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News Release

Tokyo

オフィス賃料 東京16四半期連続で上昇、大阪 7四半期連続で上昇  上昇ペース 東京で減速 大阪で加速

「ジャパン プロパティ ダイジェスト 2016年第1四半期」を発表


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2016年5月24日 東京

総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河西利信)は、日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2016年第1四半期」を発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。

東京のAグレードオフィス市場
賃料
16四半期連続の上昇
月額坪当たり35,652円(共益費込)となり、前期比0.7%、前年比5.2%の上昇となり、16四半期連続の上昇となった。

空室率
2四半期連続で2%台
空室率は2.3%となり、前期比0.4ポイント上昇、前年比0.7ポイント低下した。2四半期連続で2%前後の低位で推移したものの、新規供給の成約率が総じて50%程度だったことを反映して、小幅上昇となった。

ネット・アブゾープション※1 
既存ビルと新築ビルにおける堅調な拡張需要と移転需要を背景に、ネット・アブゾープションは80千㎡となり、過去10年平均比13%増と好調に推移した。アブゾープションを産業別にみると、卸売業・小売業、金融業・保険業、製造業等のテナントが活発となった。

供給
新宿サブマーケットにおいて「JR新宿ミライナタワー」(貸床面積55千㎡)と「新宿ガーデンタワー」(貸床面積56千㎡)が竣工、新規供給は111千㎡となり、ストックは前期比2%増加した。

価格・投資利回り
価格は緩やかに上昇
価格は前期比2.3%、前年比15.1%の上昇となった。賃料上昇と前回の最低水準を下回る歴史的低水準に低下した投資利回りを反映した。投資総額は、マイナス金利政策導入による売主のリファイナンス環境の改善などにより、市場の物件が限定的となったことから比較的抑制された。

12ヵ月見通し
2016年の賃料・価格ともに上昇ペースは減速
2016年の新規供給は過去10年平均比160%程度になるものの、成約状況は順調である。一方、需要は堅調となる見通しであることから、空室率は引き続き3%を下回る水準で推移するとみられる。賃料は引き続き上昇するが上昇ペースは2015年比で減速し、価格はそれらの賃料動向を反映し、上昇ペースが減速する見通し。

※1当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減


大阪のAグレードオフィス市場
賃料
7四半期連続の上昇
月額坪当たり16,722円(共益費込)。前期比2.2%の上昇、前年比4.5%の上昇となった。7四半期連続の上昇。さらに、上昇ペースの加速フェーズは3四半期連続。需給バランスの改善を背景に、優良物件は品薄感が認められる。賃料上昇をけん引したサブマーケットには梅田と御堂筋が挙げられる。

空室率
8年ぶりに5%を下回る
空室率は4.5%、前期比1.1ポイント、前年比3.3ポイントの低下となった。堅調な需要と限定的な新規供給を背景に、空室率は2008年以来8年ぶりに5%を下回った。サブマーケット別にみると、中之島の空室が大きく減少した。

ネット・アブゾープション
経済の緩やかな回復を背景に、築浅ビルにおける拡張需要や新規賃借需要が堅調となり、ネット・アブゾープションは19千㎡で、過去10年平均比22%増と好調だった。産業別にみると、製造業、金融業・保険業、情報通信業の引き合いが強くなっている。

供給
2016年を通して予定されていない。

価格・投資利回り
価格は10四半期連続の上昇
価格は前期比6.0%、前年比30.9%の上昇となり、一層の賃料上昇と投資利回りの低下を反映して、上昇ペースは加速した。投資家の関心は引き続き高くなっているものの、市場に供給される物件は引き続き限定的で、投資総額を抑制した。

12ヵ月見通し
賃料と価格ともに上昇局面続く
堅調な需要と限定的な新規供給を背景に、2016年にかけて空室率は緩やかに低下し、2016年の賃料上昇率は概ね2015年比並みとなる見通し。賃料上昇を反映し、価格の上昇率も2015年並みとなる見通し。

JLLリサーチ事業部長の赤城威志は、次のように述べています。
「2016年の金融市場は世界経済の先行き不透明感を受けて波乱の幕開けとなったものの、日本の不動産市場は引き続き上昇局面にあります。東京・大阪ともAグレードオフィス市場は低位な空室率を背景に、賃料は引き続き上昇しています。先行きについては、上昇基調が続くと予想しているものの、将来の新規供給予定が市場に与える影響等に注視する必要があります。投資市場では、マイナス金利政策の導入により資金調達環境がさらに良化したJ-REITがスポンサーからの物件パイプラインを生かして取得活動を活発化させています。現実の市場における物件供給が少ない中、投資主体の購入意欲も一層高まっているため、今後の投資市場の活性化が期待されます。」


東京のリテール(商業施設)市場
賃料
賃料は引き続き上昇
月額坪当たり77,586円(共益費込)。前期比0.5%、前年比6.1%の上昇となった。賃料は銀座1階で上昇がみられたほかは概ね安定的に推移した。

価格・投資利回り
価格は10四半期連続で上昇
価格は前期比3.7%、前年比 23.5%の上昇となった。賃料の小幅上昇と投資回りの一層の低下を反映した。当四半期の投資事例には、日本リテールファンドによる「Gビル銀座中央通り01」の取得(価格130億円、NOI利回り2.8%)が挙げられる。一方で、市場に供される物件が限定的となっていることから、投資総額は低迷した。

需要
堅調な出店需要続く
インポートブランドや飲食店の出店需要は引き続き堅調となり、第1四半期は多くの新規出店がみられた。表参道ヒルズに出店したGiuseppe Zanotti Design、ブシュロン、Sergio Rossiが挙げられる。また、三越銀座には、空港型免税店Japan Duty Free Ginzaが開業した。

12ヵ月見通し
賃料と価格ともに緩やかな上昇局面続く
出店需要は引き続き底堅く推移する一方、新規供給は限定的となることから、需給は引き続き逼迫するとみられる。これを受けて、賃料と価格は緩やかな上昇基調で推移する見通し。


東京のロジスティクス(物流)市場
賃料
2四半期連続で下落 
月額坪当たり4,147円(共益費込)、前期比0.8%の下落、前年比0.3%の上昇となった。既存物件の賃料は安定的に推移したものの、大量供給を背景に、内陸エリアにおける新規供給物件が平均を下回る賃料で募集を行っていることから、2四半期連続で小幅ながらマイナスとなった。

空室率
大型の新規供給により2四半期連続で上昇
2四半期連続で総計400千㎡を超える大型の新規供給を市場に迎え、空室率は8.1%、前期比1.6ポイント、前年比4.3ポイントの上昇となった。新規供給はインランド全体にかけて供給され、竣工時満室稼働物件もみられた。

価格・投資利回り
価格は14四半期ぶりの下落
価格は前期比1.1%の下落、前年比6.9%の上昇となり、賃料の下落を反映して14四半期ぶりの下落となった。投資市場では、ラサールロジポート(J-REIT)が新規上場にあたり、東京圏に所在する8物件を総額1614億円で取得した。ロジポート流山B棟(266億円、NOI利回り4.8%)とロジポート北柏(253億円、NOI利回り4.6%)が含まれる。

ネット・アブゾープション
新規供給は434千㎡となり、ストックは前期比7%増加した。グッドマンビジネスパーク千葉イースト(延床面積133千㎡)、プロロジスパーク吉見(延床面積109千㎡)、(仮称)野田物流センター(延床面積74千㎡)を含む物流施設が竣工した。

12ヵ月見通し
賃料、価格ともに緩やかに上昇
2016年の新規供給は過去10年平均比195%程度となっているものの、3PLなどの新築物流施設への需要を喚起するとみられることから、空室率は2016年にかけて低下するとみられ、賃料の緩やかな上昇基調を支える見通し。価格は、賃料上昇を反映して緩やかに上昇する見通しである。


東京のホテル市場
需要
訪日外国人客が旺盛な宿泊需要を創出 
円安を背景に、訪日外国人客数は、2016年2月に過去2番目の単月記録を記録し、年初来2月までの累計は3.74百万人となった。2015年の都内総延べ宿泊者数は、対前年比7.2%増の53.4百万人だった。対前年比30.8%増を記録した外国人宿泊者数の増加が寄与した。尚、日本人延べ宿泊者数は、昨年から横ばいの37百万人程度であった。 

供給
第4四半期の4ツ星、5ツ星ホテルの新規供給はなし
ホテルの新規供給ではないが、オークウッドプレミア東京(123ユニット)が、2016年1月に開業した。都内の他のサービスアパートとは異なり、オークウッドプレミア東京はホテル営業許可証を有し、1泊からの滞在が可能である。
2016年は、2軒の5ツ星ホテルの開業が予定されている。星のや東京が客室数84室の高級旅館を丸の内エリアに、またザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町が客室数250室のホテルを旧グランドプリンス赤坂跡地にそれぞれ開業を予定している。 

運営パフォーマンス
好調な運営パフォーマンスを維持
東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当り販売可能客室数当り宿泊売上(RevPAR)が2016年初来2月までの累計で前年比9.8%の増加と昨年から成長が持続している。客室稼働率と平均客室単価(ADR)の双方が上昇したことによる。また、年移動平均でRevPARは2012年第2四半期以来、継続して成長軌道にある。

売買
第4四半期は東京の4ツ星及び5ツ星ホテルの取引は見られなかった。

12ヵ月見通し
RevPARは成長するものの、ペースは減速 2015年は円安拡大が国内ホテルのUSドル建のADR上昇を相殺するかたちでRevPARの高い伸びに貢献した。一方、2016年は世界経済に影響を与えるテロや中東情勢といった脅威からのリスク回避の姿勢から、円高基調への転換が予測される。これまでのADRの急上昇に歯止めがかかることにより、RevPARの成長ペースは減速すると見込まれる。マーケット環境の改善により、投資家のホテル投資意欲は高い一方で、ホテルオーナーがキャッシュフローの向上を享受するため、当面はホテルを保有する意思が強く、売り物件が限定され、ホテル取引件数が伸びにくい状態が続くことが予測される。 

JLLホテルズ&ホスピタリティ事業部マネージングディレクターの沢柳知彦は、次のように述べています。
「2016年もホテル業は好調を維持しており、近時の円高傾向もインバウンド客の日本への旅行意欲に大きな影響は与えていないことが伺えます。日本政府は2016年3月に、2030年における訪日外国人観光客の目標を6,000万人とする観光ビジョンを打ち出し、また都市部を中心にホテルの客室が不足している問題を解消すべく民泊普及の法整備に着手するなど、観光立国に向けた環境づくりにも本腰を入れ始めています」

【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の一部)の新型物流施設
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット





JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界80ヵ国、従業員約60,000名、280超拠点で展開し、年間の手数料収入は約52億米ドル、総売上高は60億米ドルに上ります。2015度は、プロパティマネジメント及び企業向けファシリティマネジメントにおいて、約3億7,200万㎡(約1億1,253万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、1,380億米ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネジメントは、総額564億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。

JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、92事業所で33,000名超のスタッフを擁しています。JLLは、2016年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックにて、合計15の賞を受賞しました。2015年ユーロマネー・リアル・エステート・アワードでは、最優秀リアル・エステート・アバイザーに選出されました。