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News Release

Tokyo

【Notes from Davos】コリン・ダイヤー:イノベーション志向都市の台頭


グローバリゼーション、都市化、イノベーションが進む中、「成功」都市の定義が変わりつつあり、世界の都市ヒエラルキーの形も新しくなっています。都市の成功は、その規模や昔から受け継がれている特性を考えるだけでは測りきれなくなり、今日では、イノベーション、暮らしやすさ、絶え間なく変化する社会経済的動向に合わせて順応していく変革力が、ますます重要な要素となっています。

JLLの「シティ・モメンタム・インデックス(CMI)」は、都市経済や商業用不動産市場の変化スピードを追跡調査し、最も活況を呈している都市を特定しています。不動の世界都市から新興都市に至るまで世界120都市を対象とし、今年で3年目の発刊となったCMIでは、各都市の短期的な社会経済モメンタムや商業不動産モメンタムを、「フューチャープルーフな」指標と組み合わせて測定しています。フューチャープルーフな指標とは、教育、イノベーション、環境の観点において、長期的に持続可能なモメンタムを確保する必須要素がその都市にあるか否かを測定するものです。CMIは、都市の不動産市場動向(新規建設及び入居率動向、賃料及び価格動向、クロスボーダーの資金や企業にとって魅力的な構築環境)を捉えているという点で、独自性のあるインデックスです。


イノベーション志向都市がCMIの上位20位を占める
ロンドン、サンフランシスコ、シドニーなど、2016年のCMI「上位20都市」の多くには、新たなアイディアを考え商業化するチャンスを作り出し、発展させた活気ある複合地区が目立ちますます。この事実は、都市のモメンタムにGDP成長率以上の要素が関わっていることを示しています。モメンタムを得るには、テクノロジーを活用したイノベーション志向の経済を構築することも必要であり、つまり、最先端の新しいビジネスを創出するということです。そして、優秀な人材を惹きつけ、多様性のある幅広い人材を育てることも必要です。

モメンタムの原動力となる不動産
不動産が、創造性やイノベーション、起業家精神を促進するためのインフラや環境を提供し、都市のモメンタムを押し上げる役割を果たすことができるという認識が、都市関係者の間で一層広まっています。その結果、不動産はもはやビジネスのための単なる箱ではなく、企業や有能な人材を惹きつける要素となっています。

変革を促すプロジェクトがモメンタムを生み、都市に競争力をもたらす
モメンタムを構築する、あるいは今の競争力を維持するためには、大胆な変革を行うことが必要です。増加する都市人口の需要を満たし、逼迫する資源に対処し、これまでとは違う新たな経済活動へのシフトを下支えするために、こうした取り組みは必須となるでしょう。JLLは、都市の変革を促す世界の主要プロジェクト500案件を追跡調査していますが、先見性のある革新的な重要プロジェクトのいくつかが、CMIの上位20都市で行われているのは偶然でもなく、また、驚くべきことでもありません。

「不動の世界都市」、「新興世界都市」、「新たな世界都市」の新モデル
世界のこれまでの都市ヒエラルキーが変わりゆく中、新たな形態の都市群が出現しています。この事実は、成功するイノベーション志向都市の様相や規模は、これまでの都市モデルとは異なることを示しています。

「Established World City (不動の世界都市)」(ロンドン、ニューヨーク、東京など)は、商業面で引き続き優勢を誇っているものの、新たな競争に直面しています。こうした都市は、時に大胆な都市プロジェクトを実施してモメンタムを創出し続けています。ロンドンのホワイトシティやマンハッタンのルーズベルトアイランドでは、大学の新キャンパスや研究センターが建設されており、2020年夏のオリンピック・パラリンピックの開催地となる東京では、オリンピックが都市の変革に向けた触媒となっています。

こうした都市に挑んでいるのは、世界での存在感や影響力を高めようとしているその他の不動の世界都市です。シドニーの経済的モメンタム、不動産モメンタムは、金融街の創出を含むバランガルーのウォーターフロント複合開発プロジェクトなどによって勢いを増し続けています。ソウルでは、ソンゴ国際商業地区が世界のスマートシティのモデルを創出しています。

“活気あふれる高価値「Emerging World City(新興世界都市)」”は、時にイノベーションに牽引され、成熟に向けて急速に成長しています。バンガロールや深センには、世界で最も急速な成長を見せているハイテク企業数社が本社を置き、他の都市も同様の特性を発展させようと取り組んでいます。ナイロビは、アフリカのテクノロジーセンターとなるべく、教育施設やハイテク企業のオフィスを備えたイノベーション地区であるコンザテクノシティの開発プロジェクトを進めています。

「New World City(新たな世界都市)」は、小規模都市の多くが周辺大規模都市に対する競争力をつけてきている中で、世界に対する位置づけを変えてきています。ダブリンはCMIの中でも最も強い不動産モメンタムを見せる都市の一つであり、オークランドは、世界で最も持続可能で、居住性にも優れた都市の一つとして台頭しています。また、オースティンの優れた教育システムや事業コストの低さは、アメリカのテクノロジーセクターの力強い成長を牽引し続けています。

CMIを構築、発展させる上でJLLが目指すのは、変化を妨げる兆候を見つけ、変わりゆく新たな経済的展望の中で、競争に勝ち抜く活力を都市にもたらす要素を明らかにするメカニズムを示すことです。

JLL President and Chief Executive Officer
Colin Dyer ​


「JLL シティ・モメンタム・インデックス2016」の内容については、こちらをクリックからご覧いただけます。(英語のみ、日本語版は後日刊行予定)