・四半期の東京の物流市場については、1) テナント需要は全般的に持ち直している。また新規供給は見られなかった、2) 今後12ヶ月の見通しとしては、外需の改善と金融危機の反動を反映して、物流量に関連する各指標は記録的な伸びを続けており、テナント需要を下支えするであろう。ただし、消費者コンフィデンス関連指標は総じて一進一退の動きとなっており、個人消費は当面横ばい圏内で推移すると見られている。こうした中で、今後の新規供給は限定的である。したがって、賃料は横ばい圏内で推移すると見られる――としています。
 
 また、J-REIT市場については、1) 2010年第1・四半期末で市場全体の時価総額は3.0兆円、2) J-REIT間の新設合併・吸収合併に係り、上場銘柄数は前四半期末の41から減少して38となった、3) アドバンス・レジデンス(ADR)が東京証券取引所に上場した。資産総額は取得価格ベースで3,466億円超、賃貸住宅特化型J-REITで最大規模となった、4) 前期に引き続き、公募を含む大規模な増資の実現等により、取引件数は大幅に増加した。投資総額はオフィスセクターへの投資割合が高くなっており、ロジスティクスとリテールセクターでも大型の取引が見られた。特徴として、資産の入れ替えが行われている――としています。
 
 日本の不動産業界における環境対策トレンドについては、1)「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の改正、東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の改正が2010年4月から完全施行された、2)実際の温室効果ガス削減義務達成に向けては、省エネ型設備の導入などが中心と考えられるが、これらのみでの対応には限界があり、排出量取引も併用しながら取り組むことが現実的、3)排出量取引のうち、「超過削減量」は削減義務が毎年継続的に課せられることから、削減実績を売却する事業者は極めて限られると考えられ、売却額がかなりの高値となることが予想される。また、「再エネクレジット」の再エネクレジット購入価格は未確定であるものの、通常のエネルギー価格と比較するとかなり高いものになると考えられる。よって、これらの方法は、企業のコスト負担が大きくなるとみられ、実効性は限定的なものにとどまると予測される。「都内中小クレジット」および「都外クレジット」の方法による影響については、中小オフィスや東京都外に所在している支店・サテライトオフィス等を多く有する企業において、オフィスをエネルギー効率の高い大規模ビルへ集約・統合することで削減が可能となることから、今後Aグレードビルへの需要が高まることが予想される、4)テナントにも定期報告義務が発生することから、エネルギー消費量の把握が容易なビルが競争優位性を持つようになるだろう――としています。

 弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「一部の東京Aグレードオフィスビルにおける賃料の下げ止まりの動きとともに、オーナー側のセンチメントにも改善が見られており、賃料は概ね底値圏に入ったと考えている。また、現在の賃料水準を魅力的と見たテナントによる集約・アップグレードといった移転事例も増加傾向にあることから、賃貸市場ファンダメンタルズの改善が実際の数値として現れてくる時期も近いであろう」としています。
 
 アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)2010年当初の数ヶ月間、域内の国内セクター、対外セクターはともに幅広い経済成長を見せた。5月に発表された最新のニールセン世界消費者景況感調査によれば、当四半期のアジア・パシフィック地域の景況感改善幅は世界で最大となり、シンガポール、インド、中国、台湾で大きな伸びが見られた、2)域内全体で幅広い景気改善が見られる。中国の実質GDP成長率は2009年第4・四半期の前年同期比10.7%増から当四半期には同11.9%に加速、日本でも小売売上高の回復に牽引され、当四半期の経済成長率は前四半期比1.2%増、年率換算で4.9%増となっている。加えて、シンガポールでも、おもに製造業セクターの急拡大により、当四半期の成長率は前年同期比15.5%増と非常に力強い経済成長を見せている、3)金融引き締めは欧州と北米に先行している。域内の一部の中央銀行は利上げに踏み切っており、今後数ヶ月間にかけてこの動きが広がる見通しである。4) 2010年のアジア・パシフィック地域の経済成長は世界を上回る見通しである。しかし、域内経済の成長には、依然として下振れリスクが存在する。金融市場は引き続き脆弱であり、現時点では欧州の財政問題に関する懸念と、最近の政策措置による中国経済の減速の可能性が足かせとなっている。中国同様、域内の各国政府は景気刺激策の解消に際して慎重な検討が課されているが、アジア・パシフィック経済の原動力は引き続き堅調であり、2010年もアウトパフォームが見込める優れた位置づけにある――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)経済ファンダメンタルズの回復に裏付けられ、アジア・パシフィック地域の不動産市場ではここ数四半期間、全般的に取引水準が改善している。賃借面積が増加して賃料の循環サイクルは下げ止まりに向かいつつあり、一部市場では上昇フェーズに移行している、2) 投資活動も2009年半ばから増加しており、価格はほとんどの市場で底を打っている。2010年第1・四半期には、商業用不動産の直接投資総額が約233億米ドルとなり、前四半期比25%増、前年同期比55%増に達している。域内最大の市場である日本は、REIT投資の活性化にも支えられ、アジア・パシフィック地域の投資総額の40% 超を占めた、3) 2010年第1・四半期に東京のオフィス市場では価格の下落率が前四半期比で低下し(5.1%下落)、一方でシドニーやシンガポールを含む他の多くの市場では価格が安定化した。中華圏の市場では堅調な投資活動に支えられ第1・四半期を通じて価格上昇が続いた。今後は、2010年を通じてほとんどの市場で価格は比較的緩やかに上昇すると予想され、政策措置により少なくとも短期的には上昇率が抑制されるだろう、4) 域内の景気回復が今後も継続することを前提にした場合、アジア・パシフィック地域の不動産市場は2010年の残りの期間を通じてファンダメンタルズ、取引水準ともに更なる改善が見込まれる。多くの市場が引き続きテナント優位の様相を示しているものの、賃料は今後数四半期を通じて全般的に上昇が見込まれ、2011年以降は上昇率が加速するだろう。同様に、価格も今後12ヶ月間を通じて概ね賃料の上昇率に沿った上昇が見込まれる――としています。
 
* 東京CBD(中心業務地区):千代田区、港区、中央区
** 大阪CBD(中心業務地区):北区、中央区

ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2009年度の売上高は約25 億ドルで、全世界の60 カ国、750都市を網羅する180の事業所で業務を展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億5,000万平方メートル(約4,500 万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約400 億ドルの資産を運用しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
www.joneslanglasalle.com
 
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国、76 事業所で約17,800名のスタッフを擁しています。